【この記事のまとめ】秋の花粉症で、くしゃみと鼻づまりだけでなく頭まで重い。首や肩までガチガチになる。鼻だけの問題に見えて、じつは口呼吸や睡眠、姿勢、そして自律神経の乱れが重なっていることがあります。よくいただくご相談と、家でできること、そして鍼という選択肢についてお伝えします。
秋になると、鼻だけでなく頭や首までつらくなる方へ
こんにちは。たつの市フジイ整骨院院長藤井です。
花粉症というと春のスギやヒノキを思いうかべる方が多いですよね。でも秋にも、ブタクサやヨモギなどの花粉で、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが出る方がいらっしゃいます。
そのなかで意外と多いのが、「鼻だけじゃなく頭まで重い」「首の後ろが凝ってくる」「夕方になると頭痛まで出る」というご相談です。
毎年この時期がくるのが憂うつ。そう思いながら過ごしておられる方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

ご本人は「花粉症だから鼻が悪いんだろう」と考えておられます。でも実際には、鼻づまりで口呼吸になったり、夜の眠りが浅くなったり、くしゃみを何度もくりかえしたりすることで、首や肩まわりに負担がかかっていることがあるんです。
鼻が詰まっていると、無意識に顔を前へ出したり、少しあごを上げたりして、呼吸しやすい姿勢を取る方もいます。あるいは、くしゃみをしすぎて、首や胸に力が入りすぎてしまう。こうした状態が何時間も続けば、首や肩の筋肉は疲れてきます。
それに、鼻が通らないというのは、それ自体がストレスですよね。そのストレスが、さらに自律神経の乱れをつくっていきます。
つまり、「花粉症と首こりはまったくべつの話」とは言いきれないんです。花粉症が直接、首こりや頭痛を起こすというより、鼻づまり、眠りの浅さ、姿勢の変化、そしてストレス。それらが重なって、つらさが広がっている。そう考えたほうが自然です。
ブタクサの時期になると、鼻づまりと頭の重さが続く|よくいただくご相談です
こんなご相談を、この時期によくいただきます。
長くパソコンを使うお仕事の方に多いです。肩こりは前からあったものの、日常生活に困るほどではなかった。そこからです。
毎年この時期になると、急にくしゃみと鼻水がふえる。朝起きたときには鼻が詰まっている。春のスギ花粉症もあるけれど、「秋のほうが頭が重くなる感じが強い」。そうおっしゃる方がいらっしゃいます。

最初は市販の薬を使う。くしゃみや鼻水は少し楽になる。でも夕方になると、目の奥からこめかみ、後頭部にかけて重だるさが残る。
さらに首のつけ根から肩にかけて固まって、仕事が終わるころには「じっとしているだけでしんどい」という状態に。休んでいるはずなのに肩がつらい日もある。
夜も鼻が詰まりやすく、口を開けて寝ていることが多くなります。
朝起きると口が乾いていて、「寝たはずなのに疲れが取れていない」。その状態でまたパソコン仕事をするので、午後になると首が重くなり、ときには頭痛まで感じるようになる。
「花粉症なのに、なんで首までこんなにしんどくなるんでしょう」
そうおたずねいただくこと、よくあるんです。
つらいのは鼻と首。でも、いちばん気になるのは呼吸です
これまで診てきた中で、よく見かける形があります。
首だけでなく、背中や肩甲骨の動きもかなり小さくなっている。

