目次
はじめに
みなさん、こんにちは。
たつの市にあるフジイ整骨院 院長の藤井です。
週末の温泉旅行から帰ってきて、「これで肩こりも楽になるはず」と期待していたのに、数日後にはまた同じ重だるさが戻ってくる。
マッサージに行っても、湿布を貼っても、ストレッチをしても、一時的に楽になるだけで、根本的には何も変わらない。
そんな慢性的な肩こりに、もう何年も悩まされ続けていませんか。
「温泉に入れば治ると思っていたのに」「どれだけお金をかけても改善しない」、
「この肩こりは一生付き合っていくしかないのか」という諦めにも似た気持ちを抱いている方も多いでしょう。
特に、デスクワークが中心の方や、スマートフォンを長時間使う方にとって、肩こりは日常生活の質を大きく下げる深刻な問題です。
しかし、温泉やマッサージで改善しない肩こりには、実は温熱療法だけでは届かない深い部分に原因が隠れていることが多いのです。
表面的な筋肉の緊張をほぐすだけでは、根本的な解決にはなりません。
慢性的な肩こりを本当に改善するためには、なぜ肩こりが繰り返し起こるのか、
その根本原因を理解し、生活習慣レベルからアプローチする必要があります。
この記事では、温泉に入っても改善しない肩こりの本当の理由を科学的に解説し、
深層筋の硬さという見落とされがちな原因について詳しくお伝えします。
さらに、日常生活から変えていく根本的な治療の考え方をご紹介します。
長年の肩こりから本当に解放されるための、新しい視点を見つけていただければと思います。
温泉に入っても肩こりが治らない本当の理由
温泉の温熱効果は確かに血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。
しかし、慢性的な肩こりが温泉だけでは改善しない理由には、いくつかの重要な要因があります。
まず理解すべきは、温泉の温熱効果が届く深さには限界があるということです。
一般的な入浴や温泉では、皮膚から1-2センチ程度の深さまでしか十分に温まりません。
しかし、慢性的な肩こりの原因となっている筋肉の多くは、もっと深い層に存在しています。
例えば、肩甲挙筋(肩甲骨を持ち上げる筋肉)や菱形筋(肩甲骨の内側の筋肉)は、
表層の僧帽筋(首から肩の表面の筋肉)の下に位置しており、温泉の熱だけでは十分にほぐれません。
次に重要なのは、温熱効果の持続時間です。
温泉から上がって体が冷えると、拡張していた血管は元に戻り、血行促進の効果も徐々に失われます。
研究によると、入浴後の温熱効果は2-3時間程度しか持続しないとされています。
つまり、温泉の効果は一時的なものであり、慢性的な筋肉の硬化を根本から改善するものではないのです。
また、慢性的な肩こりには「筋膜の癒着」という問題が関係しています。
筋膜とは筋肉を包む薄い膜のことで、長期間の不良姿勢や筋肉の過緊張により、この筋膜が周囲の組織とくっついてしまう現象が起こります。
筋膜が癒着すると、筋肉の滑らかな動きが妨げられ、これが慢性的な痛みやこりの原因となります。
温泉の温熱効果では、この筋膜の癒着を解消することはできません。
さらに見落とされがちなのが、神経系の関与です。
慢性的な肩こりでは、中枢神経が痛みを記憶してしまい、実際の組織損傷がなくても痛みを感じる状態になっていることがあります。
これを「中枢性感作」と呼びますが、この状態では温熱療法だけでは痛みの軽減が困難です。
温泉だけでは届かない深い筋肉の硬さが原因かも
慢性的な肩こりの真の原因は、表層の筋肉ではなく、より深い層にある筋肉の硬化にあることが多いのです。
これらの深層筋は、日常の姿勢維持や細かな動作のコントロールに重要な役割を果たしていますが、
意識的に動かすことが難しく、硬くなっていても気づきにくいという特徴があります。
特に重要なのが、肩甲挙筋(首から肩甲骨につながる筋肉)です。
この筋肉は、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用で首が前に出た姿勢を続けることで、常に引き伸ばされた状態になります。
この状態が長期間続くと、筋肉は防御反応として硬くなり、血流が悪化します。
肩甲挙筋は表層の僧帽筋の下に位置しているため、温泉の熱だけでは十分に届きません。
