目次
はじめに
みなさん、こんにちは。
たつの市にあるフジイ整骨院の院長の藤井です。
寒い冬の季節は、つい家の中で過ごす時間が長くなり、運動不足に陥りやすくなります。
この運動不足は、坐骨神経痛のリスクを高める一因となります。
坐骨神経痛は、腰から足にかけて痛みやしびれを引き起こす症状で、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
あるクリニックの腰痛や坐骨神経痛を患った経験のある1000人の方に尋ねた統計では、6割の方が冬になると坐骨神経痛が悪化すると答えたそうです。
なぜ冬になると坐骨神経痛が悪くなると感じるのか。またそれに対する対策はあるのか。
この記事では、冬の運動不足を解消しながら、坐骨神経痛を予防するための簡単なエクササイズをご紹介します。
これらのエクササイズを日常的に取り入れることで、健康的な冬を過ごし、坐骨神経痛のリスクを軽減することができます。
どうして冬に多いのか?冬の坐骨神経痛の原因とその症状
坐骨神経痛は、体の中で最も長い神経である坐骨神経が圧迫されたり炎症を起こしたりすることで発生します。
主な原因としては、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、筋肉の緊張や硬直などが挙げられます。
特に、運動不足による筋力低下や柔軟性の欠如は、これらの問題を引き起こしやすくなります。
症状としては、腰から臀部、太もも、ふくらはぎ、時には足先にまで及ぶ痛みやしびれ、ピリピリとした感覚などが特徴的です。
座っている時や立ち上がる時、歩く時に痛みが増す傾向があり、重症の場合は足の動きに支障をきたすこともあります。
坐骨神経痛は人体で一番太くて長い神経です。
いわば大阪の道路でいうと大阪環状線。
環状線はいろいろな道路が集まってきますが、うまく循環していると次の道路へと繋がって行きやすいです。
しかし、環状線がもし渋滞していると周りの道路から車が入りにくいし、そこから出るのも大変ですよね。
体の中では環状線を走っている車は血管・神経です。
なんらかの影響で環状線となる坐骨神経がつまってくると、すみずみまで血管・神経が行き渡らなくなるので症状が出てくるんですね。
冬季は寒さによる筋肉の緊張や、運動不足による筋力低下が起こりやすいため、坐骨神経が圧迫されたりとどこおるリスクが高まります。
そのため、生活環境の見直しと適度な運動、そして柔軟性の維持が重要となるのです。
冬の坐骨神経痛を防ぐエクササイズの重要性
当院に来院される50代女性患者さんで、冬の坐骨神経痛に悩んでいる方がいらっしゃいました。
冬になると血圧は上がってくるし、手足の冷えが強くなってきて困っていた上に、左足の太もものピリピリ感に悩まされていたそうです。
当院での治療で血流が良くなって体が動きやすくなったので、運動をしてみようという思いが出てきたそうです。
急に激しい動きはできないので、基本的なストレッチや筋トレをお伝えしたところ、この冬は去年ほど大きなしびれは出ていないとおっしゃっていました。
ここではその方にお伝えした内容をお話ししましょう。
定期的なエクササイズは、坐骨神経痛の予防と症状の緩和に非常に効果的です。
適切なエクササイズを行うことで、以下のような利点があります。
筋力の強化:特に腰周りと下半身の筋肉を強化することで、脊椎のサポートが向上し、坐骨神経への負担が軽減されます。
柔軟性の向上:筋肉や関節の柔軟性を高めることで、動きがスムーズになり、神経への圧迫が減少します。
血行の促進:運動によって血流が改善され、神経周辺の炎症を軽減し、痛みの緩和につながります。
姿勢の改善:正しい姿勢を維持する筋肉が強化され、日常生活での不適切な姿勢による神経への負担が減ります。
ストレス解消:運動はストレス解消にも効果的で、筋肉の緊張を和らげ、全身のリラックスを促します。
これらの効果により、坐骨神経痛のリスクを低減し、既に症状がある場合でもその緩和に役立ちます。
また後でおすすめのエクササイズをご紹介します。
冬の坐骨神経痛の予防に効果的なストレッチ法
坐骨神経痛の予防に効果的な簡単なストレッチとして、「膝抱えストレッチ」をご紹介します。
このストレッチは、腰と臀部の筋肉をほぐし、坐骨神経周辺の柔軟性を高める効果があります。
1.仰向けに寝て、両膝を曲げ、足裏を床につけます。
2.右膝を胸に向かって引き寄せ、両手で膝を抱えます。このとき、左足は床についたままにします。
3.右膝を優しく胸に近づけ、15-20秒間そのままの姿勢を保ちます。腰や臀部に心地よい伸びを感じるはずです。
4.ゆっくりと右足を元の位置に戻します。
左膝でも同じ動作を繰り返します。
両側3回ずつ行います。
このストレッチを行う際は、無理に膝を引き寄せすぎないよう注意しましょう。
痛みを感じたら、すぐに中止してください。
朝起きた時や就寝前、長時間座った後などに行うと効果的です。
坐骨神経痛を予防する5つの簡単エクササイズ
以下に、坐骨神経痛の予防に効果的な5つの簡単なエクササイズをご紹介します。
これらのエクササイズは、特別な器具を必要とせず、家で簡単に行うことができます。
ブリッジ
このエクササイズは、腰と臀部の筋肉を強化し、脊椎のサポートを向上させます。
①仰向けに寝て膝を曲げ、足裏を床につけます。
②お尻を持ち上げ、肩から膝までが一直線になるようにします。
