目次
はじめに
こんにちは。たつの市フジイ整骨院院長の藤井敦志です。
5月6月になると畑作業が増えてくる時期ですよね。
それとともに多くなるのが草引き作業。
草引きは、畑やガーデニングの管理に欠かせない作業ですが、実は腰に大きな負担がかかる活動の一つです。
草引きでは、前かがみの姿勢を長時間維持することが多く、重心が前方にかたよることで腰椎に大きな圧力がかかります。
また、草引きの道具の重さや、抜く際の抵抗力も腰部に負担を与えます。
草引きを長時間行ったあとに、腰痛や膝の痛みなどいろいろなお体の不調を訴える人が多くいらっしゃいます。
腰痛の症状は人によって様々ですが、主に腰部の鈍痛や痛み、時には足へ放散する痛みを伴うこともあります。
特に、前かがみになったり、体を起こしたりする動作で痛みが強くなる傾向があります。
今回は、草引き中に腰を痛めてしまった患者さんの事例を通して、腰痛の改善策と予防法についてお伝えしたいと思います。
草引き作業だけではない!日常に隠れた腰痛リスク
今回ご紹介する患者さんは、50代女性のパート勤務者Aさんです。
Aさんは自宅の庭の手入れを自分で行うことを楽しみにしてい_
ある日、草引きに夢中になり、気づけば2時間以上も座り込んだままの姿勢で作業を続けていました。
草引きを終え、立ち上がろうとした瞬間、Aさんは腰に強い痛みを感じ、体を伸ばすことができなくなりました。
その後、しばらく安静にしていましたが、腰を伸ばす際の痛みが引かず、日常生活にも支障をきたすようになりました。
Aさんは痛みに耐えかねて、当院を訪れました。
初診時、お体を見させていただくと明らかな腰の可動域制限と、腰部周辺の筋肉の緊張が認められました。
さらに座っているのも立っているのも困難な状況でした。
Aさんのケースは、長時間の同一姿勢による腰部への負担が原因で起きた腰痛であると考えられます。
ただし、それだけが原因で起こったものではなく、これまでの生活環境や体調、その日の気温や天気などいろんなことが組み合わさって症状が現れます。
このような状況は、日常生活の中でも起こりうるものです。
Aさんの事例を通して、草引きに限らず、家事や仕事での姿勢の重要性を再認識するきっかけになればと思います。
Aさんの治療方法と改善過程(きっかけを与えるとみるみるうちに)
Aさんの初診時、腰周りの筋肉の緊張に加え、背骨の歪みが顕著に見られました。
長年の姿勢の癖が原因で、背骨のアライメント(並び)に乱れが生じていたのです。
それに合わせて背中が伸びない状態なので、深い呼吸をするのが困難になっていました。
人は集中すると前のめりになる習性があります。
特に草引きは前のめりにしゃがんだまま長い時間いますので、お腹は圧迫されます。
すると肩は体の前に丸くなり、肋骨の動きも小さくなって呼吸が小さくなります。
長く続くと・・・と考えると怖くなりますよね。
背骨が歪むと、腰部の血流が阻害され、筋肉が硬くなりやすい状態になります。
さらに呼吸も浅くなって酸素が取り込みにくくなってしまう。
これが、草引き後も症状が改善しなかった理由の一つと考えられます。
Aさんは治療を受けながらも生活上で気をつけるべきことや、姿勢などご自分で改善できることをやっていくことで、すぐに改善の糸口をつかむことができました。
今では以前のようにガーデニングを楽しく続けておられるそうです。
日常生活の中で意識的に姿勢を正すことで、体への負担を減らし、腰痛の再発を防ぐことができます。
こうした治療と日常生活での取り組みにより、Aさんの症状は徐々に改善していきました。
3回目、4回目の治療では、大きな歪みは起こりにくくなり、日常生活を普通に送れるまでに回復しました。
Aさんは、再発防止のために良い姿勢を保つことの重要性を実感し、現在も定期的に当院でメンテナンスを続けていらっしゃいます。
