当院の患者さんの中で小さなお子さんをお持ちのお母様がよく来院されます。
はじめは子供を抱っこする時にちょっと痛いなと思うくらいだったのが、そのうち家事をしたりものを掴んだり何をするにしても痛くてつらい。
そんなお困りをお持ちではないでしょうか。
お子さんを出産されたお母様がまず最初に感じる訴えのなかで1番多いのが手首や親指の痛みなんです。
病院へ行くと腱鞘炎ですねと言われ薬や湿布を出されておしまい。
でも痛みはいつまでも続くので何か方法は無いかと治療院に来られることが多いです。
今回はそのように小さなお子さんをお持ちで手首や親指の痛みでお困りの方に、改善策とまだ痛みは出ていないけれども痛みを出さないための予防策についてお伝えします。
小さなお子様をお持ちの方、またはこれから出産を控えている方にはお役に立てるかと思いますので最後までお読みください。
目次
どうなったら手首や親指を痛めるのか?
まずはどうして小さなお子様をお持ちの方に手首が痛くなったり親指が痛くなったりするのか。そのメカニズムについてお話させていただきます。
指や手首の筋肉と言うのはそのほとんどが肘と手首までの間(前腕)にスタートしているものがほとんどです。
腕の筋肉は表側と裏側の両方についており、それぞれ手の平側の筋肉は肘の内側に、手の甲側の筋肉は肘の外側にひっつくようにできています。
片側の筋肉ばかり使うと当然のようにそちら側の筋肉が疲労を起こし硬くなります。
表と裏の筋肉はそれぞれ拮抗するプラスとマイナスの役割を果たしているので、
使い過ぎた筋肉が疲労を起こし血の巡りが悪くなり硬くなる一方で、反対側の筋肉は張力を発揮できなくなって弱くなってしまいます。
そのために硬くなった方の筋肉がついている場所である指や手首は炎症を起こしてしまうんですね。
これが手や指の腱鞘炎を起こしているんです。
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赤ちゃんを抱っこしてなぜ手が痛くなるのか
筋肉がひっつくところに炎症が起きるのはわかるけど、じゃあなんで肘じゃなくて手に炎症が?
そう思われないでしょうか。
赤ちゃんを抱っこする時にどのように使うでしょうか。
まだ首がすわっていない赤ちゃんを抱えているときはしっかり手首で支えて落とさないように落とさないようにと支えていますよね。
その時手首を少し起こして長く保っていると思います。
常に曲げる方に力が入っているんです。
普段使いなれていない方では筋力はそれほどついていないものです。
常に頑張って頑張って赤ちゃんを支えている手はどんどん知らないうちに疲労を起こしてしまっていたんですね。
それが育児中のママが起こしやすい腱鞘炎の原因となります。
このままだと大事な赤ちゃんの頭を支えたいのにお母さんの体はどんどん悪くなる一方です。
ここからは、普段の手の使い方をちょっと工夫するだけで手首や親指の痛みを感じにくくする方法をお伝えしますね。
赤ちゃんを抱っこするとき手首や親指を痛めないためにできること
手首を痛めない抱っことは
ポイントは手のひらを下に返すと言うことです。
赤ちゃんを横抱っこする時手の平を上にするのではなく手のひらを返して下にむけます。
その時反対の手で手首あたりを使うとより楽になるでしょう。
赤ちゃんをたて抱っこする時は手のひらを返すのは難しいのでなるべくもう片方の手を添えて両掌で頭を支えましょう。
それだけで大丈夫なんです。
また、片方の手だけで抱えるのではく左右の手を使えるようにしておきましょう。
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しっかり栄養を取る
もう一つのポイントは母乳を与えているお母さんは栄養を赤ちゃんに分けていますので普通にとれている栄養素が足りない場合が多いんです
筋肉を使うにはエネルギーが必要でそのためには十分な栄養と血の巡りが必要なんです。
しっかり食事をとる事はもちろんのこと総合サプリでも結構ですので栄養素をより多くとるように心がけましょう。
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しっかりあたたまる
最後のポイントは血の巡りを良くするためにしっかり温まることです。
お母さんの体温が低いと大事な赤ちゃんにも影響を与えてしまいます。
しっかり温まってご自身の栄養と血の巡りをじゅうぶん保つように心がけましょう。
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まとめです
・赤ちゃんを抱っこするときは手のひらを返して下に向けて抱っこするようにしましょう。
・十分な栄養素を取るようにしっかりした食事とビタミンなどの栄養素を取り入れましょう。
・お風呂などでしっかり温まるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。
ママが手を痛めたままでは育児がもっとつらくなります。
少しの工夫で楽に育児が続けられるようになりますのでぜひやってみてくださいね。
でもどうしても辛い時は手が痛くて辛いことをパートナーにも聞いてもらって、助けてもらうことが一番だと思います。
わかってもらえない時はパートナーにこのブログを読んでもらいましょう。
それでもダメな時は適切な治療を受けていただくことをお勧めいたします。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》