目次
はじめに
みなさん、こんにちは。
たつの市にあるフジイ整骨院 院長の藤井です。
春から夏にかけて、気持ちの良い季節の訪れとともに登山シーズンが本格化してきました。
澄んだ空気の中で見る絶景や、達成感を味わうことができる登山は、多くの方に愛されている素晴らしい趣味です。
しかし、「下山後に膝が痛くて歩くのがつらい」「前回の登山から膝の痛みが続いている」など、膝のトラブルに悩まされている登山愛好家も少なくありません。
特に、初心者の方や久しぶりに登山を再開する方、また年齢を重ねるにつれて、膝への負担や不安を感じることが増えてきます。
実際、登山による膝の痛みは、適切な予防法を知らないまま山に登ることで起こる場合が多いのです。
かくいう私も、以前は何の対策もせずに山に登り、下山時の膝の痛みに悩まされた一人です。
しかし、正しい知識と適切な対策を学び、実践することで、膝の痛みなく登山を楽しめるようになりました。
この記事では、膝に負担をかけやすい登山中の典型的な動作や、岩場や坂道で膝を守るための基本動作、
そして登山後に実践したい簡単なケア方法について詳しくご紹介します。
これらの知識を身につけ、実践することで、膝の痛みを予防しながら、素晴らしい登山体験を続けることができます。
登山の醍醐味を存分に味わいながら、健康的に山を楽しむための基本をしっかりと押さえていきましょう。
膝に負担をかけやすい登山中の典型的な動作とは
登山は素晴らしい趣味ですが、正しいフォームで行わないと、知らず知らずのうちに膝に大きな負担をかけてしまう可能性があります。
特に、下山時の膝への負担は想像以上に大きく、多くの登山愛好家が膝の痛みに悩まされています。
ここでは、膝に負担をかけやすい典型的な動作について詳しく見ていきましょう。
まず、最も膝に負担がかかるのが下山時の動作です。
上りは太ももやふくらはぎの筋肉が主に使われますが、下りは膝への衝撃を吸収しながら体重を支える必要があります。
特に、急な下り坂でのブレーキをかけるような歩き方は、膝の前面(膝蓋骨とその周辺)に非常に大きな負担がかかります。
この負担が長時間続くと、膝蓋大腿関節症候群(ランナー膝)などの障害を引き起こす原因となります。
次に注意すべきは、長い距離の歩行による反復的な負荷です。
平らな道でも、長時間歩き続けることで膝には少しずつ負担が蓄積していきます。
特に、疲労が溜まってくると、正しいフォームを維持できなくなり、膝への負担が増加する傾向があります。
また、重いバックパックを背負っての登山も膝に負担をかける大きな要因です。
バックパックの重さは体の重心に影響を与え、特に下りでは膝に余分な負荷をかけることになります。
例えば、3日間の縦走で必要な装備を詰めたバックパックの重さは、体重の20%以上になることもあり、その全ての重みが膝への負担となります。
さらに、不安定な地形での動きも膝には大きな負担となります。
岩場や滑りやすい斜面、不整地を移動する際、膝は体のバランスを取るために余分な力を使います。
特に、予期せぬ滑りや踏み外しが発生すると、膝を捻る恐れがあり、靭帯や半月板を損傷するリスクも高まります。
加えて、長時間同じ角度で膝を曲げ続ける動作も負担となります。
例えば、休憩時に正座のような姿勢を長時間続けると、膝関節や周囲の組織に圧力がかかり続け、痛みの原因となることがあります。
これらの負担が複合的に作用することで、登山後に膝の痛みや不快感として現れることが多いのです。
岩場や坂道で膝を守るための基本動作と注意点
膝への負担を軽減しながら安全に登山を楽しむためには、正しい歩き方と動作を身につけることが重要です。
特に岩場や急な坂道では、適切なテクニックを使うことで、膝の痛みを予防することができます。
ここでは、具体的な基本動作と注意点についてご紹介します。
まず、下山時の正しい歩き方について見ていきましょう。
下りの際は、膝をわずかに曲げた状態を維持し、体重を一気にかけるのではなく、足全体でしっかりと地面を捉えることが大切です。
具体的には、かかとから着地するのではなく、足の裏全体もしくは中足部から接地するようにします。
これにより、着地時の衝撃を分散させ、膝への負担を軽減することができます。
また、下りでのステップ幅も重要です。
大きなステップで一気に下ると、膝への衝撃が増大します。
小刻みなステップで、できるだけ垂直方向の動きを少なくすることで、膝にかかる負担を減らすことができます。
特に急な斜面では、ジグザグに下ることも効果的な方法です。
トレッキングポールの活用も非常に有効です。
ポールを使うことで、腕の力も使いながら体重を分散させることができ、膝への負担を最大25%程度軽減できるという研究結果もあります。
特に下山時は、ポールを少し長めに調整し、前方に突くことで、体重の一部をポールに預けるように意識しましょう。
岩場では、三点支持の原則を常に心がけることが安全のためにも膝を守るためにも重要です。
