
【この記事のまとめ】朝晩が冷えてくる時期に、「まだ痛くはないけれど背中が重い」「朝だけ首が回しにくい」と感じることがあります。痛みが出る前に、後ろを振り向きにくい・腕を上げると背中が突っぱる・深呼吸で胸が広がらない、という三つのサインが先に出ていることがあります。気づき方と、今日からできることをお伝えします。
朝だけ背中が重い。でも動いていると楽になる、という方へ
こんにちは。たつの市フジイ整骨院院長の藤井です。
九月の終わりから十月になると、昼間はまだ暖かいのに、朝晩だけ急にひんやりする日が出てきますね。
この時期になると、こういうお話をよく聞くようになります。
「まだ痛いというほどではないけれど、背中が重い」「朝起きたときだけ、肩が固まっている」「首を横に向けると、少し引っかかる感じがする」。
この段階では、みなさんあまり気にされません。「寒くなってきたからかな」「寝方が悪かったんかな」とおっしゃって、そのまま一日を始められます。昼ごろには動けるようになりますから、なおさら放っておきやすいんです。
ところが、その状態がしばらく続いたあとで、「ある朝、急に首が回らなくなった」「振り向いたときにズキッとした」と来られる方がいらっしゃいます。
先にお伝えしておきます。冷えたから首が痛くなる、と一つに決まるわけではありません。気温が下がったことに加えて、寒さで肩をすくめる、体を丸める、外出や運動が減る、長い時間おなじ姿勢でいる。こういうものがいくつも重なっていることが多いです。
ですから私は、痛くなってから何とかするだけでなく、「なんとなく動きにくい」という段階で気づいておくことも大事だと思っています。
首が痛くなる前に出ている、三つのサイン
首が痛くなって来られた方に、ここ一か月のことをお聞きすると、だいたい次の三つのどれかが先に出ています。
① 以前より、後ろを振り向きにくい
いちばん多いのが、車のバックです。駐車するときに後ろを向こうとして、「あれ、回りにくいな」と気づかれます。
職場なら、右に置いてある書類を取ろうとして首を向けたときです。そのときに首の付け根から肩甲骨の内側にかけて「ピキッ」とくる、という方もいらっしゃいます。

強い寝違えのように、まったく動かせないわけではありません。ただ、「これ以上動かしたら痛くなりそう」という怖さが出てきて、首を動かす代わりに体ごと振り向くようになります。この時点で、首はもうかばわれているんです。
② 腕を上げると、背中まで突っぱる
万歳をしたときや、高いところの物を取ろうとしたときに、肩ではなく背中のほうが引っぱられる感じがする。これも早いうちに出てくるサインです。
③ 深呼吸しても、胸が広がらない
大きく息を吸ったときに、胸や背中がふくらむ感じが小さい。かわりに肩が上がる。ご自分ではなかなか気づきにくいところですが、見せていただくと、けっこうな方に出ています。
こういうとき、よく聞くのがこの言い方です。
「布団から出たときに、背中がギュッと縮まっている感じがするんです。でも動いていると楽になるので、そのままにしていました」
動いていると楽になる。これが、放っておきやすい理由だと思います。
なぜ秋の冷えで、背中と肩甲骨がこわばるのか
気温が下がると、人は知らないうちに体を小さくします。肩をすくめて、腕を体に近づけて、背中を少し丸める。寒い朝に外へ出たときを思い出していただくと、分かりやすいと思います。

短い時間ならどうということはありません。でも、もともとデスクワークなどで背中が丸くなりやすい方が、そこへさらに同じ姿勢を続けると、肩甲骨と背中を大きく動かす機会が減ってしまいます。
肩甲骨は、腕を動かすためだけのものではありません。首、肩、背中と筋肉でつながっていて、腕を上げる、振り向く、深く呼吸するといった動きにも関わっています。

ですから、肩甲骨と背中が動きにくいまま後ろを振り向こうとすると、本来は胸のあたりも一緒に回るところを、首だけで動きを補おうとします。そのぶん、首まわりの筋肉に負担が集まってきます。
「昔から肩こりやから」とおっしゃる方は多いです。無理もないと思います。長いこと付き合ってこられたものですから、多少重くても、それがふつうの状態になっているんですね。
ただ、そこから少し掘り下げてお聞きすると、「そういえば以前より後ろを振り向きにくい」「腕を上げると背中まで突っぱる」「深呼吸しても胸が広がらない」と出てきます。
私が見ているのは、痛みの強さだけではありません。以前なら普通にできていた動きが、しにくくなっていないか。ここが大事なところだと思っています。
首が痛いのに、肩甲骨と呼吸を見る理由
首の痛みで来られた方でも、最初に首だけを見ることはしません。
首を左右に向ける動き、腕を上げる動き、肩甲骨、背中のひねり、立ったときの姿勢。こういうものを順番に確かめていきます。症状が出ている場所と、そこへ負担を集めている場所が同じとはかぎらないからです。
「首が痛いから首を揉む」で終わらせずに、なぜ首が頑張らなければならなくなったのかを、体全体から探していきます。
施術は、だいたい次の順番で進めます。
はじめに体全体の緊張をゆるめます。次に、痛む動きをその場で再現してもらって、どこに負担が集まっているかを確かめます。そのうえで動きにくいところを動かせるようにして、最後にもう一度、体全体を整えます。

