12月になって今年も終わろうとしていますね。
この時期になるとやらないといけないのが大掃除。
患者さんの中にも、大掃除中にぎっくり腰になってしまいましたとか、大掃除の時期になると、腰を痛めてと言う声をよく聞くようになってきました。
大掃除をしていて、腰痛になりやすい方となりにくい方がいます。
今回は、どうしてそのような違いが出るのか、もっと合理的に楽に動ける方法はないのか、についてお話ししたいと思います。
掃除中に腰を痛めてしまう癖がある方は、ぜひ最後までお読みになって参考にしていただければと思います。
目次
ぎっくり腰になる原因って何?大掃除で疲労しやすい場所があった
あるアンケートによると、大掃除中に腰痛に悩まされたと言う経験が、5人に1人あるそうです。
その中でも1番多かったのは、お風呂の浴槽や壁、床の掃除中に起こった腰痛。
その次に多かったのが、窓の掃除、大きな家具の移動、そして換気扇、キッチンの掃除だったそうです。
何となく想像ががつきますよね。
お風呂の掃除では、中腰の姿勢で行うことになります。
大掃除では普段やっている掃除よりも細かくしようとするので、いつもよりも中腰が長くなってしまいます。
窓や換気扇の掃除では高いところで手を上げて体を動かそうとするので、反り腰になって体の負担が大きいですよね。
ついつい一生懸命になってしまうところですが、30分に1度の目安で腰を伸ばすなど休憩を入れると、大きな痛みを起こさずに続けることができるでしょう。
掃除でぎっくり腰を起こさない人はやっていた!疲れにくい使い方とは
大掃除でたくさん動いた後でも腰痛を感じない人はどんな使い方を教えるのかを聞いていると、ある共通点が見当たりましたので、ここでご紹介いたしたいと思います。
皆さん、やはり股関節をうまく使っていることがわかりました。
腰を曲げるときは股関節から動かすことによって、腰や膝の負担を軽くしていたんですね。
この使い方と言うのは、疲れない体の使い方でよく知られている古武術の動かし方がヒントになります。
ここでは、古武術式のいくつかの体の使い方についてご紹介したいと思います。
参考にしたのは岡田慎一郎著「古武術式 疲れない体の使い方」三笠書房 です。
生活の中で使える疲れない体の使い方が、イラスト入りで解説していますので、わかりやすくていい本です。
掃除機の使い方
股関節をうまく使うことによって、上半身と下半身の連動がスムーズにつながるので腰痛を防ぐことになります。
写真のように背中が丸くなってしまうと手だけで動かすことになり、腰への負担は大きくなります。
足を前後に開き、前脚と柄を並行にして、脚と柄を同時に動かすイメージを持つと重心移動がスムーズに。
腰への負担は軽くなります。
床掃除のやり方
両足からしゃがみ込んで、腰を丸くして拭き掃除を長くしていると、腰への負担がかかってしまいます。
1、片膝をつく
2、つま先を外に開く
3、股関節から膝を倒して脚を動かす
こうすることで体全体で拭き掃除ができるようになるので、腰への負担はかかりにくくなります。
お風呂掃除の際にも使える方法ですね。
重い荷物の持ち方
背中を丸くしてそのまま持ち上げると腰痛の原因に。
1、股関節を曲げ、体を前に倒す
2、つま先を外に開く
3、股関節から上体を起こしていく
コツはつま先を外にして股関節を曲げ、荷物と一体化して股関節から起こすこと。
どんな荷物にも使えますね。
取っ手がある荷物を持つときの持ち方
外に持つと腕だけで持つことになって腰に負担がかかります。
1、つま先を外に股関節から曲げる
2、手首を返して持ち手の内側に手をかける
3、背中の張りを保って持ち上げる
肩甲骨が広がるので力が入りやすいです。
掃除が原因でもしぎっくり腰になったらどんな症状でも冷やす?温める?
もしぎっくり腰になってしまったら、まず温めるべきか冷やすべきか対処に困ってしまいますよね。
どっちか迷うようでしたら、まず温めることをお勧めいたします。
少しでも動けるようなら、日常の動きは普通にやったほうが早い改善が見込めます。
全く動けないくらいの痛みは、長くても3日以内には軽減します。
それ以上つらい時は医療機関で詳しく検査してもらうことをお勧めいたします。
まとめ
今回は、大掃除をしていてぎっくり腰を起こさないための体の使い方や注意点についてお話しいたしました。
特に、普段やっていない掃除場所などを長くされるときは、この使い方を覚えておくことで、ぎっくり腰になる可能性が低く
なります。
うまく体を使って疲れを起こさずに、気持ちよく新年を迎える準備をしましょう。
もし、大掃除の後などに腰を痛めてからずっとお困りの方は、当院でも適切なアドバイスや治療を行なっておりますので、
ご相談くださいませ。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》