これは、両足と片手、または両手と片足の少なくとも3点が常に安定した状態を保つという原則です。
急な岩場では、膝だけに負担をかけるのではなく、手や他の足も使って全身で体を支えるようにします。
また、膝に優しい登山靴の選択も見逃せないポイントです。
適切なクッション性と安定性を備えた靴は、膝への衝撃を吸収し、不安定な動きを防ぎます。
特に下りが多いコースでは、つま先に十分な空間がある靴を選ぶことで、指先への圧迫を防ぎ、結果的に自然な歩行が可能になります。
さらに、荷物の軽量化も膝への負担軽減には効果的です。
必要最低限の装備に絞り、重いものはバックパックの上部ではなく、背中に近い位置に配置することで、重心を安定させ、バランスを取りやすくします。
これらの基本動作や注意点を意識することで、膝への負担を大幅に軽減し、より安全で快適な登山を楽しむことができます。
登山後に膝をケアするための簡単リカバリーストレッチ
登山から帰った後のケアは、膝の健康を維持し、次回の登山をより快適に楽しむための重要なステップです。
適切なリカバリーを行うことで、筋肉の疲労を軽減し、膝への負担から生じる痛みや不調を防ぐことができます。
ここでは、自宅で簡単に実践できる効果的なストレッチとケア方法をご紹介します。
まず最初に行いたいのが、全身のクールダウンです。
登山後はすぐに座り込まず、5-10分程度のゆっくりとした歩行を行うことをお勧めします。
これにより、筋肉内に蓄積された疲労物質の排出を促し、急激な運動の停止による筋肉の硬直を防ぐことができます。
次に、大腿四頭筋(太ももの前側)のストレッチです。
この筋肉は下山時に特に酷使されやすく、しっかりとケアすることが重要です。
片足で立ち、もう片方の足を後ろに曲げ、同じ側の手で足首をつかみます。
かかとをお尻に近づけるように引き寄せ、太ももの前側が伸びていることを感じながら、20-30秒キープします。
両足交互に2-3セット行いましょう。
ハムストリングス(太ももの裏側)のストレッチも効果的です。
座った状態で片足を伸ばし、もう片方の足の裏を伸ばした足の内側に当てます。
上体を前に倒し、伸ばした足のつま先に手を伸ばすようなイメージで、太ももの裏側が伸びていることを感じながら、20-30秒キープします。
こちらも両足交互に2-3セット行いましょう。
ふくらはぎのストレッチは、壁を使って簡単に行えます。
壁に向かって立ち、両手を壁につけます。
片足を後ろに引き、かかとを床につけたまま、前に体重をかけていきます。
このとき、後ろ足のふくらはぎが伸びていることを感じながら、20-30秒キープします。
両足交互に2-3セット行うことで、ふくらはぎの緊張を和らげることができます。
温冷交代浴も効果的なケア方法です。
40度程度のお湯と15-20度程度の水を用意し、膝周りを中心に、3分間温めた後、1分間冷やすというサイクルを3-4回繰り返します。
これにより、血行が促進され、筋肉の回復が早まります。
まとめ
登山シーズン到来に向けて、膝痛予防の基本について、いかがでしたでしょうか。
膝への負担を軽減する正しい動作と適切なケアを知ることで、より安全に、より長く登山を楽しむことができます。
このブログでご紹介した内容をまとめると、膝痛予防の鍵は「正しい下山テクニック」「適切な装備の選択」「登山後のケア」の3点にあります。
特に下山時は、小刻みなステップでジグザグに下り、トレッキングポールを活用することで、膝への負担を大幅に軽減できることを覚えておきましょう。
また、事前の準備も重要です。
膝周りの筋肉、特に大腿四頭筋やハムストリングスを日頃から鍛えておくことで、登山中の膝への負担を軽減することができます。
簡単なスクワットやランジなどを日常的に取り入れることをお勧めします。
さらに、登山計画を立てる際には、自分の体力や経験に合ったコース選びを心がけましょう。
いきなり難易度の高い山に挑戦するのではなく、段階的にレベルアップしていくことで、体への負担を抑えながら技術を向上させることができます。
ただし、これらの予防策を実践しても、時に膝の痛みを感じることがあるかもしれません。
その場合は、無理をせず、適切な休息を取ることが大切です。
痛みが続く場合や、通常とは異なる鋭い痛みがある場合は、専門家への相談をお勧めします。
当院では、登山愛好家の方々の膝の痛みや不調に対して、お一人おひとりの状態に合わせた適切なアドバイスとケアを提供しております。
山の魅力は尽きることがありません。
正しい知識と技術を身につけ、体のケアを怠らないことで、いつまでも山の感動と喜びを味わい続けることができます。
あなたが素晴らしい登山ライフを楽しめるよう心より応援しています。
膝のことでお悩みの際は、早めにご予約のうえお越しください。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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