歯医者・美容室の椅子で腰を痛めないための、起き上がり方のコツ

【この記事のまとめ】歯医者さんや美容室の椅子は自動で動くぶん、腰にやさしそうに見えます。でも、起き上がる途中で自分から頭や肩を持ち上げると、体は「斜めの腹筋運動」に近い状態に。足も手も使えないまま腰だけで支えるため、負担が集まります。防ぐコツは、椅子がほぼ起き切るまで後頭部と背中を背もたれにあずけ、急いで起きようとしないこと。腰が痛くても、行くのをためらう必要はありません。

 

こんにちは。たつの市フジイ整骨院院長藤井です。

 

「これから歯医者に行くんですけど、あの椅子に座ると腰が痛くなりそうで、怖くて怖くて」。以前、患者さんからそんな声を聞いたことがあります。美容室のシャンプー台から起きるときにズキッときた、という方も少なくありません。

 

椅子は自動で動いてくれます。自分で腹筋運動をしているわけでも、重い物を持っているわけでもない。それなのに、なぜか腰にくる。不思議ですよね。

 

実はこれ、私自身も経験したんです。先日、歯医者さんで、倒れた椅子が起き上がっていく途中に「あ、これはちょっと危ないな」と感じる瞬間がありました。専門家の私でも、ついやってしまう。

 

先に言っておきますね。腰が痛くても、歯医者さんや美容室に行くのをためらう必要はありません。ほんの少し、起き上がり方を知っておくだけで、あの”怖さ”はずいぶん軽くなります。今日はその「なぜ」と「どうすればいいか」を、体の動きからお話ししますね。

 

自動で動く椅子なのに、なぜ腰が痛くなるのか

 

結論から言うと、椅子が自動で動くこと自体は、そこまで問題ではないんです。頭から背中まで背もたれにあずけて、体をぜんぶ椅子に運んでもらっていれば、腰への負担はそれほど大きくありません。

 

問題は、椅子がまだ斜めに起き上がっている途中で、「自分でも早く起きよう」としてしまうこと。これが厄介なんです。

 

歯医者さんだと、治療が終わってお口に水がたまっていたりして、「早くうがいしたい」「先生を待たせちゃ悪い」と、つい頭や肩を背もたれから浮かせてしまう。

その瞬間、それまで椅子に運ばれていた体が、急に自分の力で起き上がる動きに切り替わります。つまり、見た目以上に「斜めの腹筋運動」に近い状態になっているんですね。

 

頭は軽そうに見えて、大人でだいたい4〜6キロ。ボウリングの球くらいの重さがあります。仰向けのあいだはヘッドレストが支えてくれていますが、自分から浮かせた瞬間、その重さを首とお腹と背中で支えることになる。

腰にこないほうが不思議なくらいなんです。

 

いちばん危ないのは「途中の角度」。歯医者の椅子で腰に負担が集まる瞬間

 

腰にくるのは、完全に倒れているときとは限りません。椅子がしっかり倒れているときは頭も背中も腰も椅子が支えてくれていますし、完全に起きたあとは足を床につけて踏ん張れます。

 

危ないのは、その途中。椅子が30〜60度くらい起きた、中途半端なところです。

足はまだ床に届かない、手をつく場所もない、体は斜め、頭は前に出したくなる——この状態で頭や肩だけを前に出すと、上半身の重みが腰の一点に集まってしまうんです。

 

「腹筋が弱いからでしょ」と思われがちですが、そうとも限りません。筋力のある方でも、急に頭を持ち上げたり、息を止めて力んだりすれば腰にきます。

大事なのは強さより、椅子の動きと自分の体の動くタイミングが合っているかどうか、なんですね。

歯医者・美容室の椅子で腰を痛めないための、起き上がり方の工夫

 

いちばん大切なのは、自分から急いで起きようとしないこと。椅子がほぼ起き切るまでは、後頭部と背中を背もたれにつけたまま、体を椅子にあずけておきましょう。

「早く起きなきゃ」と焦らなくて大丈夫。うがいは、椅子が起きてからで間に合います。

 

もうひとつ、おすすめしたいのが、体を起こすときにお腹の上へそっと両手を置いておくこと。

手を置くと、自然とお腹に軽く力が入って、体幹で上半身を支えやすくなるんです。

手が胸元でぶらぶらしていないぶん、頭だけを前に突き出す動きも防げます。

そして、椅子が動きはじめたら息を止めないこと。

「ふーっ」と細く長く吐きながら、おへその下を軽く締めるくらいで十分です。全力で踏ん張る必要はありません。二、三割の力で。

 

