【この記事のまとめ】何もないところでつまずく。玄関でよろける。片足になるとすぐ足をついてしまう。それは筋力だけの問題とはかぎりません。大事なのは、右と左でちがいがないかということ。よくいただくご相談と、今日からできることをお伝えします。
最近つまずくことがふえた方へ
こんにちは。たつの市フジイ整骨院院長藤井です。
「最近ちょっとした段差で足が引っかかる」「歩いていて一瞬よろける」「玄関でよろけた」。こういうお話を、けっこう聞きます。
これは年齢に関係なく起こることです。80代、90代の話だと思われるかもしれませんが、そうとはかぎりません。
大きく転んでいなくても、こうした変化は、体のバランスが以前と少し変わってきたサインかもしれません。
つまずくたびに、少しずつ自信がなくなっていくんですよね。そのうち「こけたらどうしよう」が頭をよぎるようになる。歩くこと自体が、楽しみではなく心配ごとに変わっていく。それは、しんどいことだと思います。

かんたんに確かめられる方法があります
片足立ちです。
壁や机など、すぐにつかまれる安全な場所で片足を上げてみてください。以前より大きくふらつく、すぐ足をついてしまう。そういう方は、足だけでなく体ぜんたいのバランスを一度見なおしてみてもよいかもしれません。
【目安になる数字】日本整形外科学会などが定める「運動器不安定症」という状態の基準のひとつに、目を開けた片足立ちが15秒未満という項目があります。ちなみに、ある調査では15秒続かなかった方の割合は、50代で約1割、60代で約13%、70代で約27%、80代で約55%と報告されています。
出典:日本整形外科学会「運動器不安定症」の定義および診断基準/「コツコツウォーク2006」調査
ただし、「15秒できなければ異常」という意味ではありません。
年齢、体力、痛み、視力、神経の働き。いろいろな要素が関係します。片足立ちは診断ではなく、あくまで自分の体の変化に気づくためのひとつの目安として考えてください。
それに、秒数そのものより大事なことがあります。右と左でちがいがないか。ここです。

何もない場所でつまずき、片足立ちも続かない|よくいただくご相談です
こんなご相談を、よくいただきます。
買い物も家事もふつうにこなし、週に何度か散歩もされている。「自分はまだまだ元気」と思っておられる。そういう方に多いんです。
ところがあるころから、歩いているときに片方のつま先を引っかけることがふえてくる。
最初は道路の小さな段差。そのうち家の中でもカーペットのふちに引っかかるようになり、「最近なんか足が上がってないんかな」と感じるようになる。
決定的なのは、玄関で靴をはこうとして片足になったときです。
以前なら壁に手をつかなくてもはけていたのに、片足を上げた瞬間、体が大きく傾く。あわてて下駄箱につかまる。
「転んだわけではないけど、ちょっと怖くなったんです」
そうおっしゃる方が、いらっしゃいます。
「あの足が弱くなった」と思われがちですが
これまで診てきた中で、よく見かける形があります。
安全を確かめたうえで片足立ちをしていただくと、片方では数秒立てるのに、もう片方ではすぐ体が外側へ傾く。
さらに確かめていくと、そちら側の足首を曲げる動きが小さい。股関節も動かしにくくなっている。立った姿勢では体重が反対側へ寄っていて、乗ることを避けるような立ち方になっている。

ご本人は「あの足が弱くなった」と思っておられます。でも、筋力だけの問題ではないんです。
足首、股関節、骨盤まわりの動き。そして、体重をどこに乗せるかという重心の使い方。そこにも左右の差が出ています。
なぜ、片足立ちが不安定になるのか
片足で立つというのは、思っている以上に複雑な動作です。
足の裏で床の状態を感じる。足首で細かな揺れを調整する。膝や股関節で体を支える。骨盤や上半身で、重心を足の上に保ちつづける。これを全部、同時にやっています。
船の上で立っているところを想像してみてください。
揺れるたびに、足首でちょこちょこ細かく直しているうちは、上半身は静かなままです。でも足首が使えないと、今度は腰や腕を大きく振って立てなおすしかなくなる。傍から見ても、危なっかしいですよね。
体の中でも、同じことが起きています。足首がかたいと、細かな調整ができないぶんを、膝や股関節、上半身の大きな動きで補うことになるんです。
股関節がかたかったり、片側に体重を乗せることを避けるクセがあったりすると、片足になったときに、重心を支える足の上へうまく移せません。その結果、体が横へ倒れそうになって、すぐ反対の足をついてしまう。
足首の動き、股関節、筋力、感覚、視覚、ふだんの歩き方。いくつもの要素が関係しています。ひとつの原因で説明できるものではないんですね。
「歩けているから大丈夫」と思いやすいところですが、日常で大きな問題がなくても、片足立ちや階段、段差といった少しむずかしい動作になると、左右差が見えてくることがあります。
この時期に気をつけたいのは、暗くなる時間が早くなること。それと、気温の変化です。足元が見えにくくなり、体もこわばりやすい。そこへ体のバランスの変化が重なると、つまずきにつながることがあります。
右足が引っかかるとき、右足だけを見ない理由
「片方の足が引っかかる」という症状だけを見て、その足だけを施術することはしません。
つらい場所と、そこへ負担を集めている場所は、同じとはかぎらないからです。
すすめ方は、こういう順番です。
まず、体ぜんたいの緊張を取りのぞきます。かたまったままでは、どこがどう動いているのか見えてこないからです。
つぎに、ふらつく動きをその場で再現していただきます。玄関での動作なら、片足になる動き。そうやって、どこに負担がかかっていたのかを確かめます。
そして、動きやすい状態をつくってから、体ぜんたいを整えていく。
ここで、足の裏を大事にしています。
足の裏ぜんたいを床にしっかりつけること。これは、脳に刺激を入れることにつながります。脳に刺激が入ると神経が通りやすくなって、バランスが良くなることにつながっていくんです。