そして深呼吸をしていただくと、大きく吸えない。吸っているつもりでも、呼吸そのものが小さくなってしまっているんです。
もちろん、鼻づまりだけがすべての原因というわけではありません。ただ、もともとのデスクワークの姿勢に、秋の鼻づまりと眠りの浅さが重なって、首や肩まわりの負担がふえている。その可能性は十分に考えられます。
なぜ、花粉症で首こりや頭痛まで出るのか
鼻は、体にとって空気の玄関です。
その玄関がふさがると、どうなるでしょうか。みんな裏口から出入りすることになりますよね。裏口が、口です。
裏口は、本来そこまで使う入り口ではありません。そこに人が集中すれば、まわりが混みあってきます。体でいえば、首や胸のまわりに無理がかかってくる、ということです。
鼻から十分に息を吸いにくいと、あごを少し上げたり、頭を前へ出したりして、吸いやすい姿勢をさがす方もいます。この姿勢だと、首の後ろの筋肉が頭を支えつづけることになります。そこへパソコンやスマホの時間が長ければ、もともと前に出ていた頭が、さらに前へ。
くしゃみも、体にとってはなかなかの仕事です。
一回するたびに、首から胸、背中まで、ぎゅっと力が入ります。2、3回なら何ともありません。でも花粉の多い日に、朝から何十回。そのたびに力が入って、抜けて、また入る。もともと肩こりのある方だと、これがこたえるんですね。
そして、鼻づまりで夜の眠りが浅くなることもあります。十分に休めないまま翌日をむかえると、「頭がぼーっとする」「首が重い」「集中しにくい」と感じる方もいらっしゃいます。
鼻、呼吸、姿勢、睡眠、ストレス。ひとつずつは小さくても、これだけ重なれば体はしんどくなります。
こんな頭痛は、お医者さんへ
ひとつだけ、大事なお願いがあります。
花粉症の時期に頭が重くなる方はいらっしゃいますが、すべてが花粉症によるものとはかぎりません。
強い頭痛。今まで経験したことのない頭痛。熱をともなう頭痛。手足のしびれ、ろれつが回りにくい。こうしたときは、花粉症や肩こりと決めつけずに、お医者さんで確認してください。
首をもんでも戻ってしまうとき、どこを見ているか
「首がつらいから首をもむ」だけではなく、背中、肩甲骨、胸まわり、骨盤まで、体ぜんたいの動きを確かめます。

つらい場所と、そこへ負担を集めている場所は、同じとはかぎらないからです。首に症状が出ていても、背中や胸まわりが固まっていることで、首ががんばりすぎている。そういうことがあるんですね。
すすめ方は、こういう順番です。
まず、体ぜんたいの緊張を取りのぞきます。かたまったままでは、どこがどう動いているのか見えてこないからです。
つぎに、鍼で自律神経を整えます。
そのうえで、あらためて全身を整えていく。
施術のあとは、首を左右へ回していただいて、動きを確かめます。鼻の通りと、首や背中の動き。その両方を見ながらすすめていきます。
じつは私も、花粉症なんです
ここで、少し私自身の話をさせてください。
毎年3月ごろになると、鼻水がズルズル、涙も出てきて、仕事をするのもかなりつらい状態でした。薬を飲んで、なんとかしのいでいたんです。
ところがある先生から、花粉症に効くツボがあるとお聞きしました。そこに鍼を打ってもらうと、その場で鼻水が止まったんです。しかも、そのシーズンはずっと症状が出ずに過ごせました。
すぐにその方法を教えていただいて、当院でも花粉症でお困りの方に行うようになりました。
星状神経節への鍼という方法
当院で行っているのは、星状神経節(せいじょうしんけいせつ)というところへの鍼です。
のどぼとけの横あたりにある、自律神経の集まっている場所です。ここへ鍼、または電気を当てていきます。時間にすると5分ほど。
【研究データ】この方法は、論文でも報告されています。鼻アレルギーの方に星状神経節への鍼を行ったところ、約8割の方に症状の改善がみられたという報告です。また海外でも、422人を対象にした比較試験で、薬だけの場合より鍼を組み合わせたほうが症状と薬の使用がへったという報告があります。
出典:安藤文紀ほか「鼻アレルギーに対する星状神経節刺鍼の効果」全日本鍼灸学会雑誌 1988 / Brinkhaus B, et al. Ann Intern Med. 2013

ただし、すべての方に同じように効くわけではありません。100%ではないんです。そこは正直にお伝えしておきます。
先にお伝えしておきたいことも、ふたつあります。のどの奥近くまで指を置くので、少し圧迫感があります。それと、まれに内出血ができることがあります(血管を傷つけるわけではないので、数日で消えます)。
鍼がどうしても苦手という方には、べつの方法もあります。特殊な微弱電流の機器を使うことで、鍼と同じような効果を出すことができます。
治療の流れや費用など、くわしくはこちらの記事にまとめています。
なお、症状が強い場合は、耳鼻科などで適切な治療を受けることも大切です。鍼はそれに代わるものではなく、あわせて考えていただく選択肢のひとつだと思っています。
今日からできること
当院でお伝えしていることを書きます。全部やらなくて大丈夫です。できそうなものから、ひとつだけどうぞ。
1. お風呂に浸かる
シャワーですませていませんか。湯船に浸かると、鼻の通りが変わる方は多いです。それに、体がゆるむと呼吸も深くなります。夜の眠りにもつながりますから、いちばんにおすすめしたいことです。

