目次
はじめに
花粉症の季節になると、鼻水・くしゃみ・目のかゆみがつらいのはもちろんですが、それと同時に「頭痛が増える」という方が少なくありません。
普段は頭痛が少ないのにこの時期だけ増える人もいれば、もともと頭痛がある人がさらに悪化する人もいます。
痛みの場所もさまざまで、こめかみがズキズキする、頭全体が重い、頭の後ろが締め付けられる、目の奥が痛い、眉間が重い、という訴えがよく見られます。
こうした頭痛は、花粉そのものが頭を痛くするというよりも、花粉による鼻づまりが続くことで体の状態が変わり、結果として頭痛が起こりやすくなっているケースが多いんです。
ここを知っておくと、頭痛に対して「頭だけに注目する」よりも、原因の流れを止める方向で考えやすくなります。
薬を飲んでもスッキリしない、痛みが繰り返す、肩こりも強いという方は、ぜひ読み進めてくださいね。
鼻づまりが続くと起きる体の変化|口呼吸と睡眠の乱れ
鼻づまりが続くと、まず変わるのが呼吸の入口です。鼻で息がしにくくなるため、体は自然に口から息をするようになります。
口呼吸が悪いという話ではありません。問題は、鼻づまりが続くことで「浅くて速い呼吸」になりやすく、その状態が長時間続いてしまうことです。
鼻が通っているときは、息を吸う量や吐く量が自然に整いやすいのですが、鼻が詰まっていると「吸い足りない感じ」が出やすく、息を吸う回数が増えます。
すると呼吸は胸の上の方だけで行われやすくなり、お腹までゆったり動かす呼吸が減っていきます。これが、呼吸が浅くなる第一歩です。
次に影響するのが睡眠です。夜に鼻が詰まると、寝ている間も呼吸がしづらいですよね。
いびきが増える、途中で目が覚める、寝た気がしない、朝から体が重い、そんな経験ありませんか?
睡眠は体の回復時間なので、ここが乱れると疲労が抜けにくくなり、痛みが出やすくなります。
花粉症の時期に「朝から頭が重い」「起きた瞬間から頭が痛い」という方は、鼻づまりで眠りが浅くなっている可能性があります。
さらに、鼻をかむ回数が増えたり、目をこすったり、顔まわりに不快感が続くこと自体が小さなストレスに。
こうなると厄介ですよね。
このストレスが積み重なると、体は落ち着きにくくなり、筋肉も緊張しやすくなります。
つまり鼻づまりは、呼吸だけでなく睡眠や体の緊張にもつながり、頭痛を起こしやすい土台を作ってしまうのです。
呼吸が浅いと頭痛が出やすい仕組み|首・肩の緊張と姿勢の崩れ
呼吸が浅くなると、体のどこに負担が集まるのか。多くの場合、首と肩です。
鼻が詰まって息がしづらいと、人は無意識に「息を吸いやすい姿勢」を探します。
あごが前に出る、首が前に倒れる、肩が上がる、背中が丸まる、といった姿勢になりやすいです。
この姿勢は、首と肩の筋肉が働き続ける姿勢でもあります。
さらに、浅い呼吸を続けると、首肩の筋肉が呼吸を助けるように働いてしまい、首肩が疲労しやすくなります。
肩こりが強い人が花粉症の時期にさらにこりやすいのは、ここが関係しています。
首肩が固くなると、頭痛が出やすくなる理由は単純で、頭は首で支えられているからです。
首の筋肉が固い状態が続くと、頭の後ろ、こめかみ、目の奥、眉間あたりに重さや痛みが出やすくなります。
「目の奥が痛い」「眉間が重い」という訴えが多いのも、鼻づまりで顔まわりの不快感が出ていることに加えて、首肩の緊張が強くなっているためです。
鼻をかむ動作も地味に影響します。鼻をかむとき、人は首をすくめたり、顔をしかめたりします。
この小さな動作が1日に何十回も繰り返されると、首や肩がこわばりやすくなります。
くしゃみも同じで、反射的に体が固まり、首肩に力が入ります。
花粉症の時期の頭痛は、こうした「小さな緊張の積み重ね」が背景にあることが少なくありません。
もう一つ大切なのが、呼吸が浅い状態は体をリラックスさせにくいという点です。
人は落ち着いているときほど呼吸がゆっくり深くなり、緊張しているときほど浅く速くなります。
鼻づまりで呼吸が浅い状態が続くと、体はずっと緊張モードに入りやすく、筋肉は固まりやすいままになります。
すると、首肩だけでなく背中や腰までこわばり、頭痛が長引く方向へ進みやすくなります。
「花粉症の時期は肩も腰もだるい」という人は、鼻づまりが引き金になって体が全体的に緊張している可能性があります。
実際の来院例から見えてきた首と呼吸の関係
ここで、実際のケースをご紹介します。
50代の女性。事務職で、肩こりのケアで通院されています。
毎年花粉症の季節になると、決まって右側の頭が痛くなるそうです。
「こめかみから後ろにかけてズーンと重い感じが出るんです」
