目次
はじめに
みなさん、こんにちは。
たつの市にあるフジイ整骨院 院長の藤井です。
今は5月末。気温がだいぶ高くなってきましたね。
梅雨から初夏にかけて、庭の雑草は驚くほどの速さで成長します。
「庭をきれいにしたい」という思いから草抜き作業に熱中するこの季節、
冬場は体を動かす機会が少なかった体に突然の負荷がかかることで腰痛が発生しやすくなります。
草抜き腰痛は適切な知識と準備があれば予防できます。
また、万が一発症しても、正しい初期対応で早期回復が可能です。
ここでは草抜き腰痛にならないための対策法と、腰痛になりかけた時の正しい対処法についてお話しします。
これを読んで草抜きを難なく乗り切ってくださいね。
草抜きで腰痛が起こるメカニズム
草抜き作業が腰に与える負担は、主に以下のメカニズムによって引き起こされます。
①前かがみ姿勢による腰椎への負担
草抜き作業の前かがみ姿勢では、腰椎に負担が集中します。
腰椎は本来前湾が自然ですが、前かがみでは後湾状態となり、椎間板や靭帯に過度な張力がかかります。
30分以上この姿勢を続けると、腰部の組織にちいさな損傷が生じ、炎症がおきて痛みが発生します。
②普段使わない筋肉への急激な負荷
草抜き作業では、日常生活ではあまり使わない腰回りの深層筋(インナーマッスル)が酷使されます。
デスクワークが多い現代人は、これらの筋肉が弱くなっている傾向があり、突然の草抜き作業で
「筋肉の準備不足」状態のまま負荷がかかることで痛みを生じやすくなります。
③同一姿勢による血行不良
同じ姿勢が続くと筋肉が緊張したままとなり、その部分の血液の流れは悪くなります。
血行不良は筋肉への酸素の供給を減らし、疲労物質がたまりやすくなります。
これが痛みの信号を強くし、腰部の不快感や痛みとして感じられます。
見逃せない3つの腰痛タイプ
草抜きの作業のしすぎによって起こりうる腰痛には以下の3つのタイプが考えられます。
①筋筋膜性(きんきんまくせい)腰痛
最も一般的なタイプで、いわゆる使いすぎによって筋肉や筋膜が硬くなったり傷がついたりして痛みを起こす腰痛です。
特徴
・腰の広い範囲に鈍い痛みやハリ、コリを感じる
・夕方や長時間同じ姿勢を続けた後に痛みが増す
・温めることで血行促進し、適度な運動で筋肉の柔軟性を回復させることが効果的
②急性腰痛(ぎっくり腰)
草抜き作業中に体勢を急に変えたり、力んだりした際に急に動けないほどの腰痛が起こるものではっきりした原因は特定できないものの、腰の靭帯や関節包が急に刺激を受けることで起こると言われています。
特徴
・突然の激痛で動けなくなることがある
・腰の一点に鋭い痛みを感じる
・発症直後の対応が特に重要で、最初の24〜48時間は安静にするのが良いが、動けるようになれば動いたほうが治りは早いです。
③腰部椎間板(ようぶついかんばん)障害
長時間の前かがみ姿勢により、腰椎間のクッション(椎間板)に過度な圧力がかかることで損傷が生じる状態です。
特徴
・腰から臀部、太ももの後ろ側にかけて痛みやしびれが放散する
・前かがみの姿勢で痛みが増す
・自己判断での無理な運動は避け、専門家の評価を受けることが大切
必ずしもこのタイプに当てはまらなくとも、多くは筋肉や靭帯への負荷を減らすことで防げるものです。
これからはこういった腰痛を起こさないための対策についてお話しします。
痛みを予防する5つの準備と工夫
作業前の「腰活性化」ストレッチ
おすすめストレッチ
・骨盤回し:両手を腰に当て、大きく円を描くように骨盤を回す
・猫のポーズ:四つん這いになり、背中を丸めたり反らしたりする
・体側伸ばし:立った状態で片方の腕を頭上に伸ばし、反対側に体を倒す
これらは作業中にもできますし、終わってから5分でもいいのでやってみましょう。
作業姿勢の工夫と定期的な姿勢変換
作業中の姿勢を正しくしたり、やりやすくするためには適切な道具を使うことも腰痛予防につながります。
できるだけ自分の姿勢に合った高さにできるようにツールをうまく使いましょう。
効果的な姿勢の工夫
・膝をついて作業する(膝当てやクッションを使用)
・園芸用の低いスツールを活用する
・長柄の草取り道具を使用する
・20〜30分おきに姿勢を変え、軽くストレッチする
腰をサポートする適切な装備
・腰痛ベルトや腰用サポーター
・クッション性の高い膝当て
・滑り止め付きの軽量な軍手
・適切な高さと握りやすさを考慮した草取り道具
適切な水分・栄養補給と休憩
・作業前と作業中の定期的な水分補給
・1時間に一度は5〜10分の休憩
・「少し疲れたかな」と感じる前に休憩を取る習慣をつける
作業時間の分散と計画的な庭仕事
・一日の作業時間は最大でも2時間程度に制限
・広い範囲を区画に分けて作業
・連日の草抜き作業は避け、1〜2日の間隔を空ける
すでに痛めてしまった方への緊急対処法
ついつい長く草抜きをやってしまって腰痛を起こした場合には、適切な処置をすることで早い改善が見られますのでこちらを参考にしてください。
痛みのタイプ別対処法
筋筋膜性腰痛の場合
・急性期は冷却し、その後は温めるケアに移行しましょう。
湿布など冷やすものがない場合はタオルなどを巻くのもいいでしょう。
・痛みが落ち着いてきたら、軽いストレッチや歩行を取り入れる
じっとしておくよりも動けるなら動くのをおすすめします。
急性腰椎捻挫(ぎっくり腰)の場合
・最初の48時間は冷却と安静を保つ
・徐々に動ける範囲で少しずつ活動を増やす
腰部椎間板障害の疑いがある場合
痛みや痺れが足にまで届く場合や、温めても痛みがひどい場合は専門の病院や治療院に行くことをおすすめします。
・自己判断での対処は控え、専門家に相談する
・椎間板に負担のかかる動作は避ける
日常生活での注意点
・同じ姿勢を30分以上続けない
・靴下や靴を履く際は、腰を曲げず膝を曲げて行う
・ベッドからの起き上がりは、横向きになってから上体を起こす
これらを参考にして今後の動きや治療をお決めください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は草抜きでの腰痛予防、痛めた場合の対処法についてお伝えしました。
腰痛は早め早めの対策がとても大切です。
もし腰痛になってしまっても、適切な対処ができるかどうかで治りも変わってきます。
当院でも腰痛を相談される患者さんが多くいます。
お一人で我慢せずに、気軽にご相談ください。
痛みのない、楽しい夏を迎えられますように!
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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