コロナ禍の夏休みも終わってしまいましたね。
どうしてもおうちにいて座る時間が長くなってしまいましたよね。
最近、中・高校生の子供を持つおかあさんからよく耳にするのは「最近腰が痛いって言うんですけど、ずっとうちにいて勉強もせずゲームばかりしてるからなんでしょうか」というお悩みなんです。
ずっと座っているとどのようなことが起こってしまうのか。
座り続けると姿勢が悪くなるだけならまだしも、血の巡りが悪くなって脳への血の流れも悪くなることがあるんです。
座りすぎが健康リスクを高めているという研究結果はずいぶん前から言われていて、腰痛や肩こりはもちろんのこと、子供の様々な健康被害も起こす可能性を秘めています。
今回は座りすぎによって体に起こる健康被害と、座りすぎが原因と思われる腰痛やお尻の痛みでお悩みの方に1分で解消できるストレッチ法と対策についてお話しいたします。
あなたやあなたのご家族の腰痛が座りすぎのせいかなとお思いの方はぜひお読みいただいて対策を実践してみてくださいね。
目次
座りすぎでこんな病気まで?腰痛だけではなかった座りすぎによる健康リスクとは
突然ですが、あなたは1日に何時間座っていますか?
「せいぜい2〜3時間ですね」
「仕事はデスクワークだから6時間くらいなぁ」
そんなところでしょうか。
シドニー大学が行った「世界20ヵ国における平日の総座位時間」の調査では日本人の座位時間はサウジアラビアと並んで7時間と最長だったのです。
日本人のデスクワーカーは世界一真面目に働きすぎるということでしょうか。
出典:Bauman et al.Am J Prev Med,2011
それでなくとも真面目な日本人はお家時間が長くなることでもっと座る時間が長くなる。
そりゃ腰やお尻も痛くなりますよね。ゾッとします。
それでは座りすぎたらどんな危険があるのでしょうか?
研究では「一日11時間以上座っている人では、4時間未満の人に比べて死亡リスクが40%高まる」[豪シドニー大学van der Ploeg氏らの研究(2012)]という報告や、
[米ジョージア州アトランタ・米国癌協会・行動疫学研究グループPatel氏らの調査(2018)]でも1日6時間以上座っている人では3時間未満の人より、循環器系や消化器系、筋骨格系などの疾患による死亡リスクが高まるという報告がされています。
つまり、「座りすぎたら早く死んでまうよ〜!」ということなんですね。
そのほかにも1日9時間以上座っている人が7時間未満の人より糖尿病の確率が2.5倍上がっていたことがわかっていたり、抑うつや心理的ストレスを抱える率が高かったという発表もされています。
それほど座りすぎには健康を害する要素がたくさんあるということですので、日頃から座りすぎに対する対処は怠らないようにしたいですね。
そのクッションの使い方は合ってますか?間違いだらけの座りすぎ腰痛対策
座りすぎはダメなのはよくわかったけど、私は困っているのは腰痛なんだからどうにかしてよ。
そうお思いの方もいらっしゃいますよね。
ではなぜ座りすぎたら腰に痛みを感じてしまうのでしょうか。
人は立っているだけで重力に対して筋肉を使っていますが、 座っている状態では下半身の筋肉は重力に対する筋肉は使われないことになってしまいます。
つまり座っているだけで筋力低下を起こしてしまうんです。
また、 座った状態で股関節を深く曲げた状態が長く続くと骨盤周りの血の巡りが悪くなってしまうんです。
そうしたことから腰の筋肉の血の巡りが悪くなってしまい、硬くなるので腰痛を引き起こしやすくなってしまうんですね。
では座っていて腰が痛くなった時皆さんはどのように対処をされますか?
結構多いのはクッションを椅子の後ろに置いて座っていると言う方です。
腰にクッションを当てることが悪いわけではありませんが、間違った置き方をしてしまうと
より腰痛になりやすい状態を引き起こしかねないんです。
クッションを使うのであればお尻の後ろ半分に敷くようにして骨盤が起き上がるような状態にすることが1番ベストです。
ソファーに座っているように背中が丸くなったりのけぞるような置き方をしてしまうとより痛めますのでお気をつけくださいね。
30分に一回〇〇するだけで座りすぎ腰痛を改善する1分ストレッチ
ここでは座りすぎ腰痛の改善のための簡単なストレッチをご紹介いたします。
1、まず最初に座りすぎ腰痛を起こさないための一番の方法は30分おきに立ち上がることなんです。
勉強をする時にも30分おきに一回5分の休憩をおくことが集中力を保つためにも良いとされています。
トイレに行く、水を飲む、背伸びをする、少し 歩くなど何か決め事を見つけて30分ごとに動くようにしましょう。
2、 座ったままできる腰痛改善1分ストレッチ法。
①まず片足をもう片方の足の膝の上に乗せてください。
②そのまま体を前方にまっすぐ背中をまっすぐにして倒していってください。
③お尻のあたりにストレッチがかかっていることを感じたら20秒ほど止めてください。
④これを反対側の足も行ってください。合計で約1分です。
3、 次は片方の体をまっすぐ上に伸ばして反対側のほうに体を横に倒してください。
同時に反対側の手を床にまっすぐ下ろしてください。 これも20秒。
呼吸は止めないようにゆっくり行ってください。片方が終わったら反対側の腕も行ってください。
これを30分おきにどれか1つ行うことで座りすぎによる腰痛を防ぐことができるでしょう。
まとめ
1、座りすぎによって寿命を縮めることになるし腰痛だけでなく様々な疾患の原因につながってしまう
2、 椅子にクッションを置くときはお尻の後ろ半分にクッションをかまして背中に置いて骨盤が少し立つようにする
3、 30分に一回は立ち上がって背伸びやストレッチをするなど一度休憩をする
いかがでしたでしょうか。
どうしても集中している時にあっという間に1時間や2時間座りっぱなしということが多いとは思います。
仕事や勉強の効率を上げるためにも座りすぎには注意して毎日楽しく過ごしましょう。
それでもよくならない、自分では限界だ、というときは体を整える刺激を入れることもお勧めいたします。
(柔道整復師・あんま・指圧・マッサージ師・鍼灸師 藤井敦志 監修)