目次
はじめに
こんにちは。たつの市フジイ整骨院院長藤井です。
先日、こんなご相談をいただきました。
「これまでは膝が痛くなってもしばらくしたら治っていたのに、今回は2週間も続いていて怖くなりました。
フルマラソンも100キロも走りたいのですが、痛くなりそうで怖くて走れないんです。」
マラソンやランニングを愛する皆さんなら、この気持ち、よくわかりますよね。
今回は、そんな膝痛恐怖を克服し、再び思いっきり走れるようになったSさん(40代女性)の改善事例をご紹介したいと思います。
マラソンランナーSさんの膝痛とその経緯 ~長期化する痛みと心理的恐怖~
本格的ランナーを襲った膝痛の始まり
Sさんは普段からフルマラソンや100キロマラソン、トレイルランニングを楽しまれている本格的なランナーです。
これまでも膝に痛みを感じることはありましたが、しばらく休むと自然に回復していました。しかし今回は違いました。
右膝の痛みが2週間も続き、特に車に乗る時などの日常動作で強い痛みを感じるようになったのです。
興味深いことに、走っている時はそれほど痛みを感じないのに、静的な姿勢での痛みが強いという状況でした。
マラソンランナーを襲う心理的恐怖 ~「走りたいのに怖い」という苦悩~
最も深刻だったのは、痛みそのものよりも「また痛くなるかもしれない」という恐怖感でした。
「走りたいのに、痛くなりそうで怖くて走れない」
このような心理状態になってしまい、大好きなランニングから遠ざかってしまっていました。
専門治療への相談 ~膝痛に悩むランナーの決断~
痛みが長引き、精神的にも追い詰められたSさんは、当院にご相談いただきました。
同じように走りたいのに走れないと悩んでいる方のために、今回はSさんの改善過程をお伝えしたいと思います。
詳しくお話を伺うと…
Sさんの状況を詳しく伺うと、以下のような特徴が見えてきました。
- 走っている最中の痛みは軽微
- 静的姿勢(車の乗り降り等)での痛みが強い
- 以前は自然回復していた膝痛が今回は長期化
- 「痛くなるかもしれない」という恐怖感が運動を妨げている
「ずっと走っていたいんです。でも怖くて…」
この言葉から、Sさんの心の奥底にある思いと、それを阻む恐怖感の深刻さが伝わってきました。
お体の状態をチェックしてみると
詳細検査で発見された膝の機能問題
詳しく身体をチェックしたところ、以下の問題が明らかになりました:
1. 膝関節の完全伸展不足
– 膝を完全にまっすぐ伸ばし切れない状態
– これにより歩行や走行時のバランスが不安定
2. 体重負荷時の膝の不安定性
– 膝に体重が乗った際の安定性の低下
– 筋力や関節の協調性に問題
膝痛治療における根本原因の特定
「膝はまず伸ばし切れるかどうかが鍵なんです。そして体重が乗るか。この2点が重要です。」
さらに体の歪みを整えて左右の足のバランスをチェックしました。はじめは片足立ちでふらつく方がありましたが、歪みを整えると均等に立てるようになりました。
Sさんにもこのポイントをお伝えし、治療方針をご説明しました。単なる痛み止めではなく、根本的な膝の機能回復を目指すことに納得していただけました。
施術方針と実際の治療
マラソンランナーのための総合的治療方針
Sさんの治療では、以下の3つの方針を立てました。
1. 膝関節機能の改善
- 完全伸展可動域の回復
- 体重負荷時の安定性向上
2. 段階的運動復帰プログラム
- 恐怖感を取り除く心理的アプローチ
- 「大丈夫」という感覚の積み重ね
3. 再発防止のための教育
- セルフチェック方法の指導
- 適切な運動量の判断基準提供
ランナーの心と体に寄り添う具体的治療内容
多くのランナーが経験する恐怖感。「今度走って、また痛くなったらどうしよう」という不安は、体の治療だけでは解決できません。Sさんにも同じ気持ちがありました。
身体的な治療では、膝関節の可動域を改善し、周辺筋群のバランスを整える施術を行いました。
特に、膝が完全に伸びるようになることで、体重がしっかりと膝に乗るようになり、安定性が格段に向上しました。
同時に大切にしたのが心理面でのアプローチです。
一度恐怖を感じてしまったランナーにとって、「また走っても大丈夫」という感覚を取り戻すことは、技術的な治療と同じくらい重要なのです。
段階的な復帰プログラムを通して、少しずつ「ここまでは大丈夫」という成功体験を積み重ねていただきました。
改善の経過
段階的復帰プログラムの実施
Sさんには特別な復帰プログラムを提案しました。
「走りたい気持ちはわかりますが、まずは『どれくらいの時間で痛くなるのか』を把握しましょう。
10分で痛いなら5分で止める。20分まで行けるならその寸前で止める。
これを繰り返して、頭に『ここまでは大丈夫』という意識を植え付けていきます。」
心理面での変化
人は一度怖いと感じると、無意識に体を止めてしまったり、痛みを探したりする傾向があります。
Sさんにも、「ここで痛い」ではなく「ここまでは大丈夫」を繰り返していただきました。
現在の状態
段階的にトレーニング距離を延ばしていくうちに、Sさんから嬉しい報告をいただきました。
「徐々に距離を伸ばすうちに、『大丈夫』を繰り返していたら怖くなくなりました!」
現在は恐怖感もなく、再び大好きなマラソンを楽しんでいらっしゃいます。
同じような症状でお悩みの方へ
段階的復帰の判断基準
マラソンでの膝痛から復帰する際は、以下のポイントを参考にしてください。
☑ 痛みのタイミングを記録する
- どの時点で痛みが出るかを正確に把握
- その手前で運動を終了する習慣をつける
☑ 「大丈夫」の積み重ね
- 「痛い」に注目せず「大丈夫だった距離」に注目
- 成功体験を脳に刷り込んでいく
☑ 膝の基本機能チェック
- 膝が完全に伸ばし切れるか確認
- 体重を乗せた時に安定しているか確認
☑ 恐怖感との向き合い方
- 一度に完全復帰を目指さない
- 小さな成功を積み重ねる
専門治療を受けるタイミング
以下の場合は、早めに専門治療を受けることをお勧めします。
- 2週間以上痛みが続いている
- 恐怖感で運動ができない状態
- 膝を完全に伸ばし切れない
- 日常生活でも痛みが強い
まとめ
Sさんの事例から学べることは、膝痛の治療では身体的な改善だけでなく、心理的なアプローチも重要だということです。
特に「恐怖感」は運動パフォーマンスに大きく影響するため、段階的復帰プログラムによる「大丈夫」の積み重ねが効果的でした。
マラソンでの膝痛でお悩みの方は、一人で抱え込まずに適切な治療とアドバイスを受けることで、再び思いっきり走れるようになります。
あなたの「走りたい」という気持ちを大切に、一緒に改善を目指していきませんか?
~たつの市フジイ整骨院 ~あなたの「走りたい」を全力でサポートします~
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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