目次
はじめに
秋は稲刈りや畑仕事の最盛期です。地域によっては一日中、田畑で作業することも珍しくありません。
農作業は自然の中での大切な営みですが、体への負担が大きいのも事実です。
特に股関節や腰、膝といった下半身の関節は、しゃがむ・立つ・持ち上げるといった動作の繰り返しで強いストレスを受けます。
実際に当院にも「稲刈りの後から腰が伸びなくなった」「草抜きで長時間しゃがんでいたら膝が痛むようになった」というご相談が増えるのはこの時期ならではです。
年齢を重ねると筋力や柔軟性が低下しているため、ちょっとした作業でも関節痛が悪化しやすくなります。
つまり、秋の農作業は関節にとって“負担のかかりやすい条件”が揃っている季節なのです。
長時間のしゃがみ姿勢や前かがみ姿勢が股関節と腰に与える影響
農作業では「しゃがんで草を抜く」「前かがみで稲を刈る」といった姿勢が長時間続きます。
このとき、股関節は深く曲がり、膝も強く曲がった状態になります。
こうした姿勢は短時間なら問題ありませんが、長時間続くと軟骨や筋肉、靭帯に大きな圧力が加わり、炎症や痛みを引き起こす原因になります。
特に股関節は体重を支える重要な関節であり、骨盤や腰とも密接につながっています。
しゃがんだ姿勢のまま作業を続けると、股関節を支える筋肉が硬直し、立ち上がった瞬間に「ズキッ」とした痛みが走ることがあります。
また、腰は前かがみで背骨の自然なカーブが崩れることで椎間板や筋肉に過剰な負担がかかり、ぎっくり腰のリスクが高まります。
さらに、膝も曲げ伸ばしが制限され続けることで血流が滞り、立ち上がり動作のときにこわばりを感じやすくなります。
農作業中に膝関節や股関節を守るための作業姿勢の工夫と道具の活用法
痛みを予防するためには、まず「姿勢の工夫」が欠かせません。
腰を深く曲げて草を抜くのではなく、片膝を立てる・片方の足を前に出してバランスを取るなど、関節にかかる負担を分散させる方法があります。
また、長時間しゃがむ必要がある場合は、園芸用の小さな椅子や膝当てクッションを使うことで関節への負担を減らせます。
落ち葉掃除の際には柄の長い熊手やトングを使い、できるだけ腰を曲げないようにするのも有効です。
道具を工夫するだけで作業姿勢が改善され、股関節や腰へのダメージを大幅に減らすことができます。
さらに、作業の際は「片側だけで体を使わない」ことも大切です。
右手ばかりで草を抜く、同じ足を軸にしてしゃがむといった偏りがあると、関節の片側に負担が集中し、痛みの原因となります。
左右均等に体を使う意識を持つだけでも予防効果が高まります。
痛みを予防するための休憩の取り方と簡単にできる体のリセット法
農作業では「もう少し頑張ろう」とつい休憩を後回しにしがちですが、30分〜1時間ごとに必ず休憩を取ることが大切です。
休憩の際には立ち上がって背筋を伸ばし、股関節や腰を軽く動かすことで関節のこわばりを防げます。
おすすめのリセット法としては、背筋を伸ばして深呼吸をする、腰を軽く回す、足首を回してふくらはぎの血流を促す、といった簡単な動作です。
また、椅子やベンチに腰をかけ、膝を軽く伸ばして太ももの裏を伸ばすストレッチも股関節痛や膝痛の予防に有効です。
作業後には入浴や温シャワーで体を温め、筋肉をほぐすことも疲労回復につながります。
冷えたまま放置すると筋肉や関節が硬くなりやすいため、温める習慣を取り入れることが痛みの慢性化を防ぐカギになります。
まとめ
秋の収穫期は心身ともに充実した時間ですが、股関節や腰、膝には大きな負担がかかります。
しゃがみ込みや前かがみ姿勢が長く続くと関節痛が進行し、日常生活にまで支障をきたすことがあります。
しかし、姿勢を工夫し、道具を活用し、定期的に休憩やストレッチを取り入れることで痛みを予防しながら作業を続けることは十分可能です。
フジイ整骨院では、腰や股関節、膝の不調を根本からチェックし、一人ひとりに合った改善法をご提案しています。
「作業のあと腰や膝がつらい」「股関節に違和感がある」と感じる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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