普段はそこまで強い頭痛はありません。
けれど花粉の時期だけ、右に偏って出てくる。
体を確認すると、首のある一点――特定の頚椎の横に、筋肉が塊のように固まっている場所がありました。
押すと、右の頭に響きます。
花粉で鼻の粘膜が腫れ、鼻呼吸がしづらくなると、人は無意識に息を吸いやすい姿勢を探します。
その結果、首がわずかに傾き、呼吸を助けるために首の筋肉が働き続けます。
浅い呼吸が続き、同じ場所ばかり使われると、そこに“しこり”のような緊張が残ります。
この方も、鼻づまりが強い日は呼吸が浅く、胸だけで呼吸している状態でした。
頭痛が右に出るのは、右側の首が緊張しているからでした。
施術では、その塊を無理に押しつぶすのではなく、背骨全体のバランスを整えながら、その部分にかかる負担を減らしていきました。
背骨の傾きが整うと、首の力が抜け、呼吸が自然に深くなっていきます。
その場で「右の重さが違う」と変化を感じられました。
花粉症そのものへの対策ももちろん大切です。
けれど、この方の場合は「鼻だけ」の問題ではありませんでした。
鼻づまりで浅くなった呼吸が、背骨の傾きと首の緊張を強め、それが頭痛につながっていました。
花粉症の治療は必要です。
しかし、背骨から整える視点も同じくらい大切だと感じたケースでした。
花粉症の頭痛が長引く人の共通点|新生活の緊張・目の疲れ・日中の力み
花粉症の時期でも頭痛が出にくい人がいる一方で、毎年のように頭痛が増える人もいます。
違いは何かというと、鼻づまりだけではなく、そこに「緊張が重なるかどうか」です。春は新生活の季節です。
仕事や役割が変わる、人間関係が変わる、通勤ルートが変わる、生活リズムが変わる。
こうした変化は、本人が前向きでも体は緊張しやすくなります。そこに花粉症の鼻づまりが重なると、呼吸はさらに浅くなり、首肩のこわばりは強まります。
この二重の緊張が、頭痛を長引かせる原因になることがあります。
また、目の疲れも大きな要素です。花粉症の時期は目がかゆく、まぶたが重く、ピントが合いにくいと感じる方もいます。
無意識に目に力が入り、眉間にしわが寄りやすくなると、額やこめかみの緊張が強まります。
さらにスマホやパソコンの画面を見る時間が長い人は、首が前に出た姿勢になりやすく、首肩が固まりやすい土台があります。
花粉症の時期に頭痛が増える人は、鼻づまりと呼吸の浅さに加えて、目の疲れと姿勢の崩れが重なっていることが多いのです。
ここで誤解されやすいのが「薬のせいで頭痛が出ているのでは」と心配される点です。
眠気が出る薬もありますし、体がだるくなることもあるため、そう感じる方がいても不思議ではありません。
ただ、薬の影響だけに原因を絞ってしまうと、「鼻づまり→呼吸の浅さ→首肩の緊張」という流れが見えにくくなります。
薬を使うかどうかは別として、体の緊張が続いているなら、そこを整える視点を持つことが大切です。
さらに、花粉症の時期は水分が不足しがちです。外出が減って飲む量が減ったり、鼻水が多くて体が乾きやすかったり、暖房で空気が乾燥したりします。
水分が不足すると体はこわばりやすく、頭痛が出やすい人もいます。
もちろん水分だけで解決する話ではありませんが、鼻づまりで呼吸が浅い状態が続くと、体は全体的に緊張しやすく、条件が揃いやすいということです。
花粉症の頭痛が長引く方は、鼻・呼吸・姿勢・睡眠・生活の緊張が重なっているかどうかを一度整理してみると、対策の方向性が見えます。
まとめ|花粉症の頭痛は“鼻と呼吸”から整えると変わりやすい
花粉症の時期に頭痛が増える理由は、鼻づまりが続くことで口呼吸になり、呼吸が浅くなり、首や肩が緊張しやすくなるためです。
鼻が詰まると睡眠の質も落ちやすく、回復が追いつかず、頭が重い・目の奥が痛い・こめかみがズキズキする、といった症状が出やすくなります。
さらに春の新生活の緊張や、スマホ・パソコンによる姿勢の崩れ、目の疲れが重なると、頭痛は長引きやすくなります。
花粉症の頭痛は、頭だけを何とかするより、原因の入口である「鼻」と、その影響で起こる「呼吸の浅さ」「首肩のこわばり」を含めて考えると変わりやすくなります。
痛みが強い、吐き気を伴う、視界の異常がある、日常生活に支障が大きい場合は別の原因の可能性もあるため、早めに専門家に相談して確認しておくと安心です。
花粉の季節を少しでも快適に過ごすために、まずは呼吸しやすい体の状態を整えていきましょう。
《柔道整復師・鍼灸師・あんま・マッサージ・指圧師 藤井敦志 監修》
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