【改善ストーリー】電話の声が聞き取りやすくなりました!腰痛で歩けない80代女性

患者さん「先生!電話がやりやすくなってきたんです!」

娘さん「先生!最近お母さんと電話で話してたらよく聞こえるようになってるみたいなんです!」

このやり取り、先日当院に通われている患者さんとその娘さんからお聞きした言葉です。

どんな経緯があったのか、お話しましょう。

 

・一人暮らしの母が心配だ

・最近電話の声が聞き取りにくくなってきた

・親にずっと体が痛い、痛いと言われ続けて困っている

 

というお悩みがある方はこのストーリーが参考になると思いますので、最後までお読みください。

 

腰痛で歩けないひとり暮らしの80代女性が抱える現状

患者さんは80代の女性・Kさん

10年以上一人暮らしをされていて、遠方にお住まいの娘さんがよく様子を見にこられています。

 

Kさんは数年前に*脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)と診断され、病院に通っています。

   *背骨をながれる太い神経の通り道が狭くなって痛みやしびれを起こす症状

腰が痛くなるまでは杖もつかず、元気に畑仕事など外出もされていました。

 

最近になってめまいもあって歩きにくくなり、常に体が痛い、痛いと娘さんに嘆いていたそうです。

杖をついて歩いても痛くてすぐに止まってしまう。

 

外に出るのも億劫になってしまい、電話で娘さんと話をすると聞き取りにくいのか、会話がなかなか前に進まなかったそうです。

昔、Kさんが鍼をしていてよかったという声を聞いていたので、鍼をしてくれるところはないかと娘さんがネットで検索したところ、当院に行き着いたとのことでした。

 

80代女性の腰痛 歩けない!?あきらめるにはまだ早い

整形外科の先生もできることは全て対処しておられます。

 

デイサービスも週に一回通っていますが、あとはずっと家の中にいるだけなので動くことがありません。

めまいがあるから余計に外に出たくない。

めまいの原因もわからない。痛みは一向に変わらなくてつらいばかり。

わらをもすがる気持ちで当院にこられました。

 

ご家族も一緒に住んでいるわけではないので、心配で会いに行くものの、会うたび痛い、痛いと言われるばかり。

どうすればいいかわからない。どちらもお悩みは深いものでした。

 

そんな毎日ではお互いにストレスが溜まって、つい弱気になってしまうこともありますよね。

お話を全部お聞きして治療を進めていく上で、ご本人とご家族にこれらのことをお伝えしました。

 

ご本人には

・すぐに痛みから解放することは難しいかもしれないけれど、よくなりたいという気持ちはあきらめないでほしい

・今の状態から少しでもこれはマシという変化があったら教えてほしい

ということ。

 

そして連れてきて下さる娘さんには

・自分から見て「良くなっていること」だけをお母さんに伝えてほしい

・お母さんが言っていることをそのまま受け入れてほしいこと。例えば「ずっと痛い。背中が熱い。しんどい。」と言ったら「ずっと痛いんだね~」とそのまま受け入れるように。

この2点をお伝えして進めていきました。

 

80代女性に会話が必要な理由と腰痛との関係とは

80代で一人暮らし。

外に出ることが少なくなれば、人と話す機会も減っていきます。

 

たまに人と話すことでストレス解消になっていればいいですが、ずっと一人では考えることは「痛い」ということばかり。

痛いという感覚は、脳の中でストレスを感じとる部分と隣り合わせにあるので、より強いストレスとなります。

 

逆に、他の生活上のことや体のことでストレスを感じたら、脳では勘違いして痛みととらえることもあります。

Kさんにとっては聞いてもらえる娘さんがいることでどれだけ気が楽になったことかと思います。

人はただ話を聞いてもらえるだけでストレスが軽減したり、気持ちがすっきりしたりします。

ハーバード大学のミッチェル博士らの論文によると、ただ話をするだけでなく「自分について話す」ことで、快楽をもたらす脳内物質ドーパミンが増えることがわかっているそうです。

 

いかに「ただ聞いてあげる」ことが大事かがわかりますね。

 

腰痛だけでなく耳の聞こえ方まで変化が!前向きになれた80代女性

お体の状態を見させていただくと、体全体の歪みがみられるために、全身の血液の巡りや神経の流れに影響を与えていることが考えられました。

 

脊柱管狭窄症や腰椎圧迫骨折(ようついあっぱくこっせつ)といった病名を聞いて、動いてはダメだと思い込み、積極的に動いていなかったそうです。

そのため筋力もかなり落ちていることがわかりました。

 

年齢的なこともあるので、筋力はすぐに回復することはできません。

少しずつ体の歪みを整えていくので、動ける範囲でいいから少しでも歩くことから始めてほしいことをお伝えしました。

 

その後、2回目、3回目と続けていく上でご本人からは「まだ痛い、まだ熱い」という声は出るものの、来院する時の歩き方や座った時の姿勢は明らかに変わってきていることが見て取れるようになってきました。

 

娘さんからも「歩くのが早くなった」「杖をつかなくても歩いている姿を見られるようになった」

電話の声が聞き取りやすくなってきた」ということをおっしゃっていただきました。

めまいはまだ残りながらも、電話の会話がやりやすくなったということは、音が少し聞き取りやすくなっているということです。

耳の中はリンパ液という液体で満たされていて、音の振動をその液体を伝って電気信号に変えていきます。

 

池の水に例えると、水が随時入れ替わっている池だと澄んだ水を保てますが、出入り口がつまった池はドロドロになってしまいます。

聞こえにくくなった耳は、ドロドロになった池の水と一緒で音の信号が伝わりにくくなっています。

 

耳の周辺の血流が良くなると、リンパ液もキレイに保てるので、耳の神経が音を敏感に送るようになってくるんです。

Kさんの耳もそのために回復傾向がみられたんですね。本当に良かったです。

 

1人暮らしをされている方はとかく話し相手が少なくなってしまい、閉じこもりがちになるかもしれません。

 

  • 人と会話をすること
  • 外に出て歩くこと

これを続けるだけでも体を元気に保てることができますので、あきらめずに続けましょう。

 

お体を定期的にお手入れして、血の流れを良い方向に保つことも、生活を楽に続ける秘訣になるかと思います。

ご家族の方は、一緒に治療院などに行って体のメンテナンスをすることも良いかもしれませんね。

 

《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》

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