施術のあとは、もう一度立っていただいて、変化を確かめます。
体の流れ方がどう変わったか、その場で確かめていただきます。
大事なのは、どこが変わったのかをご本人にも確かめていただくこと。そこから、次に何を整えるかが見えてきます。
つま先の上がり方。玄関で靴をはくときの安定感。そういう日常の場面を目安にしていきます。
今日からできること
いつもお伝えしていることです。全部やらなくて大丈夫。ひとつだけ選んでみてください。
1. 歩き出す前に、足の指に力を入れる
これがいちばんおすすめです。
歩き出す前に、足の指ぜんたいを床につけるようにする。あるいは、つま先で立つようにして、指に一度ぐっと力を入れる。それだけです。
足の裏から脳に刺激が入って、そのあとの一歩目が変わってきます。

2. いきなり片足立ちの練習をしない
「片足立ちができないなら、練習すればいい」。そう思われるかもしれません。でも、ふらつく状態で何十回もやるのは、危ないだけです。
まずは安全に歩くこと。そこからで十分です。
3. 足首をゆっくり動かす
座ったままで大丈夫です。足首をゆっくり回す。曲げて、伸ばす。お風呂あがりや寝る前に、気づいたときだけで十分です。
4. 椅子から立ち上がる動作を、ていねいに
浅めに腰かけて、膝を一度伸ばしきってから体を起こす。勢いで「よいしょ」と立つのとは、足への乗り方がちがってきます。一日に何度もある動作ですから、ここが変わると大きいです。
5. お風呂に浸かる
シャワーですませていませんか。体がゆるむと、足首も動きやすくなります。寝る前にコップ一杯の水もあわせてどうぞ。
こんなときは、お医者さんへ
ひとつだけ、大事なお願いがあります。
急にふらつきが強くなった。めまいがする。ろれつが回りにくい。手足にしびれがある、力が入りにくい。こうしたときは、ただのバランスの問題と考えずに、すぐにお医者さんを受診してください。
「いつものふらつきと、なにかちがう」。そう感じたときは、遠慮なさらずに病院へ行ってくださいね。

よくある質問(Q&A)
Q1. 片足立ちの練習をすれば、よくなりますか?
練習そのものが悪いわけではありません。ただ、ふらつく状態でくりかえすのは危ないですし、動きにくいところが動かないまま数だけこなしても、なかなか変わらないことがあります。まず足首や股関節が動くようにする。順番としては、そちらが先です。
Q2. 筋トレは必要ですか?
いま無理に始めなくても大丈夫です。「あの足が弱くなった」と思って来られる方が多いのですが、筋力だけの問題ではないことがよくあります。体がかたよったまま鍛えても、効果が出にくいことがあります。まずは動きを整えて、そのあとで考えても遅くありません。
Q3. 靴は、何に気をつければいいですか?
かかとがしっかりしていて、脱げにくいものを。サンダルやスリッパは、足の指で押さえようとして力が入りやすくなります。家の中でスリッパをよく脱げそうになる方は、そこも見なおしてみてください。
Q4. 痛みはないのですが、行ってもいいですか?
もちろんです。むしろ、痛みが出る前のほうが見やすいことがあります。「痛くはないけれど、昔より足元が不安」。その段階でご相談いただくほうが、できることは多いです。
まとめ|大事なのは、秒数より左右差です
つまずきは、ある日突然始まるというより、その前に「最近よくつまずく」「片足になると不安定」「階段で足が上がりにくい」といった小さな変化が出ていることがあります。
片足立ちが何秒続くか。それだけで何かが決まるわけではありません。以前より明らかにふらつくようになった。そのことのほうが、よほど大事な情報です。
そしてもうひとつ。右と左で、大きなちがいがないか。
片方だけ極端に立ちにくい。片方の足首だけかたい。いつも同じ足を引っかける。そういう場合は、その左右差を体ぜんたいから確かめてみることをおすすめします。
「痛みはないけれど、昔より足元が不安」「歩くときに自信がなくなってきた」。そう感じておられるなら、いまが見なおしどきです。まだ動けるうちのほうが、整えられることは多いですから。
自分の変化に早く気づくこと。それが、これからも安心して歩きつづけるための第一歩になると思っています。
🖊️ この記事を書いた人
氏名:藤井 敦志(ふじい あつし)

資格:柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師
兵庫県たつの市でフジイ整骨院を開業しています。骨・筋肉・関節の専門家である柔道整復師と、はり師・きゅう師の国家資格を持ち、体の痛みや不調を幅広く診ています。自費専門・完全予約制のため、お一人おひとりの状態をじっくり確認しながら治療を行っています。
フジイ整骨院
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痛みが強いとき、長引くとき、しびれや力の入りにくさがあるときは、医療機関の受診をおすすめします。
柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師 藤井 敦志

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