また、小胸筋(胸の前側の深い筋肉)の硬さも見落とされがちです。
前かがみの姿勢が続くと、この筋肉が短縮して硬くなり、肩が前に巻き込まれた姿勢を作り出します。
この姿勢が固定されると、肩甲骨の動きが制限され、肩周りの筋肉全体に負担がかかり続けます。
小胸筋は肋骨の裏側に付着しているため、表面からのアプローチでは届きにくい部位です。
深層筋の硬さを評価する一つの方法は、肩甲骨の動きを確認することです。
腕を横から上げる動作で、肩甲骨がスムーズに動かない場合、深層筋の硬さや機能不全が疑われます。
また、首を左右に回した時の可動域の違いや、特定の方向に動かした時だけ痛みが出る場合も、深層筋の問題を示唆しています。
深層筋の硬さを改善するには、表層筋をリラックスさせた上で、深い部分に適切な刺激を与える必要があります。
これには専門的な手技や、特定の深層筋を狙ったストレッチ、そして姿勢の改善が不可欠です。
単に温めるだけでは、これらの深い問題に対処することはできないのです。
日常生活から変える肩こり根本治療の考え方
慢性的な肩こりを根本から改善するには、治療院での施術だけでなく、日常生活全体を見直すアプローチが不可欠です。
なぜなら、肩こりの真の原因は、毎日繰り返される姿勢や動作のパターンにあるからです。
まず重要なのが、作業の環境を最適化させることです。
デスクワークの場合、モニターの高さが目線より低いと、首が前に出た姿勢になりやすくなります。
モニターの上端が目線の高さかやや下になるよう調整し、画面との距離は40-50センチ程度を保ちましょう。
椅子の高さは、足裏全体が床につき、膝が90度程度に曲がる高さが理想です。
これらの調整により、首や肩への負担を大幅に軽減できます。
次に重要なのが、動きの習慣化です。
人間の体は長時間同じ姿勢を維持するようには設計されていません。
1時間に一度は立ち上がり、肩甲骨を動かす運動を行いましょう。
両手を後ろで組んで胸を張る動作や、肩を大きく回す動作を各10回程度行うだけで、筋肉への血流が改善され、硬化を予防できます。
睡眠環境の見直しも見落とせません。
枕の高さが合っていないと、睡眠中も首や肩に負担がかかり続けます。
横向きで寝た時に、首が肩と一直線になる高さの枕を選びましょう。
また、うつ伏せ寝は首を大きく捻る必要があるため、できるだけ避けることをお勧めします。
精神的ストレスへの対処も重要です。
ストレスを感じると、人は無意識に肩に力を入れる傾向があります。
定期的な深呼吸や、肩の力を意識的に抜く練習を行うことで、この無意識の緊張を軽減できます。
1日に数回、肩を上げて力を入れた後、一気に力を抜く「緊張と弛緩」の運動を行うと効果的です。
まとめ
いかがでしたか?
温泉に入っても改善しない慢性的な肩こりには、温熱療法だけでは届かない深い原因が隠れていることを見てきました。
表層の筋肉だけでなく、肩甲挙筋(首から肩甲骨の筋肉)や小胸筋(胸の深い筋肉)といった深層筋の硬さ、
筋膜の癒着、そして神経系の問題など、複雑な要因が絡み合っているのです。
一時的な症状の緩和ではなく、根本的な改善を目指すには、作業環境の最適化、定期的な動きの習慣化、
睡眠環境の見直し、ストレス管理など、日常生活全体を見直すアプローチが必要です。
これらの改善は一朝一夕には実現しませんが、継続することで確実に体は変化していきます。
ただし、長年蓄積された深層筋の硬さや筋膜の癒着は、セルフケアだけでは改善が難しい場合も多くあります。
特に、日常生活の改善を試みても症状が変わらない場合や、痛みが強く生活に支障をきたしている場合は、専門的な評価と治療が必要です。
当院では、表層だけでなく深層筋にアプローチする施術を行い、姿勢分析に基づいた個別の改善プランをご提案しております。
長年の肩こりでお困りの方は、どうかお早めにご相談ください。
慢性的な肩こりは「治らないもの」ではありません。
正しい知識と適切なアプローチで、本当の意味での改善は可能です。
あなたの肩こりのない快適な日常を取り戻すために、一歩を踏み出してみませんか。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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