③5秒間保持し、ゆっくりと元の位置に戻ります。
10-15回繰り返します。
猫背・猫反り
このエクササイズは、脊椎の柔軟性を高め、背中の筋肉をほぐします。
①四つん這いになります。
②息を吐きながら背中を丸め、顎を胸に近づけます(猫背)。
③息を吸いながら背中をそらし、顔を上げます(猫反り)。
ゆっくりとしたペースで10-15回繰り返します。
腰ひねり
このエクササイズは、腰の柔軟性を高め、坐骨神経周辺の緊張を和らげます。
①仰向けに寝て、左足を右足に乗せ、足を組みます。
②手を広げ、下半身を右に倒します。
③この体勢を10-15秒間保持し、中央に戻ります。
反対側も同様に行い、各側3回ずつ繰り返します。
大腿四頭筋のストレッチ
このエクササイズは、太ももの前面の筋肉をストレッチし、坐骨神経への負担を軽減します。
①壁に片手をついて立ちます。
②片足の踵を臀部に近づけるように曲げ、同側の手で足首を持ちます。
③15-20秒間保持し、ゆっくりと元の位置に戻します。
両足で3回ずつ行います。
これらのエクササイズを毎日10-15分程度行うことで、坐骨神経痛の予防に効果的です。
ただし、既に痛みがある場合や、持病がある方は、医師や専門家に相談してから始めるようにしましょう。
ストレッチを動画でまとめていますのでこちらもご覧ください。
ここで注意してほしいのが、エクササイズとストレッチは、健康的な生活に欠かせない運動ですが、その目的と効果は異なることです。
ストレッチは主に筋肉を伸ばし、柔軟性を高めることを目的としています。
関節の可動域を広げ、リラックス効果もあるため、怪我の予防にも役立ちます。
一方、エクササイズは筋力や体力の向上を目指す広義の運動です。
筋肉を強化し、心肺機能を向上させ、代謝を上げる効果があります。
効果的なトレーニングのためには、これら二つを組み合わせることが重要です。
運動前の動的ストレッチで体を温め、メインのエクササイズを行い、運動後に静的ストレッチで筋肉をリラックスさせるのが理想的です。
ストレッチとエクササイズをバランスよく取り入れることで、体の機能を総合的に向上させ、より健康的で活力ある生活を送ることができます。
日常生活での注意点
ストレッチやエクササイズに加えて、日常生活での心がけも坐骨神経痛の予防に重要です。
以下の点に注意しましょう。
正しい姿勢の維持:長時間座る際は、背筋を伸ばし、足を組まないようにします。
長時間同じ姿勢でいると、体を起こしているだけで重力に対する筋肉は疲労を起こしています。
立っているだけで歪みがある人はどんどん体が倒れるようになっていくのがわかります。
デスクワークをしている人は、長く座っているうちに左右どちらかに体が倒れたり傾いたりすることがあります。
これが長時間になることで一方の血の流れを悪くし、神経の圧迫を起こしてしまうことにつながります。
できるだけ30分に1回は背伸びだけでも、1時間に1回は立ち上がって歩くことをお勧めいたします。
適度な運動:ウォーキングや水泳など、低強度の有酸素運動を定期的に行います。
患者さんから「運動不足なんでしょうか?何をしたらいいですか?」という質問を多くいただきます。
運動をすることがいちばん良いことは誰もが知っていることなのですが、なかなか時間がなかったり、いざやるとなると踏み込めないことってありますよね。
院長がお勧めしているのは、まず歩く時間を作ること。
駅の構内は階段を使ったり、少し遠回りして歩く距離を作ってみたりして、普段の生活に運動を取り入れてみましょう。
意外に普段の生活に運動できる時間は隠れていますので、探してみてくださいね。
体重管理:過度の体重は腰への負担を増やすため、適正体重を維持します。
まずは毎日体重計に乗ることからやってみてください。
院長もスマホで管理していますが、推移がわかっていいですね。
暖かさの維持:寒さで筋肉が緊張しないよう、適切な防寒対策を行います。
体はまず冷やさないがいちばんです。
睡眠環境の整備:布団やお部屋をまず温めて、入眠しやすい環境を整えて、快適で良質な睡眠をとりましょう。
冬の寒さに負けず、できることからコツコツと実践してみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
冬の運動不足は坐骨神経痛のリスクを高める要因となりますが、適切なエクササイズと日常生活での注意により、その予防は可能です。
この記事で紹介した簡単なストレッチやエクササイズを日々の生活に取り入れ、正しい姿勢や生活習慣を心がけることで、
健康的な冬を過ごし、坐骨神経痛のリスクを軽減することができます。
ただし、既に強い痛みがある場合や、エクササイズ中に異常な痛みを感じた場合はすぐに中止し、医療機関を受診してください。
個々の状態に合わせた適切なケアが、坐骨神経痛の予防と管理には不可欠です。
健康的で活動的な冬を過ごすために、今日からできることから少しずつ始めてみましょう。
フジイ整骨院でも冬の坐骨神経痛でお悩みの方が多くいらっしゃいます。
当院では患者さんの生活環境やこれまでのお体の経緯など詳しくお聞きして、その人にあった治療方針を立てさせていただきます。
もし、寒くなってきて長期間の坐骨神経痛や腰痛でお困りでしたら、お問い合わせいただきますと幸いです。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》