目次
はじめに
こんにちは。たつの市フジイ整骨院 院長の藤井です。
運動をしたときに「すぐ膝が痛くなる」「走り始めた瞬間から違和感がある」「ウォーキングを少し続けただけで膝の内側がズキッとする」といった相談は、当院でも非常に多く寄せられます。
多くの方は「膝の筋力が弱いから」「太ももが衰えたから痛むのでは」と考えるのですが、実際に身体を詳しくチェックしてみると、筋力不足よりも“着地のクセ”に問題が隠れているケースが圧倒的に多いのです。
特に、久しぶりに運動を再開した方や40〜60代の男性に多く、本人は「昔はこんなことなかったのに…」と驚かれることもしばしばです。
体力や筋力は確かに若い頃より落ちているかもしれません。
しかし、筋力不足が原因で膝が痛いのであれば、もっと長時間運動した頃に痛みが出るはずです。
ところが、「歩き始めてすぐ」「軽く走っただけで」「運動を始めた初日から」痛みが出る場合、筋肉が弱いのではなく“動き方のクセ”の方がずっと影響しています。
つまり、膝は“使い方”を変えれば痛みを避けられる可能性が高く、逆にクセを放置すれば、運動のたびに痛みを繰り返し、膝に炎症を蓄積させてしまいます。
この記事では、膝痛の多くを引き起こす“着地のクセ”の特徴と、誰でもできるフォーム修正法を丁寧に解説していきます。
衝撃が膝に集中するフォームとは?着地のクセが痛みを生むメカニズム
運動時に膝へ負担が集中する人には、ある共通点があります。
それは「着地の瞬間に衝撃が膝に直撃している」ということです。
普通、着地の衝撃は足首→ふくらはぎ→膝→股関節→体幹という流れで“分散される”のが自然な動きです。
しかし、着地のクセがあると、この分散が行われず、膝だけが衝撃を受け止める形になってしまいます。
その原因はさまざまですが、中でも多いのが次の3つです。
ひとつ目は、足が内側にねじれた状態(回内)で着地していることです。
足首が内側に倒れたまま着地すると、膝が内側に引っ張られ、膝の関節に“ひねり”と“衝撃”が同時に加わります。
これは膝の内側痛や鵞足炎(がそくえん)などに繋がりやすい典型パターンです。
《鵞足炎とは、膝の内側にある3つの筋肉の腱が合流する部分に炎症が起こり、膝の内側下方に痛みが出る症状です》
ふたつ目は、膝が前に突き出るような着地をしている場合です。
これは“つま先着地と踵着地のバランス”が悪いと起こります。
膝が前に出ると太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)に過度な負担がかかり、その負担が膝蓋骨(お皿の骨)を引っ張り、膝の表側に痛みが出ます。
階段の上り下りで膝が痛くなる方にもよく見られる動きです。
三つ目は、足の着地位置が身体の真下ではなく“外側や内側にずれている”ケースです。
ランニングやウォーキングの動画を撮ってみると、身体の中心よりずいぶん外側に足を置いてしまっている人がいます。
これをオーバーストライドと呼びますが、着地が体重より外にあると、膝に横方向の力が加わり、関節がねじれやすくなります。
膝は前後の動きには強いですが、左右のひねりにはとても弱い関節のため、わずかな角度のズレでも痛みが出やすくなります。
これらの動きが積み重なると、膝は「本来の動きではない方向に負荷を受け続ける」ことになり、それが痛みや炎症へとつながっていきます。
体幹より“足の向き”が大事——膝痛を左右する下半身アライメントの秘密
世間では「膝が痛いのは体幹(たいかん)が弱いから」と言われることがよくあります。
もちろん体幹の安定性は大切ですが、当院で実際に診てきた膝痛患者さんの多くは、体幹よりも“足の向き”が根本原因になっていました。
足の向き——つまり「つま先の角度」と「かかとの向き」は、膝の軸そのものを決める重要な要素です。
膝は太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)がまっすぐ連動して動くことでスムーズに曲げ伸ばしできます。
