目次
はじめに
みなさんこんにちは。たつの市フジイ整骨院 院長の藤井敦志です。
今回は「5月の行楽シーズンを腰痛で台無しにしないために知っておくべき5つのこと」と題して、この時期に多い腰痛がなぜ起こるのか、それに対する対策についてお伝えしたいと思います。
5月はゴールデンウィークを中心に、多くの人が旅行や行楽を楽しむ時期ですが、同時に腰痛に悩まされる人も増えるシーズンです。
実際、当院でも5月は腰痛を訴える患者さんが急増します。
せっかくの休暇なのに、腰痛のために予定していたアクティビティに参加できなかったり、旅行自体をキャンセルせざるを得なかったりと、腰痛は行楽シーズンの楽しみを大きく阻害します。
私は柔道整復師として20年以上、のべ18万人以上の患者さんの治療に携わってきました。
その経験から、5月の行楽シーズンに腰痛を予防し、万が一腰痛になってしまった場合に速やかに対処するためのポイントを見出してきました。
本記事では、そうした知見をもとに、みなさんが5月の行楽シーズンを腰痛なく満喫するためのノウハウをお伝えします。
腰痛の原因から予防法、そして発症してしまった場合の対処法まで、実践的な情報が満載です。
ぜひ最後までお読みいただき、今年の5月は腰痛知らずで思い切り行楽を楽しんでいただければと思います。
行楽シーズンの腰痛は運動不足?腰痛を誘発する要因とは
4月からの新生活で家族の生活パターンが変わる方も多くなります。
はじめは慣れるまで緊張状態。
徐々に体が今の生活パターンに慣れてくる頃が4月後半から5月。
しかも5月は大型連休があり、普段とは異なる生活習慣や環境の変化が体のコントロールを乱し腰痛のリスクを高めます。
特に、ストレスの増大と自律神経のバランス乱れは、腰痛との深い関わりが指摘されています。
また、気温の変化が大きいことも、体の疲労やコンディション不良を招く要因の一つ。
5月病と呼ばれる不調の原因にもなっているのです。
こうした5月特有の要因が重なることで、普段は問題なくこなせていた活動も、腰部に大きな負担をかけることになります。
日頃の運動不足というよりも姿勢の悪さ、ストレスなどの蓄積が、5月の行楽シーズンを迎える頃に一気に表面化し、腰痛を引き起こす危険性が高まるのです。
腰痛は行楽シーズンに関係はあるの?統計データから読み取る関係性とは
5月に腰痛が多い原因については前の項目でお伝えしました。
生活環境の変化によるストレス。
慢性的な運動不足。
大型連休など行楽シーズンでの急激な運動。
春特有の気温の変化などさまざまな要因が重なり、腰痛を引き起こす原因となっています。
当院の臨床データでも、例年5月はゴールデンウィーク明けを中心に腰痛患者が増加傾向にあります。
この傾向は、他の整骨院や接骨院でも同様に観察されている現象です。
ストレスと腰痛の密接な関係
腰痛とストレスの関係については論文でもよく伝えられており、心理社会的因子であるストレスが腰痛の発症や慢性化に関与していることが示されています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/10/1/10_1_19/_pdf
ゴールデンウィークの前後は、仕事や家事、レジャーの計画などでストレスが増大しやすい時期と言えます。
気温変化と腰痛の関連性を読みとく
気温や気圧の変化と腰痛の関連性が研究報告されています。
気温が下がると腰痛のリスクが高まる傾向が観察されました。
5月は気温や気圧の変動が大きい時期であり、体調管理の難しさが腰痛の発症に影響を与える可能性があります。
柔道整復師の臨床経験から見えてくる腰痛の傾向
当院で治療を行った腰痛患者さんの症例分析からは、長時間の座位や不自然な姿勢、重いものを運ぶ動作などが腰痛の主要な原因として浮かび上がっています。
それに加えて4月5月の生活の変化や行楽シーズンになることで、これらの姿勢や動作は腰痛のリスクを高める可能性が高まってきます。
毎年のように4月5月に腰痛を感じているという方は、意識的に血流が良くなる行動をとることをお勧めします。
後ほどその方法についてお話ししましょう。
以上の根拠から、5月の行楽シーズンが腰痛のリスクを高める要因となり得ることが示唆されます。
ただし、直接的な因果関係を示すデータは限られており、さらなる研究が必要とされる分野であることを付記しておきます。
行楽シーズンを控えた4月から、日頃の運動習慣を見直し、ストレス管理に努めることが腰痛予防の第一歩となるでしょう。
また、気温変化に備えた体調管理と、旅行中の姿勢や動作に気をつけることで、腰痛のリスクを下げることができると考えられます。
対策:行楽シーズンを快適に過ごすための腰痛予防エクササイズ
