こんにちは。たつの市フジイ整骨院院長の藤井です。
このたびは、これまで感じたことがなかったのに突然肩の痛みを訴えてこられた患者さんのお話です。
生活の中のヒントになる内容でしたので、ここでご紹介させていただきます。
50肩ほどの痛みではないけど、何となく動かす時に気になる・動作がやりにくいと思われる方や、似たような生活環境の方は、治るヒントになるかと思いますので最後までお読みいたただければと思います。
目次
50肩の痛みで眠れない。それはあるクセがあるからかも。
突然の肩の痛み・男性(50代)
先日、メンテナンス治療で来院された患者さん。
以前から、背中から腰にかけての痛みでお困りでしたが、今回は右肩の違和感が気になるということでした。
こちらの患者さん(Aさん、としましょう)
普段のお仕事では座っていることが多いものの、動くこともあるので四六時中じっとしているわけではありません。
そんな生活の中、1か月前から、朝起きた時に肩の痛みを感じ始めたそうです。
なんとなく痛みを感じる程度だったので、様子見していましたが、次第に服を着替える時や腕を大きく動かす時などに痛みを感じるようになっていました。
「動かそうと思えば動くし、50肩の前兆なのかな?」
生活に大きく支障はないものの、このままにしておくと悪化するのでは?という不安がAさんの頭をよぎります。
運動不足か、もしくは背中や首に原因があるのか、動かして痛みを確かめるなどをしていたそうですが、痛みの解消としては特に何もしないままでした。
さらにお話をお聞きしていて気になったことがありました。
「寝る時は右を下にして横向きにしないと眠れない」とおっしゃっていたことです。
「寝返りはよくしていると思いますか?」とお聞きしたところ
「寝返りしているとは思う…がまたすぐ右を下にして寝ています」とのこと。
寝ている間に体はこんなことに。眠れない50肩の痛みの原因に?
寝ている時の姿勢に関しては、他の患者さんからもよくご質問をいただきます。
私の答えとしては
どんな寝方でもいいですが、寝返りが大事
だと思っています。
人の体には血液が流れています。
立っている時には重力によって血液が下に流れやすいので、心臓に戻るためには筋肉のポンプにより流れを良くする必要があります。
そして、寝ている時はじっとしないこと、が重要になってきます。
ペットボトルに水が半分入っているのを想像してみましょう。
体=ペットボトル
血液を含めたすべての体液=水
とした場合、ペットボトルを寝かせて動かしていると中の水が動いているので圧迫が少なくなります。
血液の流れも良い状態です。
じっとした状態だと圧迫されて血液の流れが悪くなるのがわかると思います。
また、肩には滑液包(かつえきほう)というクッション役のざぶとんがあって、中が水分で満ちていて肩の動きを滑らかにしてくれています。
ずっと横になって動かずにいると、肩が圧迫を受け水分の入れ替えが悪くなり、ざぶとんが硬くなります。
そうすると肩の機能を低下させてしまうわけです。
つまり寝返りは必ず必要ということになりますね。
(50肩が寝る姿勢に関係があるとの見解は、医学博士の安保徹先生も著書の中で述べておりました)
まとめましょう。
このように寝返りをあまりしない人は
①片方だけを圧迫することで血が巡りにくくなる。
②筋肉の血流が悪くなって硬くなる。
③肩のクッション役のざぶとんが硬くなって動きが悪くなる。
ということが考えられます。
Aさんもそのようなことが関係して、寝起き時の肩の血流不足となり、痛みにつながったのかもしれません。
あれをするだけで痛みから解放。50肩にならないための対処法とは。
そうは言っても長年のくせ。
そう簡単に変えられるものではありませんよね。
そこでまずここからやってみようという始めの一歩をお伝えしましょう。
床に着いたらまず寝返りをする。
寝返りしにくいなら枕の高さを変える。
まずはこの2つを今夜確認してみてください。
寝返りしやすい状態を作ることからやってみましょう。
はじめの一歩。ふみ出してみませんか?
ちなみにAさんはこの日の治療によって動きは正常範囲にまで回復しました。
つまりは50肩というほどかたまってはいませんでした。
寝返りは少しずつですね。
このような生活での気づきはゆっくりお話をお聞きしてわかることでもあります。
治療ではほんの些細なこともヒントになることがありますので、どんなことでもお話しいただくと改善を早めることにつながると思いますよ。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》