しかし、足の向きが内側や外側に少しでもズレていると、そのズレが膝にダイレクトに伝わり、関節の軸がブレてしまいます。
この軸のブレが膝に“ひねり”を生み、炎症や痛みへつながるのです。
特に、足が内側に入るクセがある人は、立っただけで膝が内側に寄る“ニーイン”という状態になります。
これは膝の内側に強いストレスをかけ、痛みを長引かせる最大の要因のひとつです。
さらに、足の向きは骨盤の向きにも影響します。
例えば、右足が外に開きやすい人は、骨盤が左にねじれやすい傾向があります。
骨盤がねじれると膝の向きがますますズレ、足全体のラインが歪んでしまうのです。
つまり、膝痛の改善には「足の向き=下半身のアライメントを整える」ことが欠かせません。
筋力が多少弱くても、着地のラインがまっすぐであれば膝は痛みにくくなりますし、逆に筋力が強くても、足の向きが崩れていれば膝の痛みは繰り返されます。
それほど“足の向き”は重要なのです。
当院では、足首の硬さ・股関節の動き・骨盤のねじれなども確認し、膝に負担が集中しないよう全身を整えるアプローチを行っています。
今日からできる着地改善法——立ったままでできるフォーム修正テクニック
膝を守るためのフォーム修正は、特別な道具も長い運動時間も必要ありません。
大切なのは、正しい足の向きと着地の位置を“体に覚えさせること”です。
ここでは、自宅で今日から実践できる着地改善法を紹介します。
まず、足幅を肩幅に開き、つま先を軽く正面に向けます。
このとき内股にもガニ股にもならないよう注意し、かかと・つま先の角度が左右で同じになるようにします。
これが膝に最も負担のかかりにくい基本姿勢です。
次に、軽くその場で足踏みをし、着地が体の真下にあるかを確認します。
体より前に着地するクセがある人は、踵が強く響くような感覚がありますが、真下に着地できていれば、衝撃がほぼ響かなくなります。
さらに、片足で軽く体重を乗せたとき、膝が内側に倒れないかをチェックします。
倒れる場合は足首が内側に潰れている可能性があります。
立ったまま両手で太ももを軽く押さえ、膝のお皿が正面を向くように調整すると、立っているだけで膝が安定しやすくなります。
また、階段で痛みが出る方は、つま先が外に向いていたり、膝より前に体重が乗っていることが多いです。
この場合、階段の一段一段を「足裏全体でまっすぐ踏み込む」ことを意識すると、膝への負担が軽くなります。
ランニングをする人は、動画で自分の着地を確認すると衝撃のかかり方が明確になります。
着地が外側に寄っている場合は、内くるぶしが正面を向くように調整しながら走るだけで痛みが改善することも非常に多いです。
これらの動作は短時間で終わりますが、膝の負担軽減には大きな効果があります。
まとめ:膝の痛みはフォームを変えれば予防できる。当院での調整サポートについて
膝が痛くなる原因を“筋力不足”だけで片づけてしまうと、改善の道が遠回りになります。
実際には、多くの膝痛は“着地のクセ”から起こり、足の向き・膝の軸・骨盤のねじれといった下半身のバランスが深く関係しています。
つまり、筋トレよりも先に“正しい動き方を身につける”ことが重要です。
動きのクセが整えば、膝が受ける衝撃は劇的に減り、痛みは自然と改善されていきます。
当院では、膝だけを診るのではなく、足首・股関節・骨盤・体幹など身体全体の連動を確認し、膝に負担が集中しない動き方を一緒に作っていきます。
「運動するとすぐ膝が痛くなる」「走り始めで違和感が出る」「長年膝痛に悩まされている」そんな方は、どうか一度ご相談ください。
正しい動きを取り戻すことで、運動はもっと快適で、もっと楽しいものになります。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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