4月5月の体の疲れ、腰痛を感じやすい方へ快適に過ごすための予防エクササイズをお伝えしましょう。
1. 腰痛予防のための基本的な姿勢チェック
まずは基本的な姿勢チェックを行います。
座位での足先の位置をチェック。
左右の足先の開き具合や向きが異なる場合は、体の歪みのサインかもしれません。
左右に体を捻ってみて、可動域に差がある場合も体の歪みを示唆しています。
これらのセルフチェックで普段の歪みを確認し、意識的に改善していきましょう。
2. 行楽シーズン前に行うべき腰痛予防トレーニング
腰部周辺の筋力強化エクササイズ(腹筋、背筋、大臀筋⦅だいでんきん⦆など)を取り入れ、安定性を高めます。
腹筋周りの血流を良くすることは腰痛改善につながります。
ドローイン
ドローインとは、お腹の筋肉を効果的に鍛える運動の一つです。
内臓を支え、姿勢を正し、腰痛予防にも役立ちます。
ドローインのやり方をわかりやすく説明しましょう。
- リラックスして立つか座る
- 椅子に座る場合は背もたれを使わず、まっすぐに座ります。
- 立つ場合は足を肩幅に開き、軽く膝を曲げます。
- 深呼吸する
- ゆっくりと鼻から息を吸い、お腹を膨らませます。
- お腹を引き締める
- 息を吐きながら、お腹の奥の筋肉(特に下腹部)を脊椎に向かって引き寄せるようにゆっくりと引き締めます。
- 姿勢を保持
- お腹を引き締めた状態を5秒から10秒間保持します。
- リラックスして繰り返す
- 一度お腹の力を緩めてリラックスし、これを10回程度繰り返します。
- 呼吸を続ける
- お腹を引き締めている間も、浅くても良いので呼吸は止めないようにしましょう。
またハムストリングス、大腿四頭筋、腰部のストレッチで柔軟性を向上させ、負担を軽減しましょう。
3. 長時間の移動中にできる簡単なエクササイズ
車の運転中は、ハンドルを持って体を左右に捻ったり、ドアのノブを持って体を横にストレッチしたりすると効果的です。
適度な背伸びと深呼吸を組み合わせることで、体の緊張を和らげ、酸素を十分に取り入れることができます。
4. 日常生活に取り入れやすい腰痛予防習慣
長時間のドライブ後は、入浴で体を温め、十分な睡眠をとることで生活リズムを整えます。
ただし、寝過ぎには注意。
いつもの生活リズムを大きく乱さないことが肝心です。
日常的に、こまめな姿勢の変換と適度な運動を心がけることで、腰痛のリスクを下げることができるでしょう。
行楽シーズンを腰痛なく楽しむためには、普段からの姿勢チェックと体のケアが欠かせません。
簡単にできるエクササイズを旅行前から取り入れ、移動中や旅行先でも実践することで、腰痛のリスクを大幅に下げることができるはずです。
無理のない範囲で、これらの対策を生活に取り入れてみてください。
快適な行楽シーズンを過ごすための第一歩となるでしょう。
まとめ:5月の行楽を満喫するための5つの腰痛対策
1. 日頃から運動習慣を身につけ、筋力と柔軟性を維持することが腰痛予防の基本です。
ゴールデンウィーク前から計画的に体を動かし、急な活動増加に備えましょう。
2. 長時間の移動は腰痛のリスクを高めます。
車や飛行機での移動中は、こまめに姿勢を変えたり、簡単なストレッチを行ったりして、腰への負担を軽減しましょう。
3. ストレスは腰痛の大敵です。
旅行の計画や準備で気持ちが焦る時期ですが、リラックスする時間を作り、ストレスをためないことが大切です。
4. 気温変化に伴う体調管理にも注意が必要です。
寒暖の差に備えて、服装の調節や体を冷やさないための工夫を心がけましょう。
5. 旅行中は、重いスーツケースを運ぶ際の姿勢や、長時間の同じ姿勢に注意しましょう。
無理のない範囲で体を動かし、コンディションを整えることが腰痛予防につながります。
腰痛は、行楽シーズンを存分に楽しむための大きな障壁となりますが、事前の備えと旅行中の工夫で、そのリスクを大幅に下げることができます。
普段からの運動習慣とストレス管理に加えて、移動中や旅行先での姿勢や動作に気をつけることが、快適な5月を過ごすための秘訣です。
もし腰痛が発生してしまった場合は、早めに専門家に相談し、適切な処置を受けることが大切です。
無理を重ねることで症状を悪化させないよう、体の声に耳を傾けながら、楽しい行楽シーズンをお過ごしください。
当院でもゴールデンウィークが過ぎたあたりから腰痛がぶり返したとおっしゃる患者さんが多くいらっしゃいます。
体の歪みを整えておくことで早い回復と再発を防ぐことができていますので、もしお近くで5月の腰痛でお悩みの方がいらっしゃいましたら、ご相談ください。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》