【大掃除で高い所の作業をした後の肩の痛みをケアする方法】

はじめに

 

 

こんにちは。たつの市フジイ整骨院院長の藤井です。

 

年末の大掃除で高い所の窓拭きや照明の掃除を頑張った後、肩に重だるさや痛みを感じていませんか。

腕を上げるのが辛い、シャツを着替える時に痛みが走る、夜寝る時に肩が疼いて眠れない。

 

そんな症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか。

 

 

高い所の作業は、普段使わない角度で腕を長時間上げ続けるため、肩への負担が想像以上に大きくなります。

 

「少し休めば治るだろう」と思っていても、翌日になって痛みが増したり、数日経っても改善しなかったりすることがあります。

 

特に、普段デスクワークが中心の方や、運動不足の方は、肩周りの筋肉が硬くなっているため、より痛めやすい傾向があります。

 

肩の痛みを放置すると、四十肩や五十肩のような慢性的な症状に移行する可能性もあります。

 

また、痛みをかばって不自然な姿勢を取り続けることで、首や背中にまで不調が広がることもあります。

 

だからこそ、痛めた直後からの適切なケアが重要なのです。

 

 

この記事では、高い所の作業で肩を痛める原因を詳しく解説し、痛めた肩の炎症を最短で鎮める応急処置の方法をご紹介します。

 

さらに、肩の回復を早める自宅でできる即効ストレッチ法についても具体的にお伝えします。

 

年末年始を肩の痛みに悩まされることなく、快適に過ごすための知識を身につけていただければ幸いです。

 

 

 

大掃除で肩を痛める原因となる動作と姿勢

 

高い所の作業で肩を痛める原因には、いくつかの典型的なパターンがあります。

 

まず最も問題となるのが、「腕を長い時間上げ続ける姿勢」です。

窓の上部や照明器具の掃除では、腕を肩より高く上げた状態を維持します。

 

 

この姿勢では、肩関節を安定させる回旋筋腱板(肩の深い筋肉群)に大きな負担がかかります。

 

特に、腕を90度以上上げた状態では、肩峰(肩の骨の出っ張り)と上腕骨(腕の骨)の間のスペースが狭くなり、その間にある腱や滑液包(クッションの役割をする袋状の組織)が圧迫されます。

 

次に問題となるのが、「反復動作による筋肉の疲労」です。

 

窓拭きでは、腕を上げた状態で左右に何度も動かす動作を繰り返します。

 

この反復動作により、三角筋(肩の表面の筋肉)や僧帽筋上部(首から肩にかけての筋肉)が過度に働き続け、筋肉の中の血管が圧迫されて血流が悪化します。

 

血流が悪くなると、筋肉に必要な酸素や栄養が不足し、疲労物質が蓄積して痛みや凝りとして症状が現れます。

 

「不安定な姿勢での作業」も肩への負担を増大させます。

 

脚立の上や椅子に乗って作業する際、体のバランスを取るために肩周りの筋肉が過度に緊張します。

 

通常であれば体幹の筋肉で支えるべき体重を、肩の筋肉が代償的に支えることになり、これが大きな負担となります。

 

特に、片手で何かに掴まりながら、もう片方の手で掃除する動作では、片側の肩だけに負荷が集中します。

 

 

「無理な角度での作業」も見落とせません。

 

高い所の奥まった部分を掃除しようとすると、腕を後ろに引いたり、内側に捻ったりする必要があります。

 

このような不自然な角度での動作は、肩関節の正常な動きの範囲を超え、関節包(関節を包む袋)や靭帯に過度なストレスをかけます。

 

また、回旋筋腱板(肩の深い筋肉群)が骨に挟まれる「インピンジメント」という状態を引き起こしやすくなります。

 

さらに、「休憩を取らずに連続作業する」ことも大きな問題です。

 

大掃除では「今日中に終わらせたい」という気持ちから、休憩なしで2-3時間も作業を続けがちです。

 

しかし、肩を上げた状態を30分以上続けると、筋肉への血流が著しく低下し、組織の損傷リスクが急激に高まります。

 

普段、運動の習慣がない方は、肩周りの筋肉の持久力が低下しているため、より短時間で痛めやすくなります。

 

 

 

痛めた肩の炎症を最短で鎮める応急処置の正しい手順

 

 

肩を痛めた直後の適切な対応が、その後の回復速度を決定づけます。

 

まず最優先で行うべきは、「作業の即時中断と安静」です。

 

 

痛みを感じた時点で作業を止め、腕を下ろして肩をリラックスさせます。

 

無理に動かし続けると、炎症が拡大し、回復が大幅に遅れる可能性があります。

 

痛めた直後の15-30分間は、椅子に座って肩の力を完全に抜き、深呼吸をしながら筋肉の緊張を和らげることが重要です。

 

次に実施すべきは、温めることです。

 

特に熱感がない場合は特に冷却する必要はなく、温める方がよろしいかと思います。

 

