目次
はじめに
こんにちは、たつの市フジイ整骨院 院長の藤井です。
毎日の家事の中でも、とくに料理は朝昼晩と繰り返されるため「包丁の握り方ひとつ」「手首の角度ひとつ」といった小さなクセが、痛みやしびれの大きな原因になります。
実際、当院に来られる主婦の方の中には
「最初はちょっと疲れたかなという程度だったのに、気がつけば包丁を握るだけでズキッと痛むようになった」
「フライパンを持つと手首が抜けそうな感覚がある」
「料理のあとに親指〜手首にかけてピリピリしたしびれが残る」
といった悩みを抱えて来院される方が少なくありません。
ところが、多くの方はこの痛みを“年齢のせい”や“使いすぎ”として片づけてしまい、長期間我慢して症状を悪化させてしまうのが現状です。
実際には、包丁を握るときの姿勢や力の入れ方、手首の角度、まな板の位置、そして料理中の体の使い方のクセなど、毎日の何気ない習慣が大きく影響しています。
つまり、痛みを“招いている原因”は、生活の中にしっかり存在しているのです。
この記事では
「なぜ包丁を使うと手首が痛むのか」
「どんな動きが手根管を圧迫して炎症につながるのか」
「どうすれば家事の中で負担を減らせるのか」をわかりやすく解説しながら、今日から実践できる手首の守り方を丁寧にお伝えします。
包丁を握ると痛む本当の理由——長時間固定姿勢が“手根管”を圧迫するメカニズム
包丁を握るとき、私たちは思った以上に強く握りしめています。
これは無意識に「滑らないように」「しっかり持たなきゃ」という気持ちから来るものですが、この“強く握る”という行為が手首に大きな負担をかけています。
手首の内側には「手根管(しゅこんかん)」と呼ばれる細いトンネルがあり、その中を神経と腱が通っています。
包丁を強く握るほどこの手根管が押しつぶされるように狭くなり、腱や神経が圧迫されて炎症が起こりやすくなるのです。
さらに、包丁を持つと手首はわずかに内側に曲がります。
この“少し曲がった状態”を長時間続けると、血流が悪くなり腫れやすくなり、その腫れが神経をさらに圧迫し、しびれや痛みとして感じられるようになります。
これは典型的な腱鞘炎(けんしょうえん)や手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)の発症パターンと非常に似ています。
特に主婦の方は、食材を切る→炒める→片付けるといった一連の動作をほぼ休みなく行うため、手首の腱が休む時間がほとんどありません。
しかも、包丁作業は“同じ動きを同じ角度で繰り返す”という特徴があり、筋肉や腱に負担が集中しやすいのです。
痛くて辛いのはわかっているのに、家族のために毎日包丁を握り続けてしまう……。そのお気持ち、本当によく分かりますし、本当に大変なことだと思います。
毎日のことですから、本当に頭が下がります。
「まだ大丈夫」と思い続けて負荷を蓄積させることで、ある日突然痛みが強くなることもあります。無理はしないでくださいね。
ですから、痛みの背景を理解することは、手首の負担を減らすための第一歩になりますよ。
握力で切ろうとするほど悪化する理由——“体重移動”を使うと手首が軽くなる仕組み
多くの方は、料理をするとき“腕と手の力だけ”で包丁を使っていることに気づいていません。
食材を切るという動作は、本来は手首の力で押し切るのではなく、体全体の重さを使って「前後の体重移動」で行うほうが、手首の負担が極端に減ります。
例えば、まな板に向かって立つとき、両足をそろえて腕だけで作業すると、手首が固定されて動かず、腱の動きが悪くなります。
これが痛みを長引かせる原因になります。
反対に、足を肩幅よりやや広めに開き、片足を軽く前に出し、体の重さを前後に移動させながら包丁を使うと、腕の力をほとんど使わずにスッと切れるようになります。
これは、包丁の刃に「腕の力ではなく体重を乗せる」ことで、手甲部や手首の過剰な固定を避けられるためです。
当院でも「力を抜いて体で切るようにしてください」とお伝えすると、その場で「包丁が急に軽く感じる」「手首が痛くならない切り方ってこんなに楽なんだ」と驚かれる方が本当に多いです。
つまり、手首を守るために大切なのは“力を入れることではなく、力を抜くこと”。
コツは背中を意識すること。手に意識がいかなくなると簡単に力を抜きやすくなりますよ。
手首を使いすぎるクセから解放されると痛みを繰り返さない体に変わっていきます。
今日からできる包丁の持ち方・姿勢改善・調理動作の工夫——毎日の料理で手首を守る方法
手首の痛みを改善するには、難しいことをする必要はありません。
日常で少し意識するだけで負担が大きく減ります。
まず、包丁は“握りしめる”のではなく“添えるように持つ”ことが大切です。
握りすぎると手根管への圧迫が強くなります。
次に、手首の角度。
手首が少しでも曲がると腱が圧迫されるため、包丁と手首がまっすぐ一直線になるよう意識するだけで負担が軽くなります。
また、まな板の位置が近すぎると手首が折れ曲がり、痛みを強める原因になります。
まな板は体から少し離し、肘の角度が自然に保てる位置に置くと手首が安定します。
さらに、料理中に数秒でできる手首リセット動作も効果的です。
手首をクルクル回す、指を軽く広げて伸ばす、腕を軽く振るといった簡単な動きでも、腱の滑りが良くなり、炎症の予防につながります。
そして何より重要なのが“体重移動で切る”ことです。
体全体を使うことで、腕が固まらず、腱の動きがスムーズになり、疲労が溜まりにくくなります。
まとめ
手首の痛みは「年齢だから」「料理を毎日しているから仕方ない」と思われがちですが、多くの場合、日常動作のクセを整えることで改善できます。
包丁の持ち方、手首の角度、体重の使い方、まな板との距離など、ほんの少し意識を変えるだけで痛みは大きく変わります。
当院では、手首の炎症を抑える施術だけでなく、肩や肘のねじれ、姿勢のクセ、動作の偏りなども総合的にチェックし、再発しない体づくりをご提案しています。
「包丁を持つと手首が痛む」「料理のあとしびれが残る」そんな方は、どうか我慢せず一度ご相談ください。
原因を見つけて整えていけば、必ず快適に料理ができる体に変わっていきます。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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