目次
はじめに
みなさん、こんにちは。
たつの市にあるフジイ整骨院の院長の藤井です。
最近、当院を訪れる患者さんから「足のしびれが気になって夜も眠れない」「仕事中にじわじわと足がしびれてくる」といった声をよく耳にします。
実は、これらの症状の多くは腰の状態と密接に関係しているんです。
私が20年の臨床経験の中で特に気になるのは、このような症状でお悩みの方の年齢層が若くなってきていることです。
スマートフォンの普及やリモートワークの増加により、20代、30代の方からの相談も増えています。
今回は、腰痛からくる足のしびれを改善するために、ご自宅で簡単にできるストレッチを中心にご紹介します。
これらは、当院で実際に患者さんに指導し、効果を実感していただいている方法ばかりです。
ぜひ、最後までお読みいただき、毎日の生活に取り入れてみてください。
腰痛と足のしびれの深い関係
人間の背骨は、上から順に頸椎(首)、胸椎(背中)、腰椎(腰)という構造になっています。
この背骨の中を通る脊髄神経は、体のさまざまな部分への指令を伝える大切な役割を担っています。
腰の部分で神経が圧迫されると、その影響は足にまで及びます。
これは、ちょうど庭のホースを踏んでしまうと水が出にくくなるのと同じ原理です。
神経への圧迫が続くと、最初は軽いしびれから始まり、やがて痛みや歩きづらさなども出てきます。
特に気をつけたいのが、デスクワークやスマートフォン使用時の姿勢です。猫背や前かがみの姿勢が続くと、
背骨全体のバランスが崩れ、腰に余計な負担がかかってしまいます。
このような状態が続くと、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった症状に発展する可能性もあります。
正しい姿勢で腰痛を予防しよう
日常生活での姿勢の乱れは、様々な体の不調を引き起こす原因となります。
特にデスクワークやスマートフォンの使用時には、意識的に正しい姿勢を心がける必要があります。
デスクワークでの正しい姿勢
デスクワーク時は、以下の点に注意して座りましょう。
まず、椅子には深く腰掛け、背もたれにしっかりと寄りかかります。
両足の裏全体が床につくようにし、膝は90度に保ちます。
骨盤を立てて背筋を伸ばすことで、腰への負担を軽減できます。
モニターは目線と同じか、やや下になるように設定し、40cm以上の距離を保ちます。
キーボード操作時は、肘を90度に保ち、脇を軽く締めることで体が前傾するのを防ぎます。
スマートフォン使用時の注意点
スマートフォンの使用時は首への負担が特に大きくなります。
首が前に15度傾くだけで約12kgの負担がかかり、45度では約22kgにまで増加します。
画面は目線の高さまで持ち上げ、あごを引いて見るようにしましょう。
寝転がって使用する際の注意点
ベッドで横になってスマートフォンを使用する姿勢も要注意です。
この姿勢を続けると、首への負担だけでなく、片方の目の視線が鼻側に寄る「急性内斜視」のリスクも高まります。
休憩と姿勢チェックの重要性
どんなに正しい姿勢でも、長時間同じ姿勢を続けることは避けましょう。
30分に1回は首を動かしたり、遠くを見たりして休憩を取ります。
また、かかと・お尻・肩甲骨・後頭部の4点を壁にピタッと付けて立つことで、自分の姿勢をチェックすることができます。
一日に一回でもご自身の姿勢がどうなっているのか確認してみると良いですね。
作業環境の整備
正しい姿勢を保つためには、適切な作業環境を整えることも重要です。
椅子は深く腰掛けられる適切な深さのものを選び、必要に応じて足置き台を使用します。
ノートパソコンを使用する場合は、スタンドを使って画面の高さを調整することをお勧めします。
自宅でできる腰痛と足のしびれに効果的なストレッチ
腰痛と足のしびれの改善に特に効果的な3つのストレッチをご紹介します。
これらは朝晩5分程度で行えます。
痛みを感じる場合は、無理せずにやさしく行ってください。
1. 背骨のゆるやかな伸展ストレッチ
このストレッチは、圧迫された神経を優しく解放します。
①床にバスタオルを敷き、うつ伏せになります
②両手を肩の横につき、肘を曲げた状態で準備します
③ゆっくりと肘を伸ばしながら、上半身だけを持ち上げていきます
この時、おへそから下は床についたままにします。
④上半身を反らせた状態で、顔は正面を向き、深くゆっくりと3回呼吸します
⑤20秒保持したら、ゆっくりと元の位置に戻ります
これを3回繰り返します。
2. 神経の圧迫を和らげる膝抱えストレッチ
このストレッチは、腰の筋肉をリラックスさせ、神経への圧迫を軽減します。
①仰向けになり、両膝を軽く曲げます
②右膝を胸に向かって抱え寄せます(膝は90度程度になるようにします)
③両手を膝の後ろに回し、優しく胸に引き寄せます。
この時、首は床につけたまま、顎を軽く引きます
④20秒保持したら、ゆっくりと元に戻します
左右の足で3回ずつ行います。
慣れてきたら、両膝同時に抱えるのも効果的です。
3. 坐骨神経を解放する腰回りストレッチ
このストレッチは、足のしびれの原因となる坐骨神経の圧迫を和らげます。
①横向きに寝て、下の腕を頭の下に敷きます
②下になった足は少し曲げます
③上になった足は真っ直ぐ伸ばします
④上の足を、床に付かない程度まで後ろに引きます
⑤その状態で、体をひねるように回転させます
⑥この姿勢で30秒保持します
左右1回ずつ行います。
これらのストレッチは、1日2回(朝・晩)行うのが理想的です。
朝は体が硬くなっているので、特にゆっくりと行うようにしましょう。
また、ストレッチ前後で5分程度、軽く体を温めることで、より効果的に行えます。
まとめ
いかがでしたか?
姿勢の改善は、一朝一夕には実現できません。
しかし、これらの方法を毎日少しずつ実践することで、必ず効果を実感できます。
当院では、多くの患者さんが3ヶ月程度の継続的な取り組みで、症状の改善を実感されています。
特に重要なのは、無理のない範囲で始めることです。
今回ご紹介した方法の中から、まずは1つか2つ、自分に合ったものを選んで始めてみましょう。
徐々に習慣化されてきたら、他の方法も取り入れていくのがおすすめです。
もし症状が改善しない場合や、不安がある場合は、早めに整骨院での相談をお勧めします。
当院では、それぞれの方の生活習慣や症状に合わせた、具体的なアドバイスや治療法をご提案させていただきます。
皆様の健康的な生活のために、私たちができることを精一杯サポートさせていただきます。
ご不明な点がございましたら、お気軽に当院までご相談ください。
一人ひとりに合った最適な改善方法を、一緒に見つけていきましょう。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》