目次
はじめに
整骨院の現場では、冬になると運動後の腰痛、膝の痛み、太ももやふくらはぎの違和感、肩や首の痛みといった相談が明らかに増えてきます。
多くの方が口にされるのは、「そんなに激しい運動はしていない」「少し体を動かしただけ」という言葉です。
ジョギング、ウォーキング、雪山でのレジャー、久しぶりのスポーツ。内容はさまざまですが、共通しているのは「寒い中で、準備が整っていない体を動かしてしまった」という点です。
冬は、体を動かす前からすでにハンデを背負っている季節です。
そのことを知らずに運動を始めると、思わぬ形で体に負担が出てしまいます。
寒さで体はどう変わるのか|筋肉が固くなる仕組み
寒さを感じると、体は熱を逃がさないように反応します。
具体的には、血の巡りを体の中心に集め、手足や筋肉の表面への血の流れを抑えます。
その結果、筋肉は温まりにくく、動きが鈍くなります。
筋肉はゴムのような性質を持っており、温かいとよく伸び縮みしますが、冷えると硬くなり、伸びにくくなります。
冬の屋外や冷えた室内では、この「伸びにくい状態」が運動前から出来上がっています。
さらに、寒さによって体は無意識に力みやすくなります。
肩をすくめる、背中を丸める、関節を固めるといった姿勢が続くことで、筋肉はより緊張した状態になります。
この状態のまま運動を始めることが、トラブルの出発点になります。
準備不足の体で運動すると起きやすいトラブル
筋肉が固いまま運動を始めると、体はスムーズに動けません。その結果、本来なら分散されるはずの負担が、一部の筋肉や関節に集中します。
たとえば、腰や太もも、ふくらはぎ、膝、肩といった場所です。
冬に多いのが、軽く走っただけで太ももを痛める、ジャンプや切り返しで腰を痛める、急に動いてふくらはぎをつる、といったケースです。
これらは「運動が激しかったから」ではなく、「準備が足りない体で動いたから」起こることがほとんどです。
また、筋肉が硬い状態では、動きの中での微調整がうまくできません。
すると、転びそうになったときに踏ん張りすぎたり、急に力を入れたりして、体を守ろうとします。
このときに起こるのが、ぎっくり腰や肉離れ、関節の痛みです。
本人は「ちょっとした動きだった」と感じますが、体にとっては限界に近い動きになっていることも珍しくありません。
「準備しているつもり」でも足りていない冬の落とし穴
「ちゃんと準備運動はした」「軽くストレッチしてから動いた」という方も多いでしょう。
しかし冬の場合、その準備が体にとって十分でないことがあります。寒い場所で短時間ストレッチをしても、筋肉そのものはまだ冷えたままです。
表面だけ動かしても、深い部分の筋肉は目覚めていません。また、ストレッチだけでいきなり強い動きに入るのも、冬にはリスクが高くなります。
本来、体は少しずつ動きを大きくしながら、筋肉と関節を慣らしていく必要があります。
しかし寒いと、「早く体を動かして温まりたい」という気持ちが先に立ち、準備の段階を飛ばしてしまいがちです。
さらに、冬は普段の生活でも動く量が減りがちです。そのため、筋肉や関節は「動かない状態」に慣れてしまっています。
そこに急に運動を入れると、体は対応しきれず、トラブルとして表に出てきます。
まとめ|冬の運動は“始め方”で結果が大きく変わる
寒さで筋肉が固いまま運動をすると、体は本来の動きを発揮できず、思わぬトラブルにつながりやすくなります。
これは年齢や体力の問題ではなく、準備不足の体で動いてしまうことが大きな原因です。
冬は、運動を始める前から体が不利な状態にある季節です。
だからこそ、「何をするか」よりも「どう始めるか」が重要になります。
体が温まり、動きやすくなるまでの時間をきちんと取ること、急に強い動きを入れないこと。
これだけでも、冬の運動トラブルは大きく減らすことができます。
もし運動後に痛みや違和感が続く場合は、「やりすぎた」と考える前に、「準備が足りなかったかもしれない」という視点で体を見直してみてください。
それが、冬でも安心して体を動かし続けるための第一歩になります。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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