先日患者さんからそのようなお悩みをお聞きしました。
10月の季節になると始まるのが各地で開かれるお祭り。
コロナが蔓延してからお祭りの中止も相次いで、今年は3年ぶりに開催されたという地域も多いですね。
しかも、まだコロナのことが心配なのでお祭りに参加したくないという方も多いので神輿の担ぎ手が少ないそうです。
ただでさえもきついおみこし担ぎ。それを少ない人数でということになると、休憩もままならないし、何度も担がないといけないという厳しさ。
これでは慣れない方は体を痛めることは間違いありません。
こちらの写真は患者さんにお借りしたものです。
久しぶりに神輿を担ぐ練習をやりまくったところこのような腕の状態に。
幸いこの状態はしばらくすると自然に治まったそうなので大事にはいたりませんでした。
この方もお祭りが終わった後から首と肩、背中が痛くてたまらなくなり、ご来院されました。
今回は、慣れない神輿担ぎでどんなところを痛めやすいのか。
担いだ後で体はどんな変化を及ぼして、そのままにしているとどんな怖いことになるのか、をお話ししたいと思います。
神輿を担いだことのある人に、どんなことで困るのかお聞きしました。
1、肩の痛み
ほとんど打撲と同じになるそうです。
硬い木材を肩に置いて重い神輿を担ぐわけですから、当然と言えば当然ですが。
確かに神輿を担いだ後に来られる患者さんはみんな腫れ上がったようになっています。
2、背中と腰の痛み
片方の肩に重いものを担いで動き回るので、反対側の背中と腰に相当の力が加わります。
定期的に担ぐ肩を切り替えているそうですが、それでも利き手、利き足の方がより使ってしまうことになります。
普段履き慣れない足袋をはいて練るのもより疲労感を大きくしています。
足場が悪いところでダイレクトに地面を受けているようなものですので、あっという間にマメや水ぶくれができてしまいます。
ぎゅうぎゅうで担いでいるので足を踏まれることも多いそうですね。
目次
神輿を担いだ後の腰背中の痛みの理由はバランス異常
神輿を担いだ後の体は、左右のバランスがバラバラになっています。
当院に来られた30代男性Aさんも、担ぐ側の肩は切り替えていたそうですが、どうしても利き手の肩に持つことが多かったのでしょう。
左側の背中が盛り上がった状態になっていました。
片側に重みがかかると、反対側の足で支える方の筋肉はおのずと力が入っていきます。
これは斜めになった坂道でずっと立っていたのと同じです。
その後急に真っ直ぐの道に立っても、まだ体は斜めの筋肉バランスでいるのですぐには両方の筋肉をうまく使えなくなっています。
普段から筋肉をよく使っている人や、重い荷物を持つことに慣れている人は、徐々に回復するでしょう。
しかし、めったに重いものを担ぐことのない人はバランスを崩したままになることも。
この状態が長くなると、肩こりや首の痛み、手や足のしびれなども引き起こしかねません。
お祭りの後になるとつらい腰痛!その原因はストレス?内臓?体に起こっている不調のわけ。
Aさんはお祭りの練習が続く中、腰痛がつらくて少し練習を休んでいました。
しばらくすると、突然強烈な寝違えの症状で首が全然動かなくなりました。
負担をかけている場所でもないのに、首になんで痛みが?関係あるの?
Aさんは不思議な感覚にとらわれていました。
急なバランスの異常は背骨に急な歪みを起こしてしまいます。
それは背骨につながる肋骨の動きを悪くしてしまうことにもつながります。
肋骨は呼吸をするときに必要な動きを作ります。
呼吸をする筋肉は、首の筋肉と同じ神経ラインを持っています。つまりは首にも影響を与えることもあります。
このようにバランスを乱すことは様々な影響を及ぼしていきます。
原因からみる片側腰痛から回復する方法とは?
ここからは、いち早く神輿を担いだ後の崩れたバランスを取り戻す方法についてお話ししましょう。
おみこしなど重いものを担いだときの背中や腰の痛みは足のバランス異常が引き起こしているとお伝えしました。
バランスを回復するためには、片方に偏っている筋肉バランスをちゃんと両足で支えられるように戻していくことが大事になります。
まずは体を動かせる準備をしましょう。
一つ目の対策は「両足で立つ」です
椅子にもたれずに少し浅めに座ってください
次に写真のように、両手を膝に置いて両膝を伸ばし切るように立ってください。
最後に両膝をそのまま曲げることなく体を真っ直ぐ起こしてください。
これを3回行ってください。足首、膝、股関節のバランスを良くしてくれます。
その前の準備としてお願いしたいことがあります。
今回のようなおつらい状況の時には、まずは体の疲労をとることが必要です。そのために・・
必ずお風呂に浸かるようにしましょう。
時間がもったいないとお考えの方もおられるかもしれませんが、10分でも15分でも湯船に浸かることで睡眠の質が断然変わってくることが証明されています。
結果的に短い時間で疲労をとることにつながるので、絶対にお勧めします。
その次に深呼吸。
よくため息をつく、と言いますが、あれは酸素不足になった体が意識的に息を吐くことで二酸化炭素を吐き出して酸素を取り入れているのです。
意識的に、はく、吸う、を大きく行うことで酸素を取り入れやすくなり、疲労物質をいち早く取り除けることにつながります。
まとめ
今回はおみこしを担いだ後に腰痛や首の痛みになってしまった場合のメカニズムと対処法についてお話ししました。
バランスの異常は自分では気づきにくいもの。
定期的に鏡を見たり、他の人に姿勢を見てもらったりして、バランスを保てるようにしておきましょう。
自分で難しいと思われた場合は、国家資格を持っていて体を整えることができる場所で診ていただくことをお勧めいたします。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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