クラブも休んでるんです
高校一年生の男子。
一ヶ月以上前から咳が止まらない。
病院へ行っても風邪であろうと薬をもらうもなかなか改善しません。
そのうち締め付けるような頭痛が出てくるようになりました。
原因もわからず症状が改善しない日が続いて不安が募るようになります。
そうなると普段の生活も授業中でも不安になり、ストレスがまたその症状を強くしていたのでしょう。
親御さんが当院を見つけ出しワラをもすがる気持ちでご来院いただきました。
もしウイルスなどの原因でその症状が治まらないのであれば当院ではどうすることもできません。
しかし、話を聞かせていただくと風邪の症状は終わっているように思えたのです。
頭痛の種類
頭痛には色々な種類があります。
偏頭痛 頭部の片側がズキンズキンと痛み、頭痛と共に吐き気が起こったり、光や音、臭い、気温の変化に敏感になります。原因としては、脳の血管が急に拡張することで血管の周囲の神経が刺激され、痛みが起きると考えられています。
群発性頭痛 群発頭痛は、じっとしていられない程の激しい痛みがあります。若い男性に多く、1万人にひとりの発症率です。一定の期間に集中して毎日起きる頭痛で、目の後ろを通過する頭の血管の拡張が痛みの原因と考えられています。
緊張性頭痛 緊張性頭痛は、頭が締め付けられるように鈍く痛みます。主に首や肩周り、側頭部の筋肉が緊張した結果、血流が悪くなり痛みが起きる頭痛です。時に、めまいやだるさが伴います。
そのほかにも、くも膜下出血や脳出血などの二次性頭痛というものもあります。
今回の彼のものは病気からというより、咳が止まらないことで血管を何度も圧迫することになり、偏頭痛が起こったものだと思われました。
それよりも長く続くことで不安とストレスが症状を増強していたように感じました。
彼の不安を少しでもとりのぞけるように、しっかりと話を聞き、安心できる治療方針で進めてみることにしました。
治療内容
咳が多く血管が刺激されていたので、頭部・背部・頚部にハイチャージをすることで細胞活性化による緊張の緩和を狙いました。
その後できるだけソフトな鍼治療を施します。
そして、筋肉の緊張を取り除くトリガーマッサージと関節の緊張をゆるめる整体を行い1度目の施術を終了しました。
2回目の施術
2度目の来院時には咳が少しおさまって授業も受けやすくなっていました。
頭痛と筋緊張を取り除くことを目標に同じ施術を行いました。
4回目にはほぼ症状が改善したので終了となりました。
彼が「夜もぐっすり寝られるようになって、授業も受けやすくなりました。クラブも再開できそうです」
と嬉しそうに言ってくれたのが印象に残っています。
風邪を治したわけでも咳止めを出したわけでもないですが、ストレスや不安を和らげることでこの症状が楽になったのでしょう。
これからも不安なく高校生活を送ってくれるといいな。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》