目次
はじめに
プールに入ると、普段より体が軽く感じ、腰や膝が動かしやすくなります。
この“軽さ”の正体は水の浮力です。陸上では体重のほとんどを関節で支えていますが、水中に入ると体重の約3〜8割が軽減されるため、負担が大きく減ります。
これが「水中だと楽に歩ける」「階段よりも楽に足が動く」と感じる理由です。
しかし、浮力は同時に“姿勢が不安定になりやすい”という側面も持っています。
体が軽くなることでバランスを保つ筋肉が働きにくくなり、知らないうちに腰が反りすぎたり、膝がねじれた状態で歩いてしまったりすることがあります。
プール運動で痛みが和らぐ人と悪化する人がいるのは、この姿勢のコントロールが大きく関係しています。
「浮力があるから安心」と思っていても、体の使い方を間違えると逆に関節へ負担がかかってしまうのです。
浮力は確かに味方。でも姿勢が崩れると逆に負担が増えることも
浮力は確かに体をラクにしてくれますが、姿勢が崩れると腰や膝に負担が集中することがあります。
特に多いのが、浮力で体が上に引かれ、腰が反りすぎる「反り腰姿勢」です。
反り腰の状態が続くと、腰の関節に過度な圧がかかり、筋肉も常に緊張し続けるため、水中にいるのに腰が疲れてくるという現象が起こります。
また、膝の痛みがある方に多いのが“足先だけで歩いてしまう”パターンです。
水の抵抗で足が外側に流れてしまうと、膝が外側へねじれ、関節の内側に強い負担がかかります。
歩く方向と足先の向きがずれてくるため、膝の痛みが増す原因になります。
浮力によって体が軽くなることはメリットですが、そのぶん体をしっかり支える意識が弱まり、姿勢の乱れにつながりやすいのです。
だからこそ、水中では「支えながら動く」というイメージが重要になります。
水中で姿勢が乱れやすい人の特徴とよく起こる不調
水中で姿勢が崩れてしまいやすい人にはいくつか特徴があります。
たとえば、普段から猫背の方は胸が沈みやすく、腰だけが反ってしまう状態になりやすいです。
逆に普段から反り腰の方は水の中でより反りが強まり、腰に疲労がたまります。
また、膝に痛みがある方は無意識に膝をかばって片足に体重が偏り、骨盤が傾きやすくなることもあります。
水中でよく起こる不調としては、
・歩いたあとに腰の片側だけが張る
・膝の内側がズキッと痛む
・太ももの前ばかり疲れる
・水から上がったときに腰が重くなる
などがあります。
姿勢が崩れたままの運動を繰り返すことで、筋肉の働きが偏り、関節に負荷が集中してしまうために起こり得ます。
これは水泳をする人に非常によく見られる現象であり、決してあなたが悪いのではありません。
ちょっとした意識を変えるだけで改善できます。
痛みを防ぐための正しい体の使い方と水中フォームのポイント
プールで腰痛や膝痛を防ぐためには、浮力を“味方”にしながら姿勢を整えることが大切です。
最初のポイントは「胸を軽く張り、骨盤をまっすぐに立てる」こと。
胸が沈むと腰が反りやすくなるため、水面に対して身体を斜めに倒さないように意識します。
歩くときは足先が外を向かないように注意し、進行方向にまっすぐ向けます。膝の痛みがある方ほど、この足先の向きがずれやすい傾向があります。
ゆっくり、丁寧に歩くことで膝のねじれを防げます。
さらに大事なのは「お腹に軽く力を入れる」こと。
浮力によって体が揺れやすいため、腹部を軽く締めると姿勢が安定し、腰への負担がぐっと減ります。
より安全に動くためには、水中での運動を始める前に陸上で軽いストレッチを行うこともおすすめです。
特に太もも前・お尻・腰回りをほぐしておくと、水中での動きがスムーズになります。
フジイ整骨院では、水中運動をされている方の姿勢や体のクセをチェックし、腰や膝に負担が出にくいフォーム指導も行っています。
まとめ
水中での運動は腰にも膝にもやさしく、継続しやすい素晴らしい運動法です。
しかし、浮力に安心しすぎて姿勢が崩れると、逆に腰や膝へ負荷が集中し、痛みが悪化することがあります。
腰痛・膝痛の予防のためには、胸を軽く張る・骨盤を立てる・足先をまっすぐ向けるといった姿勢の基本が大切です。
丁寧なフォームで歩くことで、浮力のメリットを最大限に活かしながら安全に運動を続けられます。
「プールは好きだけど痛みが心配」「運動しているのに腰が重だるい」そんな方は、一度体のバランスや姿勢を見直すことをおすすめします。
フジイ整骨院では、お一人ひとりの体の状態を丁寧にチェックし、痛みが出ない体の使い方をサポートしています。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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