(「台風の進路を見るだけで不安になる」台風前に足のむくみとひざの重だるさをくりかえしていた50代女性のケース|たつの市の整骨院)

【この記事のまとめ】台風が近づくと足がむくみ、ひざが重だるくなる。その原因は、気圧や湿気だけとはかぎりません。歩く量がへってふくらはぎが動かなくなり、足首や股関節のかたさが表に出てくることもあるんです。台風のたびに右ひざが重くなっていた50代女性のお話をもとにお伝えします。

 

ふくらはぎと足首の動きを確認する施術
ふくらはぎと足首の動きから確認していきます

台風が近づくと足がむくみ、ひざが重くなる|そのつらさ、よくわかります

 

こんにちは。たつの市フジイ整骨院院長藤井です。

 

「朝から体が重い」「足がむくんで靴がきつい」「ひざがいつもより重だるい」。台風や大雨が近づく時期になると、こんなご相談がふえてきます。

 

天気予報で台風の進路を見るたび、「また体がしんどくなるな」と気が重くなる。予定を入れるのをためらってしまう。天気は自分では変えられないだけに、これはこたえますよね。

 

「天気が悪いと古傷が痛む」という話は、よく聞きます。ただ、雨や台風がひざを直接いためるわけではないんです。

 

50代女性Kさんのケース|台風が近づくたびに右ひざが重くなっていた話

 

院長が患者さんの話を聞いているようす
まずはじっくりお話をうかがうところから

 

今回ご紹介するのは、50代後半の女性Kさんです。事務のお仕事で、日中は座っている時間が長かったそうです。夕方に少し足がむくむことは前からあったものの、寝れば戻っていたので気にしていなかったとか。

 

ところがある年の夏から、台風が近づくたびに右ひざが重だるくなってきたそうです。痛いというほどではなく、「ひざの中に何かつまっているような感じ」。雨の前日の夕方には靴下のあとがくっきり残り、右のふくらはぎまで張ってきたとか。

 

とくに困ったのは階段だったそうです。上るときより、降りるときのほうが重い。「痛くて動けないわけではないけれど、ひざが自分の脚ではないような感じがする」と話されていました。

 

湿布をはっても、足を高くして寝ても、次の台風でまた同じ状態にもどる。そのうち天気予報を見るだけで心配になり、お出かけの予定をひかえることもふえていったそうです。

 

天気予報を見るのがこわくなる。そんな日々を過ごしてこられたんですよね。

 

お話をうかがうと、Kさんは若いころに左の足首を強くひねったことがあったそうです。それ以来、無意識に右脚へ体重をかけるくせがついていたとか。椅子から立ち上がるとき、右脚が前へ出にくい感じもあったそうです。

 

ここからは、私が実際に体を診てわかったことです。

 

重だるさが出ているのは右ひざ。けれど動きが小さくなっていたのは、右の股関節との足首でした。左足首が十分に曲がらないぶん、左脚で地面をおせない。その結果、右脚で体をささえる時間が長くなっていました。

 

右の股関節もかたく、脚を後ろへ引く動きが小さい。だから腰をそらせるようにして前へすすんでいました。一歩ごとに、右ひざががんばる歩き方です。右のふくらはぎは中に水分をふくんだまま表面がかたく張り、背中や腰もこわばっていました。

 

Kさんは「足だけが悪いと思っていたけれど、背中までこんなにかたいとは思わなかった」と、おどろかれていました。

 

ただ、台風がすべての原因ではありません。昔の捻挫だけが原因でもない。座る時間の長さ、足首、股関節、歩き方。いくつかが重なったところに天気の変化がきて、右ひざに負担が集まっていた。そう考えました。

 

なぜ天気が変わるとひざが重くなるのか|むくみと歩き方のつながり

 

ふくらはぎから足首にむくみがたまり、ひざに負担が集まっているようす
ふくらはぎ〜足首に水分がたまると、足首が動きにくくなり、ひざが代わりにがんばることになります

 

台風が近づくと気圧が下がり、湿度が上がります。体はそれに合わせて体温や血のめぐりを調整しようとします。この調整をしているのが「自律神経(じりつしんけい)」。無意識のうちに体を整えてくれている神経のことです。

 

変化が大きいと、その調整に負担がかかります。体がだるい、眠い、頭が重い。そうなると動くのがおっくうになり、歩く量が自然とへっていきます。

 

ここでふくらはぎの出番です。ふくらはぎは、足にたまった血や水分を上へもどすポンプのような役目をしています。歩くときの伸びちぢみが、その働きを助けてくれる。動く量がへると、このポンプが休んでしまうんですね。足首やすねに水分がたまり、むくみとして感じるようになります。

 

むくむと、足首の動きも小さくなります。足首が十分に曲がらないまま歩くと、体はひざや股関節で代わりに動こうとする。ひざを伸ばしたまま歩いたり、片側へ体をかたむけたり。すると「ひざの中が重たい」「脚が持ち上がりにくい」「階段でふんばれない」という感じが出てきます。

 

ただ、同じ台風の日でも何も感じない方もいらっしゃいます。私の治療経験でお話しすると、天気で不調が出やすい方の多くは、もともと体のどこかに負担のかたよりがあります。天気はそのきっかけになっているだけ。そういうことが多いんです。