2. 寝る前にコップ一杯の水
口を開けて寝ていると、のども鼻の奥も乾きます。乾くと、ますますつらくなる。寝る前のコップ一杯で、朝の感じが変わることがありますよ。
3. 枕元に濡れタオルを置く
寝ているあいだの湿り気が保てます。加湿器がなくても、これで十分です。
4. 帰ってきたら、玄関で花粉を落とす
家に入る前に服をはらう。帰ったらうがいと洗顔。外出時のマスクとあわせて、これが基本になります。持ちこむ量がへるだけでも、夜が楽になります。
5. くしゃみのとき、肩をすくめない
これは気づいたときだけで十分です。くしゃみを止める必要はありません。ただ、肩を思いきり上げてしまうクセがあると、回数が多い日にこたえます。
6. ゆっくり息を吐く時間をつくる
吸うことより、吐くことです。座ったまま、ゆっくり長く吐く。それを何回か。鼻が詰まっていてもできますし、自律神経のほうが落ちついてきます。
7. 耳鼻科のお薬は、やめなくていいです
ときどき「鍼をするから薬をやめたほうがいいですか」と聞かれます。そんなことはありません。続けてください。薬でしのぎながら、体のほうも整えていく。それでいいんです。
よくある質問(Q&A)
Q1. 耳鼻科の薬と併用してもいいですか?
はい、そのまま続けてください。やめていただく必要はありません。症状が強い時期は、薬で抑えながらのほうが過ごしやすいと思います。減らせるかどうかは、そのあとで考えていけば大丈夫です。
Q2. 鍼は痛いですか? 何回くらい必要ですか?
のどぼとけの横に指を置いて行うので、少し圧迫感があります。まれに内出血ができることもありますが、数日で消えます。時間は5分ほどです。回数は方によってちがいますが、症状の強い方でも数回で変化を感じられることが多いです。鍼が苦手なら、微弱電流の機器という方法もあります。
Q3. 花粉の時期だけ通えばいいですか?
症状が出てからでも大丈夫です。むしろ、出ているときのほうが変化を感じやすいと思います。ただ、出はじめる前に行っておくと、そのシーズンが軽くなることもあります。どちらでもかまいませんよ。
Q4. 鼻炎が治れば、首こりも治りますか?
鼻が通れば楽になる部分は、たしかにあります。ただ、首や背中のかたさがもともとある方の場合、鼻だけ良くなっても残ることがあります。デスクワークの姿勢が土台にある方は、とくにそうです。鼻のほうと、体のほうと。両方から見ていったほうが早いです。
まとめ|「秋だから仕方ない」で終わらせないために
秋になると毎年くしゃみや鼻づまりがふえて、それと一緒に頭が重い、首が凝る、肩まで張る。そういう方は少なくありません。
鼻づまりそのものだけでなく、口呼吸、眠りの浅さ、長時間のデスクワーク、くしゃみのくりかえし、そしてストレス。それらが重なることで、首や肩のつらさを感じやすくなることがあります。
まず大事なのは、原因になる花粉をできるだけ避けること。そして症状が強いときは、耳鼻科などで適切な治療を受けること。そのうえで、「薬で鼻は少し楽になったけれど、首のこりや頭の重さまでは残る」という方は、首だけでなく背中や肩甲骨、呼吸の状態まで確かめてみるとよいと思います。
「秋だから仕方ない」と、毎年がまんしてこられた方もいらっしゃるかもしれません。でも、自分の症状が鼻だけなのか、首や肩、頭の重さまで広がっているのか。それを知っておくだけでも、打つ手は変わってきます。
花粉症そのものへの対策と、体ぜんたいの状態を整えること。その両方から考えていくことが、秋を少しでも楽に過ごすための方法になると思っています。
🖊️ この記事を書いた人
氏名:藤井 敦志(ふじい あつし)

資格:柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師
兵庫県たつの市でフジイ整骨院を開業しています。骨・筋肉・関節の専門家である柔道整復師と、はり師・きゅう師の国家資格を持ち、体の痛みや不調を幅広く診ています。自費専門・完全予約制のため、お一人おひとりの状態をじっくり確認しながら治療を行っています。
フジイ整骨院
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柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師 藤井 敦志

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