実は先日、こんなことがありました。「今度歯医者に行くんですけど、あの椅子で腰が痛くなりそうで不安なんです」とおっしゃる患者さんがいらして。

私は「起き上がるとき、頭は最後の最後まで背もたれから離さないでくださいね。それと、体を起こすときはお腹の上に手を置いておくといいですよ」とお伝えしました。すると次の日、「先生、楽に起き上がることができて、安心しました」と、うれしそうに話してくださったんです。

ほんの少しの工夫でも、体の使い方はちゃんと変わる。あらためて実感した出来事でした。

 

腰に不安がある方は、はじめに一言伝えておくのもおすすめです。

「腰が痛くなりやすいので、ゆっくり起こしてもらえますか」「椅子が起きるまで頭を支えておいてもらえますか」と。

痛みを伝えるのは、迷惑でもなんでもありません。伝えておけば、スタッフさんも椅子の速さや姿勢を合わせてくれます。

 

美容室のシャンプー台も、仕組みは同じです。頭を強く前に引っ張ってもらうより、頭が後ろに取り残されないよう、そっと支えながら起こしてもらう。そのほうが体にはずっとやさしいんです。

 

 

まとめ|腰が痛くても、歯医者・美容室をこわがらないために

歯医者さんや美容室の椅子は、けっして腰に悪いものではありません。ただ、起き上がる途中で頭や肩を先に持ち上げてしまうと、体は急に「斜めの腹筋運動」になってしまう。

足も手も使えないまま、腰だけで上半身を支える——ここに負担が集まるんですね。

 

コツは、自分でがんばって起きようとしないこと。

椅子がほぼ起きるまで、後頭部と背中をあずけて、体ぜんぶを運んでもらう。そして、起きるときはお腹に手を置いて。それだけで、ずいぶん変わります。

 

「腰が痛くなりそうで、歯医者や美容室に行くのが怖い」。そう感じている方もいらっしゃると思います。

でも、我慢して一人で身構えなくて大丈夫。起こし方をほんの少し工夫するだけで、腰への負担は減らせます。

 

それでも毎回同じ場面で痛くなるという方は、腰だけでなく、お腹や背中、骨盤、股関節が動くタイミングも一度見直してみるといいかもしれません。

 

 

フジイ整骨院では、痛む場所だけでなく、なぜその動作で腰に負担が集まるのかを、体全体から確かめています。椅子から起きる瞬間が怖い、という方は、お気軽にご相談くださいね。

 

 

よくある質問(Q&A)

 

Q1. 椅子が自動で動くのに、なぜ腰が痛くなるのですか?

 

椅子の動きそのものが原因とは限りません。起き上がる途中で自分から頭や肩を持ち上げると、腰だけで上半身を支える「斜めの腹筋運動」のような状態になり、腰に負担が集まりやすくなります。

 

Q2. いちばん腰に負担がかかるのは、どのタイミングですか?

 

完全に倒れているときより、椅子が30〜60度ほど起きた”途中”です。足が床に届かず、手もつけない中途半端な角度で頭を前に出すと、負担が一点に集まってしまいます。

 

Q3. 腹筋が弱いと、痛くなりやすいのですか?

 

筋力だけの問題ではありません。力のある方でも、急に頭を持ち上げたり、息を止めて力んだりすれば腰にきます。大切なのは、椅子の動きと自分の体の動くタイミングを合わせることです。

 

Q4. 歯医者さんや美容師さんに、どう伝えればいいですか?

 

「腰が痛くなりやすいので、ゆっくり起こしてもらえますか」「椅子が起きるまで頭を支えておいてください」と一言添えるだけで十分です。痛みを伝えるのは迷惑ではなく、椅子の速さや姿勢を合わせてもらえます。

 

Q5. 腰が痛くても、歯医者や美容室に行って大丈夫でしょうか?

 

大丈夫です。起き上がり方を少し工夫するだけで、負担はぐっと減らせます。ためらう必要はありませんよ。

 

🖊️ この記事を書いた人

氏名:藤井 敦志(ふじい あつし) 資格:柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師 兵庫県たつの市でフジイ整骨院を開業して20年以上になります。骨・筋肉・関節の専門家である柔道整復師と、鍼灸師の国家資格を持ち、体の痛みや不調を幅広く診ています。自費専門・完全予約制のため、お一人おひとりの状態をじっくり確認しながら治療を行っています。

 

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