【この記事のまとめ】夏にサンダルをはくと足の小指側が痛い。その原因は、はきものだけとはかぎりません。足首のぐらつきや股関節のかたさから、体重が足の外側へ流れていることもあるんです。旅行前にご来院された50代女性のお話をもとにお伝えします。

目次
サンダルをはくと足の小指側が痛い|そのつらさ、よくわかります
こんにちは。たつの市フジイ整骨院院長藤井です。
「小指のつけ根がズキズキする」「足の外側だけ赤くなる」。夏になると、こんなご相談がふえてきます。
買い物のとちゅうで足が痛くなる。せっかくの旅行なのに、歩くのが楽しみではなく不安になってしまう。夏はお出かけがふえる季節なのに、足の痛みがそれをがまんの時間に変えてしまうんですよね。そのつらさ、よくわかります。
「サンダルが合わなかったのかな」。多くの方はそう考えます。でも、買いかえてもまた同じところが痛くなる。そういう方も、少なくないんです。
50代女性Yさんのケース|旅行前に足の外側が痛くなってご来院された話

今回ご紹介するのは、50代半ばの女性Yさんです。夏休みの家族旅行にそなえて、新しいサンダルを買われたそうです。
ところが、そのサンダルではじめて出かけた日。30分ほど歩いたころから、右足の小指のつけ根に違和感が出てきたそうです。帰るころには小指のつけ根が赤くなり、足の外側から足首まで重だるくなっていたとのことでした。
数日後、もう一度はいてみると、今度は買い物のとちゅうから外側がズキズキ。小指を地面につけるのがこわくなり、気づけば親指側へ体重をにがすような歩き方に。帰宅したころには、右のひざの内側と腰まで重くなっていたそうです。
はばの広いのサンダルもためされたそうです。それでも、長く歩くとやはり足の外側が痛む。「旅行先で歩けなくなったら困る」。そんな不安をかかえて、ご来院されました。
楽しみにしていた旅行が近づくほど、足のことが気がかりになる。ここまでおひとりで悩んでこられたんですよね。
お話をうかがうと、Yさんは数年前に右の足首をひねったことがあったそうです。はれがひいたあとは、とくに治療は続けなかったとか。それ以来ぐらつく感じはあったものの、スニーカーなら歩けていたので気にしていなかったそうです。
ここからは、私が実際に体を診てわかったことです。
右の足首は、片足で立つと安定しませんでした。歩いていただくと、右のつま先が外へむき、体重が小指側へ流れていきます。さらに右の股関節も内側へ動かしにくく、脚全体が外へひらく動きに。歩くたびに骨盤が左へにげ、右足の外側で体をささえる時間が長くなっていました。
ただ、昔の捻挫がすべての原因ではありません。体の不調に、原因がひとつだけということはまずないんです。足首、股関節、歩き方。いくつかが重なって、小指側に負担が集まっていた。そう考えました。
なぜ小指側に体重が集まるのか|足首と股関節のつながり

体には「運動連鎖(うんどうれんさ)」というつながりがあります。むずかしそうな言葉ですが、要するに「ある場所の動きが、となりの場所に影響する」ということ。足首が動けば、ひざが動く。ひざが動けば、股関節が動く。鎖のようにつながっているんです。
ふつうに歩くとき、足はかかとからつき、足のうらぜんたいで体重を受けとめ、さいごに親指側で地面をおします。でも足首が安定していないと、着地の瞬間に足が外へかたむく。すると小指側だけでふんばる時間が長くなってしまうんです。
サンダルは、スニーカーとちがって足をつつみこむ形をしていません。だから歩くたびに足がずれ、ぬげないように指でつかむような歩き方になりやすい。スニーカーをはいているあいだはくつが足をささえてくれるので、気づかないんですよね。
私の治療経験でお話しすると、小指が痛い方の多くは「小指そのものが悪い」わけではありません。小指へ体重が集まりやすい歩き方になっている。そういう方が多いんです。
だから湿布やパッドでそのときは楽になっても、歩き方が変わらなければ、夏になるたび同じ痛みをくりかえしてしまうことがあるんですね。
当院での見立てと施術|痛い小指だけを診ない理由
施術に入る前に、Yさんにこうおたずねしました。「旅行では、どのくらい歩きたいですか」。
返ってきたのは「とちゅうで靴をはきかえずに、家族と一緒に最後まで歩きたい」というお答え。目標がはっきりすると、どこまで整えればいいかが見えてきます。「一緒にやっていきましょう」とお伝えしました。
痛いところをぐいぐい押したり、もんだりすることはしません。まず足首が安定して動ける状態をつくる。そのあと股関節と骨盤の動きを整える。歩いたときに足のうら全体で体重を受けとめられるように。そういう順番ですすめました。

初回の施術のあと、立ちあがったYさんはこうおっしゃいました。
「右足だけ外へ乗っていた感じが、へっています」
歩いていただくと、「足のうら全体で立っている感じがします」と、おどろかれていました。もちろん一回ですべての痛みが消えるわけではありません。それでも手ごたえは、初回から感じていただけました。
そのあとは旅行までに数回、足首と股関節の動きを整えていきました。あわせて、サンダルをはく時間も少しずつのばしていただきました。
旅行のあとにご来院されたとき、Yさんは笑顔でこう話してくださいました。
「去年ならとちゅうで靴をはきかえていたと思います。でも今回は最後まで歩けました」
よくある質問(Q&A)
Q1. 昔の足首の捻挫が、いまの足の痛みに関係することはありますか?
関係していることはあります。はれと痛みがひくと治ったように感じますよね。でも足首の安定感がもどりきらないまま過ごされている方も、いらっしゃいます。くつをはいているうちは気づきにくく、サンダルにかえたときに表へ出てくる。そういうことも少なくありません。
Q2. どのくらいの回数で楽になりますか?
お体の状態によってちがうので、一概には言えません。Yさんの場合は初回で変化を感じていただけましたが、どなたにも同じように起こるものではありません。まずは一度お体を診させていただいて、どのくらいかかりそうかをお伝えするようにしています。
Q3. 整形外科と整骨院、どちらへ行けばいいですか?
指がへんな方向にまがってきた、しびれがある、じっとしていてもズキズキする。こうしたときは、まず整形外科で検査を受けてください。骨に問題がなく、それでも歩くと痛いという場合は、歩き方や体の使い方を見ていく当院のような整骨院がお役に立てることがあります。
まとめ|夏の足の痛みをくりかえさないために
「毎年おなじところが痛い」「小指だけでなく、ひざや腰までつかれる」。そんな方は、足だけでなく、歩き方や体ぜんたいのバランスを見てみるといいかもしれません。
なお、痛いところをご自分で強くもむのはおすすめしません。負担のかかり方そのものは変わらず、かえって長引くこともあるからです。
足が痛いというだけで、お出かけがゆううつになる。旅行の予定を素直に楽しみだと思えなくなる。それは、思っている以上にしんどいことですよね。「サンダルだから仕方がない」と、毎年がまんしてこられた方もいらっしゃるかもしれません。
夏は、お出かけがふえる季節です。がまんしながら歩くのではなく、行きたいところへ気持ちよく歩いていける。そんな足もとを、一緒につくっていけたらと思っています。
🖊️ この記事を書いた人
氏名:藤井 敦志(ふじい あつし)

資格:柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師
兵庫県たつの市でフジイ整骨院を開業して20年以上になります。骨・筋肉・関節の専門家である柔道整復師と、鍼灸師の国家資格を持ち、体の痛みや不調を幅広く診ています。自費専門・完全予約制のため、お一人おひとりの状態をじっくり確認しながら治療を行っています。
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