超音波コンビネーションとは

超音波コンビネーション

超音波コンビネーションとは、超音波と電気刺激を組み合わせた治療器です。超音波の振動による温熱効果と、ハイボルテージ(高電圧)電気刺激による筋収縮効果の2つの刺激が働きかけることで、効果的な治療の幅が広がり効率を高めます。
超音波、ハイボルテージ・微弱電流、それぞれの治療器だけでも効果は高いものですが、2つの特徴を組み合わせることで、その相乗効果でより効率良く痛みの原因となるコリやトリガーポイントに刺激を与えることができる治療法で、スポーツ現場や捻挫などの急性外傷にも用いられています。

超音波治療器

超音波コンビネーション2

この治療器はプローブ(あてる導子)から1秒間に100万回または300万回(患部によって分けます)の超高速度のミクロマッサージをつくりだし、患部にこれをあてると体の深部(骨の部分)にまでミクロの振動が届き、そこに熱が発生することで患部の表面だけでなく深部に温熱効果とマッサージ効果の2つの効果を作り出すことができます。

あなたが超音波治療器を受けるとまず何も感じない状態からいきなり「熱っ!」と感じるかもしれません。これは振動マッサージが骨の部分で反射して熱を発生するためで、皮膚に熱さを感じる前に深部に熱さを感じるのです。深部でおよそ2〜3℃の温度上昇があるといわれます。振動マッサージ効果は、音の圧力が人体の深部(骨の部分)にまで伝わり刺激を送るので、軟部組織の新陳代謝がよくなり鎮痛効果が期待されます。

ハイボルテージ・微弱電流

ハイボルテージ

ハイボルテージ(高電圧)療法は、欧米ではよく使用される電流療法の一つで、従来高電圧の電流は皮膚の抵抗があるためかなりの痛みを伴い、深部までの刺激は困難でしたが、当院のハイボルテージ治療器は高電圧の電流を瞬時に2回流すことで皮膚の抵抗を最大限まで引き下げることが可能になりました。また、深部組織へ直接高い電圧の電流を送り、筋収縮を促すことで筋肉の緊張の改善、疼痛、浮腫の軽減に効果が期待できるようになりました。

微弱電流(マイクロカレント)は、人間がもともともっている生体電流と同じ微弱電気を外部から流すことで同調効果により自然治癒力を促進させるものです。損傷を受けた組織の修復を促進することで、筋肉、靱帯の修復の早期回復に効果が期待できます。

超音波コンビネーションの効果

  • 体の深部まで温めます
  • 新陳代謝を促進します
  • 体の深部のコリをほぐします
  • 神経を刺激し神経の痛みや痺れを緩和します
  • 患部の血行がよくなります
  • 浮腫を改善します/li>
  • 靭帯損傷の修復を早めます

超音波コンビネーション施術例

超音波コンビネーション

当院では、超音波コンビネーションに加えて鍼やマッサージを行うことでその相乗効果により早期回復を実現します。超音波コンビネーションを行った後の組織は血流が良くなり鍼やマッサージが入りやすい状態になっています。表面の硬い組織に邪魔されることなく、深い患部に刺激を入れられるので短時間・短期間での施術が可能になります。

肩こりの方

肩こりにもいくつかの原因が考えられます。首から背中の筋肉が緊張を起こしている場合、姿勢の異常からくる肩こり、背骨や骨盤の歪みが原因となってでる肩こりなど。
当院では色々な検査と触診から原因を探り出し、施術を行います。肩の部分の筋肉の緊張をすばやく取り除きたい場合や、ピンポイントで硬くなっている筋肉がある場合にまず超音波コンビネーションを利用し、その部分をゆるめてから鍼や手技を施すことによって、より早く治療効果を高めることができます。

腰痛の方

腰痛では、慢性的になればなるほど深部の筋肉が緊張を起こし、血流が悪くなり硬結(筋肉のかたまり)となります。いくつか起こりえる原因となる硬結筋肉の一番のポイントに、超音波コンビネーションを当てることで深部の筋肉までゆるみやすい状態になり、その後の鍼や整体を施しやすくすることができ、治療効果を高めます。

オステオトロン(LIPUS)について

オステオトロン

オステオトロンは、低出力パルス超音波による音圧効果で骨の形成を促進し、骨折の治癒期間を40%短縮します。
骨に機械的刺激を与えると、その刺激に応じて骨が形成、修復されることが確認されています。オステオトロンは、極めて出力の弱い超音波を断続的にあてることで損傷部位に音圧刺激を与え、骨の癒合を促進します。
病院などでは骨折の治療によく使われていますが、近年研究などで断続的な振動が修復過程における細胞を刺激することが発表されており、オステオトロンが筋・腱・靭帯の損傷の修復に有効であることが認められ、捻挫などにも使われるようになりました。

このような症状に

当院では、足関節捻挫や野球肘、突き指などでの靭帯損傷、等の外傷に多く利用し、これまでの電気治療に加えて使用することでより高い症状改善が見られるようになりました。

(柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ師 藤井 敦志)