80代女性Mさんは長い間膝の痛みでお困りでした。
何度も繰り返す膝の痛みで歩くのが怖くなり、あきらめかけていた時にあるきっかけで来院されました。
様々な局面があったのちに、正月に東京のお孫さんに会いにいけるまでに回復されました。今回はそのお話をお届けしたいと思います。
目次
病院へ行っても変わらない膝の痛み。高齢者が抱える原因と治療方法とは
Mさんは自営業を営まれており、長年事務作業を担当されておりました。
昔から歩くことは大好きで、1日に40キロくらい歩いていたこともあるそうです。
そんなMさんでしたが、2年ほど前に内臓のご病気で手術をされ、だんだん動くことがおっくうになってきたのです。
その後から膝に違和感が出て歩きにくさを感じるようになり、だんだんお尻の方まで痛くなってきました。
どうしたら良いか分からず整形外科にかかります。
そこで腰からきていると診断され、電気治療と牽引を勧められます。
膝にはヒアルロン酸を打ち続けるようにと。
薬やリハビリで変わらない膝の痛み。改善するために必要だったのはバランス。
しかし、だんだん朝歩くのもつらくなってきて、当院を友人に紹介されて来院されたのでした。
病院でのヒアルロン酸や投薬は続けながら、当院では全身の歪みやバランスを整えることで改善していきましょうとお伝えして施術を開始していきました。
ヒアルロン酸は足りなくなった膝の栄養を補うことに優れています。
関節液を補うことで膝の動きを滑らかにすることができます。
しかし、一方に負担のかかるバランスのまま栄養を補い続けても吸収されにくく、より膝に負担をかけてしまうことになりかねません。
そのために体の歪みを整えて、両方の足でしっかり動けるバランスを取り戻す必要があったのです。
施術を開始してから徐々に回復傾向が見られ、日中の動きだしは大丈夫なまでに改善してきます。
歩くのが怖い!80代女性の膝を襲った急な痛み。改善したのはサプリでもロキソニンでもなく。
そんなある日、朝の歩き出しで強い痛みを覚え、不安そうに来院されました。
施術中どうしても力が抜けない状態に。
急にまた痛みが強くなってきて、歩くのが怖い。
正月に東京の孫のところに行く予定なのにあきらめようかと思っているとおっしゃるのです。
わたしは今の状況とMさんのご希望をお聞きして、これまでの月1回のメンテナンス治療から少し治療間隔を短くして、集中して診ていけば間に合うかもしれないとお伝えしました。
ご本人が、良くなりたい、あきらめたくないという強いお気持ちがあれば必ず改善できると思ったのでご提案してみました。
そこからMさんは自宅でも動作に気をつけていただくようになり、当院での施術で一気にバランスが良くなり、片足でたってもぐらつかなくなるまでに回復。
「これなら東京に行けるかも」とおっしゃるまでに。
なんとか間に合ってよかったです。
正月明けに来院された時に「行ってる間は痛みを忘れて動けていました」とおっしゃっていただけました。
ほんとによかったよかった。
治療を進めていく上でMさんと相談して決めたことはこれらです。
①膝とお尻が痛すぎて動きたくなくなっていたので、毎日動ける範囲でいいから歩いてみよう。
治療で体のバランスを整えて、血の巡りを良くして関節の動きを改善していますが、ご自身の動きがなければ、筋力の回復は望めません。
痛みを怖がっていては、前に進めませんでしたので、毎回どこまで歩けたかを報告していただきました。すると今日はどこどこまで歩けたと喜んで報告していただくようになってきました。
②朝起きた時に、お伝えしていた立ち方を必ず行うようにしよう。
初めて来院された時にもお伝えしていましたが、長い期間で少しお忘れでした。
・両足を肩幅くらいにして足先をまっすぐにする
・立ち上がる時にまず両膝を伸ばし切る(手は両膝に)
・膝を伸ばしたまま体をゆっくり起こして起立する
復習をして、必ず朝3回行うようにしていただきました。
③治療の間隔は自分で決めずに一緒に決めた治療日にしよう。
治療日を計画的に行うことで、目的や目標がはっきりするようになり、いついつまでにこうなりたいと発言できるようになりました。
来院された患者さんにはいつも行っていることですが、改めて大事さがよくわかった例でした。
一緒に行けたことでお孫さんも喜んでもらえたようで本当に良かったですね。
病院でお薬や注射を続けてもなかなか変わらない膝の痛みでお悩みでしたら、一度体のバランスを整えることを試みてはいかがでしょうか?
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》