無理に首をひねったり、強く押したりはしません。その日の状態を確かめながら進めます。
呼吸を見るのには理由があります。肩を上げるようにして息を吸うくせがついていると、首の横についている筋肉が、呼吸のたびに働き続けることになります。一日に何千回とくりかえす動きですから、ここが変わると首まわりの楽さも変わってきます。
それから、施術の前後で同じ動きをやってみてもらいます。そこで痛みが一度にすべてなくなる、という意味ではありません。どこが動きやすくなったのかを、ご本人にも確かめていただくためです。
今日からできること|温める・動かす・同じ姿勢を続けない
朝晩の冷えを感じ始めたら、難しいことをたくさんするより、まずこの三つを意識してみてください。
① 温める
朝晩に首や背中が冷える方は、薄手の上着を一枚はおって、急な冷えを避けてください。
お風呂は、シャワーだけで済ませずに湯船につかっていただきたいです。温めればすべての痛みを防げるというわけではありませんが、寒さで体を縮こませたままにしない工夫にはなります。
② 動かす
朝起きていきなり首をグルグル回したり、強く伸ばしたりする必要はありません。
肩をゆっくり上げて、ストンと下ろす。腕を前後に動かす。深呼吸をしながら胸を軽く開く。痛みの出ない範囲で、背中と肩甲骨を動かしてみてください。
③ 同じ姿勢を続けない
これがいちばん大事だと思っています。パソコンやスマホに集中すると、気づかないうちに三十分、一時間と同じ姿勢が続きます。
完璧な「正しい姿勢」をずっと保とうとするより、ときどき姿勢を変えたり、立ち上がったりするほうが現実的です。一時間に一度、立ってお茶を入れにいくくらいで十分です。
おまけ|寝る前と、起きたときのコップ一杯の水
これはいつもお伝えしていることです。寝ているあいだにも汗で水分は出ていきます。寝る前と、朝起きたときに、コップ一杯の水を飲んでみてください。難しいことではないので、まずここから始めていただいてもいいと思います。

そして、「まだ痛くないから大丈夫」と考えないでください。朝だけ首が回しにくい、背中が以前より重い、肩甲骨が固まっている感じがする。こういう小さな変化のほうに、目を向けてみてください。
こんなときは、お医者さんへ
腕や手に強いしびれがある。力が入りにくい。激しい頭痛やめまいをともなう。熱がある。転んだり事故にあったりしたあとから強く痛む。
こうしたときは、冷えや肩こりと決めつけずに、医療機関で状態を確かめてください。
よくある質問(Q&A)
Q1. まだ痛くないのですが、行ってもいいですか?
かまいません。むしろ、その段階のほうがこちらも見やすいです。「朝だけ重い」「振り向きにくい」という時期に来ていただくと、どこが動いていないかがはっきり分かります。
Q2. 朝だけなら、放っておいていいですか?
昼には楽になるので放っておきたくなるのですが、朝のこわばりが毎日続くようなら、一度見ておいたほうがいいと思います。動きにくさが先にあって、あとから痛みが出てくるという順番をよく見ます。
Q3. 温めるのは、いつがいいですか?
入浴のときがいちばん手軽です。あとは、朝起きてすぐ動きにくいときに、首の後ろから肩甲骨のあいだを温めると動かしやすくなります。寝る前に温めると、そのまま眠りやすいという方もいらっしゃいます。
Q4. ストレッチは、どれくらいやればいいですか?
回数よりも、回数を分けることをおすすめしています。一度に十分やるより、一時間に一回、三十秒ずつのほうが体は変わりやすいです。痛みが出るところまでは伸ばさないでください。
まとめ|秋の冷え込みは、毎年やってきますから
秋の冷え込みは毎年やってきます。だからこそ、「寒くなったらまた首が痛くなる」とあきらめるのではなく、痛みが強くなる前に準備を始めてみてください。
温める。動かす。同じ姿勢を続けない。この三つを毎日の中に少し入れておくことが、秋から冬を気持ちよく過ごすための備えになると思います。
朝の背中の重さが続いている、振り向きにくさが気になる、という方は、痛くなる前に一度ご相談ください。
🖊️ この記事を書いた人
氏名:藤井 敦志(ふじい あつし)

資格:柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師
兵庫県たつの市でフジイ整骨院を開業しています。骨・筋肉・関節の専門家である柔道整復師と、はり師・きゅう師の国家資格を持ち、体の痛みや不調を幅広く診ています。自費専門・完全予約制のため、お一人おひとりの状態をじっくり確認しながら治療を行っています。
フジイ整骨院
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痛みが強いとき、長引くとき、しびれや力の入りにくさがあるときは、医療機関の受診をおすすめします。
柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師 藤井 敦志

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