(「買い物に行っただけなのに股関節が痛い」——冬に増えるこの症状、原因は歩き方にあります)

はじめに

女性Aさん
女性Aさん
「先生、股関節が悪いんでしょうか。レントゲンを撮ってもらって異常なしって言われたんですけど、痛いんです」

冬になると増えるこの相談。整形外科で「異常なし」と言われたのに股関節が痛い、という方が毎年何人も来院されます。

 

 

不安ですよね。異常がないのに痛いというのは、「じゃあこの痛みは何なの?」という疑問と不安が残ります。

 

結論から言うと、こうした冬の股関節痛の多くは、股関節そのものの問題ではなく、寒い日に変わってしまう「歩き方」が原因かもしれません。

 

レントゲンに写らないのは当然で、骨や関節に異常があるわけではないからです。

寒い日、あなたの歩き方は別人になっている

 

寒い日に外を歩いているとき、自分の歩き方を意識したことはありますか?

 

おそらく、ほとんどの方がこうなっています。

肩をすくめて、背中を丸めて、足元を見ながら小刻みに歩く。

 

凍った路面や雪の日ならなおさら、「転ばないように」という意識が全身を支配します。

 

この歩き方を、普段の歩き方と比べてみてください。まったく違う動きになっているはずです。

 

 

普段は無意識に股関節を大きく使い、足を前に出し、体重を左右にスムーズに移動させています。

 

しかし冬道では、その動きが極端に制限されます。

 

先日来院された60代の女性は、「スーパーまで往復20分歩いただけ」で股関節が痛くなったとおっしゃっていました。

 

体を確認すると、股関節自体には問題がなく、お尻の横の筋肉(中殿筋)がカチカチに張っていました。

 

 

たった20分の歩行で、なぜここまで張るのか。答えは「歩き方」にあります。

 

歩幅が小さすぎても、大きすぎても股関節は痛む

 

冬道での股関節痛に関わるのが、歩幅の変化です。

 

転ぶのが怖くて歩幅を極端に小さくする方。

これは一見安全そうですが、足を前に出す動きが減ることで、股関節周りの筋肉が縮んだまま固まりやすくなります。

 

縮んだ状態で体重を支え続けるため、筋肉は疲労しやすく、股関節の奥に重だるい痛みが出ます。

 

 

反対に、「普段通りに歩こう」と頑張ってしまう方もいます。

 

滑りやすい路面で大きな歩幅を取ると、バランスを崩しかけるたびに股関節の筋肉が強く働きます。

 

踏ん張るたびに、片側の股関節に集中的な負担がかかります。

 

 

「右の股関節だけ痛い」「利き足側だけつらい」という方は、重心が片側に偏った状態で冬道を歩いていた可能性が高いです。

 

「冷えたから痛い」のではなく「冷えた体で歩いたから痛い」

 

多くの方が「股関節が冷えたから痛くなった」とおっしゃいます。

 

たしかに冷えは筋肉を硬くしますから、まったく無関係ではありません。

 

 

しかし、より正確に言えば、冷えて硬くなった筋肉で、普段と違う歩き方をしたことが原因です。

 

温かい部屋の中で同じように歩幅を小さくして20分歩いても、ここまで股関節は痛くなりません。

 

冷えで筋肉が硬い状態と、歩き方の変化が掛け合わさったときに、股関節に負担が集中するのです。

 

だからこそ、「温めれば治る」と湯船に浸かるだけでは根本的な解決にならないことがあります。

 

もちろん温めることは良いのですが、歩き方のクセそのものに気づかない限り、次に寒い日に外を歩けばまた同じことが起きます。

 

冬道を安全に歩くためのコツ

 

では、どうすれば冬道で股関節に負担をかけずに歩けるのか。

 

意識していただきたいのは一つだけ。「歩幅を小さくしすぎない」ことです。

 

 

恐怖心から極端に小刻みになりがちですが、普段の7〜8割くらいの歩幅を意識してみてください。

 

完全に普段通りでなくて構いません。少しだけ足を前に出す意識を持つだけで、股関節の動きが確保され、筋肉が固まりにくくなります。

 

もう一つ、背中を丸めすぎないこと。 前かがみの姿勢は重心を前に偏らせ、股関節への負担を増やします。

 

視線を足元だけに落とすのではなく、3〜4メートル先を見るようにすると、自然と姿勢が起き上がります。

 

毎年冬になると股関節がつらい方へ

 

「冬だけ股関節が痛くなる」というパターンが毎年繰り返される方は、歩き方のクセが体に染みついている可能性があります。

 

 

当院では、股関節の状態だけでなく、骨盤の傾き、お尻や太ももの筋肉の張り、歩き方の左右差などを総合的に確認します。

 

「どこが痛いか」だけでなく、「なぜ痛くなるのか」を一緒に探していくのが、当院の施術の特徴です。

 

 

レントゲンで異常がないと言われて不安な方も、体の使い方という視点で見れば原因が見つかることがあります。

 

痛みの正体がわかるだけでも、気持ちがずいぶん楽になるものです。

まとめ

 

 

雪の日や寒い日に股関節が痛くなりやすい人には、歩幅と重心が普段とズレているという共通点があります。

 

これは年齢や体力の問題だけではなく、転倒を避けようとする自然な反応が、結果として股関節に負担を集中させている状態です。

 

痛みは、体が「この使い方は少し無理がありますよ」と教えてくれているサインとも言えます。

 

 

もし雪の日や寒い日に歩いたあと、毎回のように股関節がつらくなる場合は、股関節そのものよりも、歩き方や体の使い方に目を向けてみてください。

 

痛みが数日経っても引かない、歩くたびに強くなるといった場合は、早めに専門家に相談することも大切です。

 

冬を安心して過ごすためにも、自分の体の変化に気づくことが第一歩になります。

 

 

《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》

 

 

 

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