急性期はまずは冷やすというのが定番ですが、じっとしててもうずいたりかなりの炎症があるような場合をのぞいて、冬は寒いですから温める方が良いと私は思います。

 

 

「痛みの程度の評価」も早期に行います。

 

具体的には、腕を横から上げる動作、前から上げる動作、後ろに回す動作がどこまで可能かをチェックします。

 

 

また、夜間痛(夜寝る時の痛み)があるかないかも重要な判断の材料です。

 

夜に痛みが強い場合や、腕がまったく上がらない場合は、腱の断裂などより深刻な損傷の可能性があるため、早急に専門家の診察を受ける必要があります。

 

 

 

「適切な姿勢の維持」も回復を左右します。

 

痛めた直後は、腕を体の横に自然に下ろした状態を保ちます。

 

三角巾や大きめのタオルがあれば肘を90度に曲げて腕を吊っておくことが一番です。

 

特に熱感がある場合は炎症がありますので腕を吊っておくことで回復を早めることができます。

 

無理に腕を上げたり、痛みをこらえて動かしたりすることは避けてください。

 

 

 

また、痛めた側を下にして寝ることも避け、仰向けか、痛めていない側を下にして横向きに寝るようにします。

 

座る時は、肘掛けのある椅子を使い、腕を軽く支えることで肩への負担を軽減できます。

 

 

 

肩の回復を早める自宅でできる即効ストレッチ法

 

 

肩を痛めてから48-72時間が経過し、急性期の炎症が落ち着いてきたら、積極的なケアを開始します。

 

ただし、強い痛みがまだ残っている場合は、無理にストレッチを行わず、もう少し安静期間を延ばすことが賢明です。

 

 

「振り子運動」は、肩の回復初期に最適なストレッチです。

 

テーブルや椅子の背もたれに健側(痛めていない方)の手をついて体を前傾させ、痛めた側の腕を自然に下ろします。

 

その状態で、腕の重さを利用して前後、左右、円を描くように小さく揺らします。

各方向30秒程度、1日3-4回行います。

 

この運動は筋肉の力を使わず、重力を利用するため、肩への負担が最小限で血行を促進する効果があります。

 

 

 

「タオルストレッチ」は肩の柔軟性を取り戻すのに有効です。

 

長めのタオルの両端を持ち、健側の手で痛めた側の腕を引き上げるように、タオルを使って腕を上げていきます。

 

痛みのない範囲で15-20秒間保持し、ゆっくりと元に戻します。

 

また、タオルを背中に回し、上下の手でタオルを持って引っ張り合う動作も効果的です。

これらの運動は、肩関節の前後左右の動きを改善し、固まった組織をほぐす効果があります。

 

 

「肩甲骨の運動」も見落とせません。

 

肩の痛みがある時は、肩甲骨周りの筋肉も固まっていることが多いため、肩甲骨を意識的に動かすことが重要です。

 

両肩を耳に近づけるように上げ、5秒間保持してから一気に力を抜きます。

また、両手を後ろで組んで胸を張り、肩甲骨を背骨に寄せる動作を10秒間保持します。

 

これらを各10回繰り返すことで、僧帽筋(首から肩の筋肉)や菱形筋(肩甲骨の内側の筋肉)がほぐれ、肩全体の動きがスムーズになります。

 

 

まとめ

 

大掃除で高い所の作業をした後の肩の痛みについて、その原因から回復法まで詳しく見てきました。

 

腕を長時間上げ続ける姿勢、反復動作による筋肉の疲労、不安定な姿勢での作業、無理な角度での動作、そして休憩なしの連続作業が、肩への大きな負担となることがわかりました。

 

 

肩を痛めた直後の対応が、その後の回復を大きく左右します。

 

作業の即時中断と安静、適切な冷却療法、痛みの程度の評価、そして正しい姿勢の維持により、炎症の拡大を防ぎ、早期回復への道を開くことができます。

特に、痛めてから48時間以内の初期対応が重要で、この時期に適切な処置を行うことで回復期間を大幅に短縮できます。

 

 

 

急性期を過ぎた後は、振り子運動、壁歩き運動、タオルストレッチ、肩甲骨の運動を組み合わせることで、肩の可動域を段階的に回復させることができます。

 

これらのストレッチは痛みのない範囲で行うことが重要で、無理をすると逆効果になる可能性があります。

 

 

ただし、適切なケアを行っても痛みが改善しない場合、夜間痛が強い場合、腕がまったく上がらない場合は、腱の断裂など深刻な可能性があります。

 

そのような症状でお困りの方は、どうかお早めに当院にご相談ください。

 

当院では、肩の痛みに対する適切な評価と治療を行っており、一人ひとりの状態に合わせた施術プランをご提案しております。

 

 

年末年始を肩の痛みに悩まされることなく、快適に過ごしていただけることを心より願っています。

 

 

《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》

 

 

 

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