目次
はじめに
こんにちは。たつの市フジイ整骨院 院長の藤井です。
今回は、脳梗塞の後遺症で左片麻痺があり、さらにアキレス腱を断裂された70代男性Aさんの回復事例をご紹介いたします。
「もう動けないかもしれない」
そんな不安を抱えながら来院されたAさんが、少しずつ自信を取り戻し、また外出ができるようになるまでの道のりをまとめました。
「もう動けないかもしれない」と不安だった日々
Aさんは13年前に脳梗塞を発症され、左半身に麻痺が残りました。
それ以来、週3回のリハビリに通いながら、左足・左手・腰のケアを続けておられました。
動きに不自由はあるものの、なんとかご自身で生活できる状態を保たれていた矢先、ある日、脚立から転落し、左のアキレス腱を断裂してしまいます。
病院で補装具をつけて様子を見ていたそうですが、「歩くたびに踵がズキッと痛む」「床から起き上がるのも一苦労」と、日常生活に大きな支障が出てきました。
初診のとき、「この痛みを何とかしてほしい」と強く希望されていました。
可動性のある補装具をつけていても、踵にかかる負荷で痛みが出てしまい、椅子に座るのもつらそうな様子。
動くことへの意欲が薄れているように感じられました。
しかしこれ以上、動かない生活が続くと、筋力も関節の柔らかさもどんどん失われてしまう——そんな危機感がありました。
「できることから始めましょう」反対側からのアプローチ
Aさんの場合、ケガをしていない右足の筋肉や股関節の調整から始めました。
体は一部分だけでなく全体がつながっているため、反対側から体を整え患部の負担を減らすことで、少しずつ麻痺のある足にも変化が出てきました。
また、上半身の硬さにも注目しました。
片麻痺があるため左右の筋力や可動域には差ができてしまいます。
杖をついたり装具をつけたままでは左右均等に立っていることはつらくなるので、どうしても前かがみや背中を丸くしてしまうことが多くなります。
そんな姿勢ってスマホをじっとみたまま歩いているのと似ています。
背中が丸く下を向いているままでは深い呼吸はやりにくいですよね。
うまく体が使えるようになるには、体を起こして普段生活できるようになることが何よりも先決だと思っています。
特に胸郭や背中の緊張が強く、呼吸が浅くなっている様子もありましたので、まずは胸部の動きを引き出し、横隔膜の動きをスムーズにする施術を行いました。
こうした変化は、すぐに歩けるようになるというものではありませんが、呼吸が深くなることで体に酸素が行き渡り、回復の土台ができていきます。
少しずつ「できること」が増えていく
通院を重ねる中で、「寝転ぶのが楽になってきた」「起き上がるのが怖くなくなってきた」と、Aさんから前向きな言葉が聞かれるようになりました。
ある日、「ちょっと歩いてみようかな、って思えるようになってきた」とおっしゃったときは、私たちスタッフ全員が嬉しくなったのを覚えています。
実際、最初は施術ベッドから立ち上がるのにも時間がかかっていたのですが、2週間ほど経った頃には、背すじを伸ばしてゆっくり歩かれる姿も見られるようになりました。
「今日はタクシーじゃなくて自分で歩いてきました」と話された日には、本当にこちらも力をもらいました。
回復のカギは「動ける体づくり」と「動きやすい環境づくり」
Aさんの回復にとって、最も大きなポイントは「痛みの出ない範囲で、動く習慣をつけること」でした。
最初は、椅子に座ったままの簡単な運動からスタートしました。例えば、太もも上げや足踏み運動、膝を伸ばすストレッチなどです。
ご自宅でも「これだけは毎日やってます」と笑ってお話されるようになり、それが何より嬉しかったです。
また、リハビリがうまくいくかどうかは「環境」も大きな要素です。
Aさんには、家の中での動線を短くしたり、脱ぎ着しやすい服に変えたりといった工夫をご提案しました。
動きやすい環境を整えることで「動こう」という意欲が自然と湧いてくるようになります。
加えて、栄養や睡眠も含めた生活習慣を少しずつ見直すことで、体の回復力が高まりやすくなります。
まとめ
「後遺症があるから…」「もう高齢だから…」と、諦めてしまいがちな方は少なくありません。
しかし、Aさんのように、体の状態を丁寧に観察し、必要なところを少しずつ整えながら、動ける体をつくっていけば、痛みは和らぎ、できることは確実に増えていきます。
「また歩いて出かけたい」「自分で生活したい」という気持ちがあれば、体は年齢に関係なく応えてくれます。
「もう動けないかもしれない」と不安な方こそ、どうか一度ご相談ください。
私たちは、あなたの「また動きたい」「自分で生活したい」という気持ちに、全力で寄り添ってまいります。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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