 

当院での見立てと施術|重いひざだけを診ない理由

 

施術に入る前に、「どんなことができるようになりたいですか」とおたずねしました。返ってきたのは「天気予報を気にせずに、出かける予定を入れられるようになりたい」というお答え。「一緒にやっていきましょう」とお伝えしました。

 

ひざを強くおしたり、むりに曲げ伸ばししたりはしません。むくんだふくらはぎを、ぐいぐい流すこともしませんでした。

 

まず左の足首が動きやすい状態をつくる。そのあと右の股関節と骨盤を整えて、右脚だけで体をささえなくてもよい状態にしていく。あわせて背中と腰のこわばりをやわらげ、歩くときに骨盤が自然に動けるように。そういう順番ですすめました。

 

院長が脚と足首の動きを確認しているようす
重いのは右ひざでも、整えるのは足首から

 

重いのは右ひざなのに、最初にさわるのは左の足首。ふしぎに思われるかもしれません。でも右ひざががんばっている理由が左足にあるのなら、そこから整えないと、またもどってしまうんですね。

 

ふくらはぎの張りが強かったので、体に負担の少ない微弱電流(びじゃくでんりゅう)も組み合わせました。ごく弱い電気で、緊張したままの筋肉を整えるものです。ただ、機器を当てればよくなるとは考えていません。どこに、どの順番で使うか。そこが大事だと思っています。

 

初回の施術のあと、もう一度立っていただきました。

 

「右ばかりに乗っていたのが、左にも立てる感じがします」

 

歩いていただくと、右ひざの重さも少し軽くなったとのことでした。もちろん一回ですべてがなくなるわけではありません。それでも手ごたえは、初回から感じていただけました。

 

あわせてお願いしたのは、台風の前だからと外出をぜんぶひかえないこと。家の中で足首を軽く動かす。座りっぱなしの時間を短くする。それくらいのことです。

 

数回かよっていただくなかで、Kさんはこう話してくださいました。

 

「台風が近づいても、以前ほどひざの重さを気にしなくなりました。夕方のむくみはありますけど、階段で脚が出しやすくなって」

 

こんなむくみは、早めにお医者さんへ

 

ひとつだけ、大事なお願いがあります。

 

片脚だけが急に強くはれた。赤くなって熱を持っている。ふくらはぎに強い痛みがある。息苦しさや胸の痛みがある。こうしたときは、整骨院で様子を見ずに、すぐにお医者さんを受診してください。

 

むくみには、内科の病気や血管の問題がかくれていることもあります。「いつものむくみと明らかにちがう」と感じたときは、遠慮なさらずに病院へ行ってくださいね。

 

よくある質問(Q&A)

 

Q1. 天気のせいなら、どうしようもないのでしょうか?

天気そのものは変えられません。でも、同じ台風の日でも不調が出る方と出ない方がいらっしゃいます。その差は、もともとの体のかたよりから生まれることが多いんです。負担の集まりやすいところを整えておくと、天気が変わったときの出方もちがってきます。

 

Q2. むくんだふくらはぎは、もんだほうがいいですか?

強くもむのはおすすめしません。そのときは楽になった気がしても、水分がたまる流れそのものは変わらないからです。それより、足首を軽く曲げ伸ばしするほうが、ふくらはぎのポンプが働いてくれます。座りっぱなしの時間を短くするだけでも、ちがってきますよ。

 

Q3. ひざが重いのに、なぜ足首や股関節まで診るのですか?

足首・ひざ・股関節・骨盤は、鎖のようにつながって動いているからです。足首が動かないぶんを、ひざが引き受けていることがあります。Kさんの場合は、重いのは右ひざでしたが、動きが小さくなっていたのは左の足首と右の股関節でした。痛むところと、負担が生まれているところはちがう。そういうケースがあるんです。

 

まとめ|天気に振り回されない体づくりを

 

台風のときの足のむくみとひざの重だるさ。その背景には、歩く量のへり方や、体の左右差がかくれていることがあります。

 

Kさんの場合も、台風が右ひざを悪くしていたのではありませんでした。左足首、右の股関節、右脚に体重をかける歩き方。そこへ天気の変化が重なって、かたよりが強く出ていたんです。

 

むくみやひざの重だるさは、強い痛みではないぶん後まわしにされやすい症状。「天気が悪いから仕方がない」と、毎年がまんしてこられた方もいらっしゃるかもしれません。

 

天気予報を見るたびに気持ちが沈む。出かける予定を立てるのをためらう。それは、思っている以上にしんどいことですよね。

 

天気は変えられません。でも、天気が変わっても動きやすい体は、つくっていけます。台風の季節を、少しでも気楽に過ごしていただけたらと思っています。

 

🖊️ この記事を書いた人

氏名:藤井 敦志(ふじい あつし)

資格:柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師

兵庫県たつの市でフジイ整骨院を開業して20年以上になります。骨・筋肉・関節の専門家である柔道整復師と、鍼灸師の国家資格を持ち、体の痛みや不調を幅広く診ています。自費専門・完全予約制のため、お一人おひとりの状態をじっくり確認しながら治療を行っています。

 

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