体のケアを継続することで、腰痛の再発リスクを抑え、健康的な生活を送ることができています。
Aさんの事例は、腰痛の原因が単純ではなく、姿勢や体の使い方など、日頃の習慣が大きく影響することを示しています。
次は、草引きをする際に必要な腰痛予防と対策について、具体的なアドバイスをお伝えします。
腰痛とおさらば!楽しくできる予防&対策法
草引きをする際は、正しい姿勢と動作に気をつけることが大切です。
長時間のしゃがみ込んだ姿勢は、腰に大きな負担をかけます。
そこで、片膝をついて背筋をできるだけまっすぐに保つことをお勧めします。
片膝をつくのが辛い場合は、草引き用の小さな椅子を使うのが良いでしょう。
コロコロ付きの椅子なら移動も楽です。
ネットやホームセンターで安価に購入できますので試してみてはいかがでしょうか。
【草引き腰痛予防】簡単な立ち上がり方で腰痛知らず
また、立ち上がる際の動作にも注意が必要です。
片膝をついた姿勢から立ち上がる際は、立てている膝の上に手を置き、その手を押し込むように前に体重をかけながら立ち上がりましょう。
この方法なら、腰に負担をかけずに立ち上がることができます。
草引き中にできる簡単なストレッチも、腰痛予防に効果的です。
【草引き中腰痛予防】簡単ストレッチで気持ちよく草引きを
テーブルや棒を持ち、腰と足が直角になるように前かがみになってください。
太ももの裏に伸びる感覚があればOKです。
15秒から20秒ほど保持するようにしましょう。
このストレッチを定期的に行うことで、腰周りの筋肉の柔軟性を維持し、緊張を和らげることができます。
【草引き腰痛】深呼吸で酸素を入れる
しゃがんだままだと呼吸が浅くなることをお伝えしました。
できるだけ30分に1回は、座ったままでもいいので大きく胸を開いて深呼吸をします。
吸うより吐くほうの時間を長くやりましょう。
これによって脳にも酸素が行き渡ります。突然倒れるなどを防ぐことにもつながります。
草引き以外にも、日常生活の中で腰痛予防を心がけることが大切です。
長時間同じ姿勢を取らない、重いものを持ち上げる際は膝を曲げて腰に負担をかけない、適度な運動を続けるなど、少しの工夫で腰痛のリスクを減らすことができます。
腰痛は、一度なってしまうと完治が難しく、再発しやすい症状です。
日頃から予防に努め、もし症状が現れたら早めに専門家に相談することをお勧めします。
当院では、腰痛でお悩みの方に適切な治療とアドバイスを提供しております。
まとめ
草引き中に腰を痛めてしまった患者さんAさんの事例を通して、腰痛の原因と予防法について考えてきました。
Aさんの場合、長時間の同一姿勢と背骨の歪みが腰痛の原因でした。
整体術と自主トレーニングを組み合わせた治療により、症状は改善し、日常生活を取り戻すことができました。
Aさんの経験から学べるのは、日頃の姿勢や体の使い方が腰痛に大きく影響するということです。
草引きに限らず、家事や仕事でも長時間同じ姿勢を取ったり、重いものを無理に持ち上げたりすることは腰痛のリスクを高めます。
正しい姿勢を意識し、こまめにストレッチを行うなど、小さな習慣の積み重ねが腰痛予防につながります。
もし腰痛に悩まされている方は、一人で抱え込まずに専門家に相談することをお勧めします。
早期の治療とアドバイスが、症状の改善と再発防止に役立ちます。
当院では、患者さん一人ひとりに合わせた治療プランを提供し、健康的な生活を取り戻すお手伝いをしております。
腰は体の中心であり、健康な日常生活を送るために欠かせない部分です。
日頃から腰痛予防に努め、腰の健康を維持していきましょう。
腰痛でお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》