腰痛でお困りの40代女性の方からいただいた質問です。
腰痛と筋力不足の関係についてはさまざまな意見が飛び交っています。
- 筋力不足だから腰痛になりやすい
- 腰痛になったら筋力をつけないと治らない
- 歳をとると筋力が落ちるから腰痛になる
などいろいろ言われていますよね。
目次
筋肉がもたらす腰痛の原因。運動不足からだけではない理由
多くの腰痛患者さんを治療させていただいた私の意見としては
筋力のバランス異常が腰痛になると考えています。
人間は2本足で立っているので、立っているときには維持するためにいろんな筋肉が働いてその姿勢を保ってくれています。
腹筋に対しては背筋が。
太ももの前の筋肉に対して後ろの筋肉が。など
たくさんの筋肉が均衡を保つために働いています。
その均衡が崩れているときに腰痛として体が危険信号を出していると考えます。
そういう意味では腰痛に筋トレは重要な意味があると思います。
しかし、必要でないところに筋トレを行ったり、過度な筋トレをしたりすることで、さらに腰痛を引き起こすことも考えられます。
今回は腰痛でお困りの方に、必要な筋トレとその理由についてお伝えしたいと思います。
腰痛の原因となる姿勢は腹筋と背筋のバランスがかぎ。
現在腰痛でお困りだという方には強い筋トレはあまりお勧めできません。
今はそれほどでもないけど、腰痛になりやすいので筋トレしたいという方にはお勧めです。
人は腹筋の方が弱りやすいので、どうしても腹筋の方を鍛えましょうという考えが多くなります。
体が真っ直ぐ立てるのは、腹筋と背筋のバランスがうまく成り立っているためで、腹筋が弱くなった時には背筋の負担が大きくなります。
適度な柔軟性を保っていないと、正しい動きをキープできなくなってしまうので、これも腰痛の原因になりえます
やりすぎ禁物!筋肉を鍛えすぎる動画は腰痛の原因にも
最近はYouTubeで「腰痛 運動」と検索すると、大量の検索結果が表示されますので、簡単にいろんな動画が見れるようになりました。
それを見て、あれも、これもといろんな運動を取り入れている方も多いですね。
誰でもアップできる気軽さはあるものの、専門家でない人の動画まで見れてしまうので、見る側に選択する目が養われる必要があります。
例えば、自分の腰痛の状態が腹筋を鍛えてはいけない状態なのに、腹筋を鍛え続けてしまう。
筋肉の緊張をとく必要があるのに、ストレッチをせずに筋トレをやり続けたりして逆にひどくなってしまう。など。
動画を見ての運動は、誰が、どのような目的で行なっているのかをはっきり確認して、腰に負担がかかりすぎるものは避けるのが無難でしょう。
自分で行う場合は医師や専門家に確認してもらいましょう。
・筋トレをする目的をはっきりする
目的がはっきりしていなくてなんとなく筋トレをやってしまうと、長続きしないばかりか目的の筋肉にアプローチしていない場合があります。
腰痛予防のためにやるにはどの筋肉を何のためにどれくらいを目標に行うかとはっきり決めておくと良いでしょう。
例えば、お腹が出たような姿勢になってしまって、骨盤が寝たような状態になりやすい人は、お腹とお尻の筋肉を少しずつ鍛えます。
ちょっとずつ体を真っ直ぐ支えられるようになればいいので、バキバキに鍛える必要はありません。
立ったり歩いたりしている時に、腰が沈んだようになっていたり、膝や股関節が曲がったままになってしまう人は、まず股関節と膝が伸びやすい状態にストレッチしておいてから、スクワットのような動きを毎日10回からやると良いでしょう。
とにかく少量から、毎日続ける。これが一番大事なことですね。
・目的の筋肉を鍛えることだけを意識して10回ゆっくりやる
回数をこなせれば満足しやすいですが、目的は筋肉を作って体を支えやすくすること。
数回でもいいのでどこの筋肉に刺激を入れるのかを意識してやってみましょう。結果が全然違ってきますよ。
腰痛を予防する運動とは。今からでもできる簡単筋トレを伝授
最後に、現在腰痛でお困りの方でも簡単で安全にできる運動をお伝えしましょう。
ドローイン
1、膝を曲げて仰向けに寝ます
2、大きく息を吸って、お腹を膨らませます
3、息を吐きながら、お腹を凹ませます。おへそが背中にくっつくイメージで。
4、お腹を凹ませて5〜10秒位キープします
5、これを5〜10回ほどゆっくり行います
ヒップリフト
1、膝を曲げて仰向けに寝ます
2、両手を伸ばして手のひらを床にくっつけます
3、そのままお尻を上げてまっすぐ伸ばします
4、呼吸を止めないでそのままゆっくり下ろします
5、これを5〜10回行います
どちらも呼吸を止めずにゆっくり行うことを意識しましょう。
呼吸の基本は、吐く:吸うが2:1になることです。
痛みが出る場合は回数を減らすか、ストップしましょう。
まとめ
今回は、腰痛でお困りの方が筋トレをどれくらいしても良いのかについてお話ししました。
強い腰痛でお困りの方は、今すぐに筋トレをする必要はありません。
少しマシになって動けそうになってから、お伝えした運動から始めてみましょう。
目的を持ってどの筋肉を動かしているのかを意識して行うと良いでしょう。
具体的にどんな運動からすれば良いのかは、当院でもお伝えしておりますのでご相談いただければと思います。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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