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鍼治療とは
鍼灸治療は身体のツボ(経穴)や、筋肉の反応点に鍼やお灸を置き、人間が本来持っている自然治癒力を高め、傷病の早期治癒を促したり痛みを抑えたりする治療です。
鍼灸といえば主に東洋医学を思い浮かべがちですが、最近では西洋医学においても鍼治療は注目されており、さまざまな症状においてのアプローチが可能になってきています。
鍼灸を行えるのは、医師の他は鍼灸師といわれる国家資格をもつものだけです。
当院で使用する鍼
当院で使用する鍼は、病院で使用している注射針などに比べるとはるかに細いものです。病院の注射針の先は皮膚や血管の組織を破るために斜めに鋭く切られているため、刺した時に痛みを強く感じますが、鍼治療に使われる鍼は、ひとの髪の毛くらいの太さしかなく、先が鉛筆の先のような形をしていて、スムーズに入っていく構造になっており、刺入時の痛みなどはほとんど感じられませんのでご安心ください。
鍼の太さも0.16mm〜0.2mmまでたくさんあり、顔など敏感なところにはより細い鍼を使用するなど部位によって太さを使い分けています。
当院で使用する鍼は、ディスポーザブル鍼といって使い捨てのものを使用しています。使用する際に滅菌されたパッケージから取り出して使用し、一度使用したものはそのまま廃棄しています。これは患者さんの感染予防でもありますし、施術者の身を守ることにもつながり、今では使い捨ての鍼を使っていないところはほとんどありません。
鍼治療でできること
- 自然治癒力が高まる
- 筋肉内の血流が良くなる
- 病気を予防する
- 体質を変える
凝り固まった筋肉があると体の動きが悪くなり、バランスを崩すことになります。これが肩こりや腰痛をなかなか治らせない原因につながります。体に溜まった老廃物を
フジイ整骨院の鍼治療
当院で行う鍼治療は、『トリガーポイント鍼療法』という考え方の方法を主に使っており、それに独自の触診法を加えポイントを探して治療を行います。詳しくはトリガーポイントのページをご覧いただきたいと思いますが、筋肉にできたトリガーポイントに鍼を直接刺すことで、「ズン!」という感覚とともに「あ〜気持ちいい!」という感覚がくることが多いです。トリガーポイントは痛みという症状がでている場所と違う場所にできることも少なくありません。
症状が出始めてから時間がかかってくると違うところが痛くなってきたという経験をしたことはないでしょうか。はじめ右の腰に痛みを感じていたのに、今は左のお尻のへんから太ももが痛くなってきた。はじめは背中のあたりが痛かったのに、あとから頭痛が止まらなくなった。などなど。
慢性的になればなるほど「症状」と「原因」が違ってくることが多くなります。当院では原因となっている筋肉を探り出し、鍼を打つことで原因にも症状にもアプローチすることを目的として治療を行います。
鍼治療を行うことで改善が期待される症状
腰痛・肩こり・坐骨神経痛・頭痛・椎間板ヘルニア・しびれ・寝違い・ギックリ腰・五十肩・膝痛・捻挫・スポーツ障害・三叉神経痛など
鍼の副作用
鍼の副作用としては、メンゲン、感染などがあります。
メンゲン(瞑眩)とは?
メンゲン(瞑眩)とは、好転反応ともいわれますが、体が鍼などの刺激に対して様々な反応(だるい・おもい・眠いなど)を起こすことを言います。
鍼などの施術を行うことで、一時的に急激に血流が良くなり、滞っていた体内の毒素、悪い血液などがからだ中をめぐることになり、体が正常に戻そうとする力が働く時にこのような症状がおこります。ある意味毒抜きをからだが行っている時の正常な反応といえるので、このような反応が起こった方がより自然治癒力が高まったことになり、痛みから解放されることにつながります。
一時的な反応ですので、多くは治療した日、またはその次の日までの反応です。より痛みがきつくなっているようであれば、その部分を冷湿布や氷水などで冷やしていただくと早くその症状が改善されます。治療したところと別の場所が痛くなることもあります。これは悪い場所が数箇所あり、最も強い痛みを感じる箇所を治療し緩和されると、2番目に痛い場所に痛みを感じるようになるためで、これも好転反応の一つです。
どうしても次の日の反応がきついようであれば、メンゲンで起こされたからだを鎮める施術をすぐに行いますので次の日ご来院ください。
その他の副作用として感染がありましたが、今はほぼ可能性はないに等しいです。鍼は皮膚の中に直接刺入しますので、消毒されていない鍼を使ったり、施術者の手が不潔であったりした場合に感染を起こしていました。今は完全に使い捨ての鍼を使うようになりましたし、施術の前には必ず手の消毒を励行していますので、この副作用についてはご安心ください。
私の経験
わたしはこの世界に入るまでは鍼を受けたことはありませんでした。学校ではじめて鍼を受けたことになるのですが、学校ではあまり実際に打ち合いすることは多くありませんでしたし、特に悪いところがなかったのでそれほど効果というものは自分では感じることはありませんでした。
トリガーポイント鍼を勉強し始めたきっかけ
本当の鍼の体験をしたのは、ある勉強会でペアになった先生と何度も鍼の打ち合いをしたことと、修行先の院長に勉強のためと鍼を打ってもらったことがはじめてかもしれません。弟子として仕事をしていくうちにだんだん腰に痛みを感じるようになっていました。院長に腰の治療として腰部の筋肉と臀部(おしり)の筋肉に鍼を打っていただいたのですが、その時突然「ズキューン!」ときて「おおおっ」と声がでてしまい、自分でもびっくり。でもなんか気持ちいいんですこれが。これがトリガーポイント鍼を受けた始まりであり、勉強したいと思うことになったきっかけでした。
治療の成果で感じた喜び
その後臨床を重ね、ある患者さんで坐骨神経痛があり歩き出すと足先まで痛みとしびれが出て何ヶ月もちゃんと歩けていないという方を、鍼治療や整体などでしっかり散歩できるまでに回復した時には、なんともしがたい喜びでした。
違った意味で「クセになる」
鍼の刺激は時には腰から足先まで走ることもあります。でもそれは一瞬のことであとは暖かくなるようなリラックスできる状態になります。「鍼を知ったらくせになるんでしょう?」と言われる方がよくおられますが、一度鍼をはじめたらずっとやり続けなくてはいけないというわけではありません。
鍼治療を行うことは体の体質を正常に戻す目的もあり、それには細胞の入れ替えを行うのにじっくり時間をかける必要があるために、癖になるという言葉が広まったと思われますが、実際にはその都度痛みから解放されるための手段として使われることが多いです。痛くなったら早く治したいと思うことから、鍼をしなくてはと思い「くせになる」と思う人が多いのかもしれませんね。わたしもその一人です。
(柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ師 藤井 敦志)