【この記事のまとめ】夏の大会まで3週間というときに、腰とお尻の痛みでご相談に来られた10代の部活生の事例です。整形外科では仙腸関節の炎症を疑われ、注射も受けておられました。それでも痛みは残ったまま。きっかけは「骨盤が歪んでいる」と言われて自分で始めたストレッチでした。当院では痛むところではなく、体ぜんたいの歪みから整えました。2回の施術で、10だった痛みが2くらいまで下がっています。


目次
大会まであと3週間。腰の痛みでご相談に来られた、部活の高校生
こんにちは。たつの市フジイ整骨院院長藤井です。
先日、武道系の部活をがんばっている高校2年生の男の子が、お母さんのすすめでご来院されました。夏の大きな大会まで、あと3週間ほど。その大事な時期に、腰とお尻が痛くなってしまったそうです。
「大会に間に合わせたい」。その一心で来てくれました。ご家族も長くうちに通ってくださっている方です。

8月1日、練習のあとに始まった腰とお尻の痛み
痛みが出たのは8月1日。最初は右のお尻のあたりでした。
それが数日のうちに、腰の中心へ移っていきます。仙骨(せんこつ・お尻の真ん中にある、逆三角形をした骨)のあたりですね。前の日は右が痛くて、来院された日は真ん中。痛む場所が少しずつ動いていたんです。
腰を痛めたのは、これが初めてだったそうです。これまでスポーツを続けてきてこんな痛みは初めて。しかも大事な試合前だったので親御さんもすごく心配だったことでしょう。

レントゲンでは異常なし。仙腸関節への注射も受けていました
来院された前の日に、整形外科でレントゲンを撮ってもらっています。骨には異常なし。仙腸関節(せんちょうかんせつ・骨盤の後ろにある、上半身の重さを受け止めている関節)の炎症ではないか、ということで注射を受けてこられました。
ただ、ご本人はこう話してくれました。
「押したらそこが絶対痛くなるはずなんだけど、僕はあんまり痛くなかったんで、確定ってわけではないとお医者さんが言ってました」
検査をしても、はっきりしないことってあるんですよね。原因がわからないまま、大会の日だけが近づいてくる。不安だったと思います。ここまでよく我慢してこられましたね。
ひねる時、力を入れる時、長く座っている時に痛む ~10代の腰痛でよくあるご相談~
動きを「止めた瞬間」に痛みが出る
どんなときに痛むのかを聞いていくと、はっきりしていました。
まず、体をひねるとき。そして技を出すときに、全身にグッと力を入れて動きを止める、その瞬間。武道の動きって、勢いよく動いてピタッと止めますよね。その「止める」ところに、腰まわりの負担が集まってくるんです。
勉強中などで長く座っているのもつらかった
もうひとつ、長く椅子に座っていると痛くなる、というお話もありました。
これ、高校生にはこたえますよね。勉強で長く座っていないといけない。でも痛いからといって、立ち歩くわけにもいきません。部活のあいだだけでなく、学校にいるあいだじゅう、痛みとつきあうことになります。
きっかけは「骨盤が歪んでいるよ」と言われた、その翌日でした
良かれと思って始めたストレッチ。次の日から痛みが出た
痛くなる前に、何か思い当たることはありませんか。そうお聞きすると、話してくれました。
金曜日の練習で、指導してくださっている方から言われたそうです。「肩が左だけ異常に上がってるよ。骨盤が歪んでるよ」と。
するとその日のうちに自分で調べて、骨盤のストレッチや筋トレをやってみたそうです。すごく真面目な青年ですよね。でも左右の差は、それなりにそろってきたそうです。
そして、その翌日から腰が痛くなってきたそうです。
体の左右差は「その人にとって自然な形」であることもあるんです
ここは誤解のないようにお伝えしたいのですが、そのストレッチや筋トレが腰を悪くした全ての原因ではありません。彼は言われたことを直そうとしただけ。
ただ、体の左右差って、かならずしも「悪いもの」とはかぎらないんです。
彼の場合、構えるときに右足を軸にして立ちます。何年もその動きを続けていれば、体はそれに合った形になっていきます。私の治療経験では、こうした左右差が、その競技を続けるために体が選んだ形になっていることは少なくありません。
それを急に、力ずくで反対の方向へ戻そうとする。すると体にとっては、いつもと違う動きになります。そこに負担がかかることがあるんですね。
実はこれ、私自身も経験しています ~マラソンの練習で痛めた仙腸関節~
えらそうに書いていますが、実はこれ、私自身の話でもあるんです。
以前、マラソンの練習をしていたころ。同じように、仙腸関節のあたりが痛くなりました。私の場合は、右の股関節に体重を乗せるのが苦手だったんです。どうしても左に乗ってしまう。そのせいで、股関節の前側と仙腸関節に痛みが出ていました。
一生懸命ストレッチをしました。
乗せにくい側の足を鍛えればいいのかと考えて片足に力を加えることばかりやった時期もありました。
でも、なかなか良くならないんです。
結局、腰のバランスを整えてもらったら、すっと楽になりました。伸ばせば治る、というものでもないんですよね。
ここからは、彼の体をどう見ていったかをお話ししますね。
当院で見つけたのは、肩甲骨の高さのわずかな左右差でした
1cmに満たない差。でも、そこにねじれがありました
体を見せていただくと、たしかに肩甲骨(けんこうこつ・背中にある、羽根のような形をした骨)の高さに差がありました。1cmまではいきません。でも、見てわかる程度の差です。
そして大事だったのは、高さだけではなかったこと。右側が、少し回るような形になっていたんです。上下の差だけでなく、ねじれもある。ここが今回のポイントでした。

なぜ、痛いところをまっさきに揉まないのか
腰が痛いのだから、腰をほぐしてほしい。そう思われるのが自然だと思います。
でも私は、痛むところを中心には考えません。もちろん、必要に応じて患部にも手をくわえます。ただ、先にやるのは、ずれてしまった土台を本来の位置に戻していくことなんです。
体が良い状態を取り戻すと、それを保とうとして血のめぐりも良くなっていきます。すると、無理な力がかかって出ていた痛みは、だんだん変わってきます。遠回りに見えて、これがいちばん近道だと考えているんです。
初回の施術で、足の回りやすさが変わりました
「さっきより全然回りますね」という言葉
股関節の動きを整えたあと、もう一度動かしてもらいました。すると、
「さっきより全然回りますね」
ご本人がそう言ってくれました。
最後に立ち上がってもらうと、肩甲骨の高さもそろっています。腕を上げてもらうと、
「さっきより軽く上がるようになってます」
痛みがゼロになったわけではありません。まだ1回目ですからね。でも、自分の体が変わることを実感してもらえた。ここが、とても大事なところなんです。
合宿と大会。目標の日から逆算して通院ペースを決めました
19日(初回施術日の2週間後)から合宿があること。月末に大きな大会があること。そこから逆算して、通っていただくペースを一緒に決めました。
本来なら、3回から4回かけてゆっくり体を作って、変化を待つのがいちばんいいんです。でも今回は、時間がかぎられています。ですからお盆前と後に2回から3回。少しギュッと縮めた形で進めていくことにしました。
ご自宅でできること ~足を平行にそろえる、1分間~
最後に、宿題をひとつお渡ししました。
立っているときや座っているとき、足先が外に開いていませんか。この開きが、仙腸関節に影響してくることがあるんです。
ですから、足を平行にそろえる時間を作ってみてください。長くなくていいんです。1分でもかまいません。テレビを見ているとき、バスを待っているとき。気づいたときに、そっと平行に。
たったこれだけ。でも、毎日の積み重ねは大きいんですよ。

5日後、2回目の来院。10だった痛みが2まで下がっていました
初回から5日後。お盆の前に、もう一度来てもらいました。
「最初を10とすると、今は2くらいです」
まず、どんな具合か聞いてみました。すると、初回の施術のあとから少しずつ楽になってきた、とのこと。仙腸関節のあたりの痛みも、動かしにくさも、だんだん気にならなくなってきたそうです。
こういうときは、数字で聞くようにしています。そのほうが、ご本人にも変化がはっきりわかるからです。
最初の痛みを10とすると、今はどのくらいですか。そうたずねると、2くらい、という答えが返ってきました。
5日でここまで。正直、私も少しほっとしました。
検査でも変化が出ていました ~肩甲骨の高さの差が半分に~
体を見せてもらうと、こちらも変わっていました。
初回に気になっていた背骨のねじれが、あのときほどではありません。肩甲骨の高さの左右差も、1cm近くあったものが半分くらいまで小さくなっていました。左右の動かしやすさの差も、はっきり縮まっています。
体が、自分でいい状態に戻ろうとしてくれた。そんな印象でした。
2回目も、歪みを整えることに徹しました
痛みが引いてきたからといって、やることは変えません。2回目も、体ぜんたいの歪みを整えることに徹しました。
その結果、動かせる範囲がまた広がりました。
このあとはすぐに合宿です。しばらくは施術ができません。それでも本人から「これなら試合に臨めそうです」という言葉が出てきました。合宿に向けて、前を向けるようになっていたんです。
痛みで不安なままグラウンドに立つのと、これならいけると思って立つのとでは、体の動きがまるで違います。この気持ちの変化が、いちばんうれしいところでした。

同じようなお悩みをお持ちの方へ
お子さんが部活で腰を痛めた。病院に行ったけれど、レントゲンでは異常が見つからなかった。注射をしてもらったのに、痛みが残っている。大会が近いのに、どうしてあげたらいいかわからない。
そんな思いをされている親御さんも、多いのではないでしょうか。
あるいはご本人が、姿勢を指摘されて、自分なりに直そうとがんばってみた。それなのに、かえって痛くなってしまった。誰にも言えずに我慢している。そういう子もいると思います。
体の痛みは、痛むところだけを見ていても答えが出ないことがあります。少し離れた場所や、体ぜんたいの使い方に理由がかくれていることも多いんです。
まとめ
今回の高校生は、2回の施術で、10だった痛みが2くらいまで下がりました。合宿にも、月末の大会にも、なんとか間に合いそうです。
痛みが出たのは、彼が何か間違ったからではありません。まじめに、言われたことを直そうとがんばった。その結果でした。ですからどうか、ご自分やお子さんを責めないでくださいね。
体は、きちんと向き合えばこたえてくれます。大事な試合を前に不安をかかえている方の気持ちが、少しでも軽くなればうれしいです。
よくある質問(Q&A)
Q1. レントゲンで異常がないと言われました。それでも痛いのはなぜですか?
レントゲンは、おもに骨の状態を写す検査です。骨に異常がなくても、関節の動きや筋肉の緊張、体ぜんたいのバランスが原因で痛みが出ていることがあります。私の治療経験では、こうしたケースは少なくありません。「異常なし」と言われたからといって、痛みが気のせいということではないんです。
Q2. 仙腸関節とは、どこにある関節ですか?
骨盤の後ろ側、お尻の上のほうにある関節です。背骨の下にある仙骨と、その左右にある腸骨(ちょうこつ)をつないでいます。上半身の重さを受け止め、脚からの力を伝える大事な場所。動く範囲はごくわずかですが、ここがうまく働かないと、腰やお尻に痛みが出ることがあります。
Q3. 部活を休まないと治りませんか?
状態によります。痛みが強いときは、休んでいただくこともあります。でも、動きながら整えていける場合もあるんです。大会の予定はいつか。どこまでの動きができるようになりたいか。そこをお聞きしたうえで、一緒に決めていきます。まずはご相談ください。
Q4. 自分でストレッチをするのは、やめたほうがいいですか?
ストレッチそのものが悪いわけではありません。ただ、いまの体の状態に合っているかどうかが大切なんです。とくに「歪みを直そう」として、力ずくで反対の方向へ動かすやり方は、体に負担になることがあります。どんな動きが今のご自分に合っているか。一度みさせていただければ、お伝えできます。
Q5. 大会まで時間がありません。何回くらい通えばいいですか?
本来は3回から4回かけて体を作り、変化を待つのがいちばんいいと考えています。ただ、大会が近いときは、その日から逆算して回数を組みます。今回の高校生の場合は、お盆をはさんで2回から3回という形にしました。結果として、2回の施術で合宿に間に合っています。目標の日をお聞かせいただければ、そこに合わせてご提案します。
🖊️ この記事を書いた人
氏名:藤井 敦志(ふじい あつし)

資格:柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師
兵庫県たつの市でフジイ整骨院を開業して20年以上になります。骨・筋肉・関節の専門家である柔道整復師と、鍼灸師の国家資格を持ち、体の痛みや不調を幅広く診ています。自費専門・完全予約制のため、お一人おひとりの状態をじっくり確認しながら治療を行っています。
お電話でのご予約
ご予約はお電話
までご連絡ください。
インターネットでのご予約
インターネットからのご予約を受け付けております。
LINEでの予約
LINEからのご予約も可能です。

